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保育の再発見

保育の再発見(9)マンネリズムも生活の一環

2023年6月19日19時49分 執筆者 : 千葉敦志
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子ども/children/kids/幼稚園/kindergarten/保育園/nursery+
※ 写真はイメージです。(写真:Norihiro Kataoka)

人が労苦してみたところで何になろう。わたしは、神が人の子らにお与えになった務めを見極めた。神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。(新約聖書・コヘレトの言葉3章9~11節)

デイリープログラムとは生活のリズムである

前回書いた通り、きっちりしたデイリープログラムを書き上げても、現場でそれがしっかり運用されているかといえば、あまりうまくいっていない場合が多いです。特に給食の前後はとてもばたつき、活動終了―片付け―配膳完了―給食開始までの一連の流れが、20分以上かかってしまうことがほとんどでした。多くの保育施設では、デイリープログラム通りに保育が進んでいないのです。

先日、ある認定こども園で、給食を食べない子に対して保育士が4時間にわたって給食を食べるように強要していたことが虐待として報道されました。よく考えてみれば、4時間ということは、11時過ぎに始まる給食時間から昼寝が終わる午後3時前までの間、延々と食べさせようとしていたわけで、保育士自身の休憩時間もすっ飛ばし、必死に食べさせようとしていたということです。

知り合いの保育士に聞いてみましたが、よほど強い意志がなければ、こんなことはやるのも難しいとのことでした。この保育士は多分、相当生真面目な性格だったのでしょう。そこには、強要しなければならないと思い込む相当な理由もあったと思われます。

理想的なマンネリズムが保育

保育施設に通う子どもの理想的な状態は、保育施設で満足し、家に帰って夕飯を食べ、お風呂に入ったらコテンと寝てしまうような状態です。そうすれば保護者のストレスも軽減します。また、翌朝も気持ちよく目覚めることができ、保育施設での楽しい様子を子どもの口から保護者が聞くことができるようになるでしょう。

一日中楽しい保育を子どもの視点から考えてみることは必要です。しかし、子どもを一日中喜ばせる目新しい題材を保育士が毎日提供し続けるのは、体力的にも気力的にも難しいものです。ですので、子どもたちが日常を苦なく過ごし、日常のさまざまなシーンに興味を持ち、自分自身でそれをやってみたいと思うことが必要だと分かるはずです。そのためにも、子どもたちの自主的な交わりを促進することが大切で、子どもたちの生活に余裕を持たせなければならないことが分かるはずです。

デイリープログラムは必要最低限の注意事項

デイリープログラムは生活のリズムです。それは、潮の満ち引きのようにゆったりと全てを巻き込んで進められていくものであることをしっかりと自覚しましょう。自分の日常生活を考えてみれば、大人であっても、前回紹介したような分刻みのスケジュールで時間を回してはいないと思います。予め決まって(決めて)いるのは、起床時間、出勤時間、休憩時間などのはずです。その一方で、「今日は調子が悪いから朝食は軽くしよう」とか、「今日は疲れたからお風呂はやめておこう」といった感じで、体調や気分などに合わせて変化させていくはずです。

デイリープログラムも同じです。あくまでも日常の大きな流れであり、毎日行わなければいけない事柄をまとめたものであって、トイレに行く回数などを管理するものではないのです。もっとも、トイレトレーニングをしている場合にはある程度の管理が必要ですが、それはデイリープログラムではなく「個別の保育計画」の分野になります(この点については後日詳細します)。

このような余裕のあるデイリープログラムで保育がなされると、子どもたちの自由な発想や自発的な取り組みが見えてきます。

理想的なデイリープログラムを通して見えてくるもの

デイリープログラムが保育の流れを示すものであることを書いてきましたが、デイリープログラム作成の基本は、一人一人の子どもたちを巻き込んでいくために計画を立てることにあり、計画に子どもたちを当てはめていくのではありません。

理想的なデイリープログラムは、子どもたちに一日の安心を保証し、その結果、子どもたち同士の関わりを保証します。子どもたち同士の関わりが増えれば、互いに自己肯定感を高め合う姿も目撃できるはずです。こうなると、保育士にとっても保育が断然面白くなるはずです。また、記録すべき特記事項もいろいろと見えてくるでしょう。デイリープログラムが安定すると、子どもたちの視点も広がり、それにより子どもたちの気付きやアイデアがいろいろ出てくるようになることが実感できるはずです。

デイリープログラムの作成は広がりを意識する

17年前、いじめによる子どもの自殺などが問題になっていた時代、朝日新聞が「いじめられている君へ」というテーマで、いろいろな人のエッセイを連載しました。その中に、さかなクンが書いた文章があります。一部を抜き出します。

さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

(全文は、朝日新聞【(いじめられている君へ)さかなクン「広い海へ出てみよう」】で読めます)

魚の世界と似ているとさかなクンが語るのは、いじめの構図でした。広い海では仲良く群れて泳ぐメジナも、狭い水槽に一緒に入れると、1匹を仲間はずれにして攻撃し始め、そのいじめは、いじめられっ子を助けても、いじめっ子を取り出しても終わらなかったというのです。こうしたメジナの飼育経験を語り、「小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まる」とさかなクンは語ります。

私が相談を受ける保育の現場は、得てしてこのような状態に陥っている場合が少なくありません。子どもが「小さな世界」に閉じ込められているような現場をよく見受けるのです。つまり、「小さな世界」の一つが「デイリープログラムの余裕のなさ」であり、また「子どもの発達を無視した指導計画」であるということなのです。(続く)

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◇

千葉敦志

千葉敦志

(ちば・あつし)

1970年、宮城県生まれ。日本基督教団正教師(無任所)。教会付帯の認可保育所の施設長として、保育所の認定こども園化を実施。施設長として通算10年間、病後児保育事業などを立ち上げたほか、発達障害児や身体障害児の受け入れや保育の向上に努め、過疎地域の医療的ケア児童の受け入れや地域の終末期医療を下支えするために、教会での訪問看護ステーション設置などを手がけた。その後、これまでの経験に基づいて保育所等訪問支援事業を行う保育支援センターを立ち上げた。現在、就労支援B型事業所「WakeArena」を立ち上げ、地域の福祉増進を目指している。

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