「森は海の恋人」を合い言葉に植林活動に取り組み、4月に亡くなった畠山重篤さん(日本バプテスト同盟気仙沼教会員)が、宮城県気仙沼市の名誉市民として顕彰されることになった。9月7日に開かれるシンポジウムで顕彰式が行われる。
畠山さんは1943年、中国・上海生まれ。父親が戦後に気仙沼市で始めたカキの養殖業を継承。海の環境を守るため、89年から「森は海の恋人」を合い言葉に植林活動を始めた。94年にエッセイ集『森は海の恋人』を出版し、2009年にはNPO法人「森は海の恋人」を設立した。その活動は小・中学校の教科書などでも取り上げられた。
11年の東日本大震災では母親を亡くし、養殖業も被害を受けたが、その後も活動を継続。今年4月3日に、肺血栓塞栓(そくせん)症のため81歳で亡くなった。
キリスト教関係の講演会でも度々話をしてきた。その中で、「森は海の恋人」の英訳は、英語に堪能な美智子皇后(現上皇后)からアドバイスを受けて考案したもので、旧約聖書の詩編42編の表現も参考にしたことを明かしていた。
顕彰式では、顕彰状、名誉市民章のほか、一時金と遺族に対する弔慰金も贈呈する。遺族を代表して、長男の哲さんが受け取る予定。
気仙沼市は、旧気仙沼市、旧唐桑町、旧本吉町時代に計7人の名誉市民・町民を顕彰しているが、合併後は畠山さんが初めて。