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日本キリスト教界における言論の自由と情報公開

2005年9月30日15時34分
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関連タグ:言論の自由

数年前から政府機関や独立行政法人などの情報公開法が施行され、基本的に国益や個人のプライバシーに関わる情報以外なら、誰でも開示請求を行うことができるようになった。国は国民に対して行政活動の内容を説明する責務があり、国民は知る権利がある。それは国民主権の理念に基づく近現代社会の常識である。それに加えて、健康な社会を保つために、言論の自由が保障されるべきであることは言うまでもない。健全な言論があってこそ健全な社会が成り立つのである。

本紙では以前、「キリスト教界 「言論の自由」を保護しよう」という社説を載せたことがある。神から聖なる使命を与えられ、日本で最も公的で透明であるべきキリスト教界では、自らを公正で透明に保つために、どのような取り組みが為されているだろうか。現在、日本のキリスト教界には、一般の信徒が自分の属する教団や宣教団体の情報を自由に見ることができるシステムはあるだろうか。あるいは、特定の教団教派に縛られずに教界全体のニュースを自由に報じることができる媒体に対してどのくらい正直に取材に応じてくれるだろうか。残念ながら、いまだに多くのキリスト教団体が外部に対して情報を公開していないのが現状である。このような閉鎖性は、影響力が大きい主要な団体であるほど強い傾向がある。

日本のキリスト教界が外部に対して口を閉ざし、閉鎖的になっているのは、自らを世俗と切り離し、外部とのコミュニケーションを断絶してしまうことが権威であると誤解していることに一因がある。そのような態度は、世俗的な「権威主義」であって本当の「権威」ではない。教会団体が、公的な権威を守るという言い訳の下で、無条件に「取材お断り」と言うのは、決して自分たちの権威を守ることではない。情報開示のシステムもなく、自由に報じることも禁じられ、一方的な機関誌または取材が限られたメディアに頼るしかない情報弱者の一般信徒と大多数の外部の人間は、一体どのようにしてその組織を信頼したら良いのか。

「信仰」という名で盲目的に信じることを強要するなら、それは、まさしく権力乱用であり、暴虐でしかない。だれも覗くことができない、密室の会議によって運営される教団と、閉鎖された「クレムリン」の中で密かに政策を決定していた旧ソ連と何が違うだろうか。誰にも批判されない権力が集中するところには、必ず腐敗がある。

本当の権威は上から押し付ける君臨ではない。イエス・キリストの権威は、弟子たち(一般信徒)にしもべのように仕えた謙遜と犠牲からにじみ出たものであった。したがって、教会の権威は、信徒のために、しもべのように仕える謙遜と犠牲から現れるものである。主に仕える教会の指導者は、一般信徒のために仕える「主のしもべ」であるべきだ。主から任された使命に忠実に仕える姿勢を失っていないなら、情報弱者の知る権利を尊重すべきである。世俗と調和せずに世俗化してしまうことが権威ではない。世俗と調和を保ちながら世俗化されないことが本当の権威である。

勿論、どのような組織も、部外者が自分たちの会議に入り込んで、情報を外に流すことに良い顔はしないだろう。しかし、我々は個人のプライバシーを暴露して危害を加えるような無分別な自由を主張しているのではない。公的な組織の当然の情報公開と、公的な事柄についての当然な報道の自由を主張しているのである。神の働きを任された指導者は公人であり、諸教団、諸団体は公的な立場であることを忘れてはいけない。そして日本に暮す全てのクリスチャンの代弁者としてキリスト教言論がある。天から与えられた権威はクリスチャン全体のためのものである。したがって日本のキリスト教界は、教会行政、経理状況、宣教戦略など様々な公的な決定に関わる全ての情報を日本全国の全てのクリスチャンに隠すことなく知らせる義務と責任がある。

更に、我々は、日本教界の閉鎖性が、日本の宣教を難しくしている一つの要因であることを無視してはいけない。果たして、教会に一度も来た事が無い人が、外からは覗くことができない不透明で得体の知れない教会に通いたいと思うだろうか。日本の教会がマスコミの取材を拒否し続け、中の様子をまったく見せないなら、その密室で不正が行われていると疑うのは当然ではないだろうか。実際、そのような体質のせいで、99%の国民がキリスト教に無関心になり、変な誤解を持つようになったのである。キリスト教言論は、そのような無関心と誤解から教界を守る義務がある。その責務を果たすには、キリスト教界自らが言論に対して正直でなければならない。

健全な言論の自由があってこそ、キリスト教界の健全な成長が可能になる。言論に対して、キリスト教界が隠すことなくありのままの姿を見せることが人々の信頼を得る道であり、それは必ず日本のキリスト教界全体の発展につながる。 キリスト教界が開放的で透明になり、自らが健全であることを証明しているなら、自然と多くの人々が親しみを持って教会を訪れるようになるだろう。したがって、日本教界の指導者は積極的に言論の前に姿を現し、諸教団、諸団体は、全国のクリスチャンの代弁者である言論の前で正直に姿を現すべきである。日本のキリスト教界の時代錯誤的な不透明で閉鎖的体質を悔い改めない限り、日本のキリスト教は衰退の道を歩み続けるだろう。自らを悔い改められない者が他人に悔い改めを勧めることはできない。

関連タグ:言論の自由
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