信仰を理由に、警察に逮捕されたミリアムは、拷問と劣悪な環境の中でも信仰を手放さず、他の女性たちに福音を語った。だがついに、彼女は国外追放となる。出国の当日、母と子は涙の別れを強いられた。そして、ミリアムは一人祖国へと送還されたのだった。(第1回から読む)(人物の本名は伏せて変えてある)
長年離れていた祖国の地に戻り、ミリアムは、他に寄る辺がなかったので、仕方なく親戚に連絡を取り、その家に身を寄せることになった。ミリアムが改宗者であることはすでに知られていたのだ。
親族は怒り、彼女を家の中に閉じ込めた。「家からは一歩も出さんぞ!」と言い渡され、彼らはミリアムに日常的な暴力を加え、罵倒し、信仰を捨てるように強要した。
「彼らは私の信仰を “恥” と見なし、私を辱めることで信仰を捨てさせようとしたのです。でも私には、イエス様しかありませんでした。信仰を捨てることなど絶対にできないことです」
やがてミリアムは、夜中にこっそりとその家を抜け出し、見知らぬ土地へと逃れた。誰も彼女を知らない場所で、一から生活をやり直すしかなかったのだ。
しばらくして、小さな町に腰を落ち着けたミリアムは、手作業で始めた小さな服の販売を手がけた。徐々に収入が得られるようになり、やがて彼女は細々とした衣料品店を開くことに成功した。しかし、彼女の心の奥底には、常に子どもたちへの熱い思いが渦巻いていた。
「私はあの子たちにとって、唯一の家族で母親だったんです。私がいなくなってから、子どもたちは深いショックを受け、心の病を抱えてしまいました」
最年長の子どもは、働きながら弟妹を支え、家族で何とか暮らしていた。だが、ミリアムと直接会うことはできないままだった。唯一予定されていた再会の機会も、当局によって土壇場で握り潰されてしまったのだ。
それでもミリアムは、諦めない。「私は信じています。神様がいつか、私たちを再び一つにしてくださることを」
現在ミリアムは、祖国の新たな教会に通い、婦人会の活動にも参加している。また、日曜学校の教師としての奉仕もしている。子どもたちとの再会の希望を胸に、彼女は今日も主に仕えている。
「どうか祈ってください。私が再び子どもたちと会い、恐れのない信仰生活を送れるように」(続く)
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