Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(51)「ピラトとヘロデの前でのイエス様」―ローマ帝国の為政者の下で― 臼田宣弘

2023年3月29日20時48分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、23章1~25節を読みます。

ミハーイ・ムンカーチ「ピラトの前のキリスト」(ハンガリー・デリ博物館所蔵)
ミハーイ・ムンカーチ「ピラトの前のキリスト」(ハンガリー・デリ博物館所蔵)

ピラトの尋問

1 そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。2 そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」 3 そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。4 ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。

前回までに、イエス様が夜に、大祭司カイアファのところに連行されたことをお伝えしました。次の日、イエス様は最高法院で裁判を受けることになります。そこで死刑にするべきだという結論になったのですが、最高法院には死刑判決を下す権限がありませんでした。それができるのは、ローマ帝国のユダヤ属州の総督ピラトだけであったようです(ヨハネ福音書18章31節参照)。

それで人々は、イエス様をピラトのところに連れて行ったのです。そして、イエス様を十字架につけて死刑にするようにピラトに訴えたのです。ピラトはイエス様に、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問します。イエス様は、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになりました。

ここは、ヨハネ福音書18章の並行箇所の記述が分かりやすいと思いますので、それを転載します。

33 そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。34 イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」

35 ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」 36 イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」

37 そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」

イエス様が言われたことの意味は、「私は王であるけれども、あなたが考えているように、この世の国の王ではない」ということであったのです。ピラトがそれをどのように捉えたのかは分かりませんが、いずれにしても彼は、イエス様に罪を見いだすことはできず、祭司長たちと群集にそのことを伝えました。

ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ「ヘロデ王の宮廷でのイエス」(イタリア・ドゥオーモ美術館所蔵)
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ「ヘロデ王の宮廷でのイエス」(イタリア・ドゥオーモ美術館所蔵)

ヘロデの尋問

5 しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。6 これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、7 ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。

8 彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。9 それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。10 祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。11 ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。12 この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。

13 ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、14 言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。15 ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。16 だから、鞭(むち)で懲らしめて釈放しよう。」

ここは、ルカ福音書だけに固有な記事です。つまり、イエス様が領主ヘロデの元に送られたことを伝えているのは、ルカ福音書だけということです。ヘロデは、ヘロデ大王の息子で、当時はガリラヤ地方を治めていました。父ヘロデ大王は、ローマ帝国にユダヤの統治を任されていたのですが、ヘロデもローマ帝国からガリラヤの統治を任されていたということです。

このヘロデが、この時エルサレムに来ていたのです。ピラトは、祭司長たちを通してイエス様がガリラヤ人であることを知ると、イエス様をヘロデの元に送ります。

ルカ福音書9章9節に、「しかし、ヘロデは言った。『ヨハネなら、わたしが首をはねた。いったい、何者だろう。耳に入ってくるこんなうわさの主は。』 そして、イエスに会ってみたいと思った」とあります。ヘロデは、好奇心からイエス様に会ってみたいと思っていたのです。ですから、ピラトからイエス様が送られてくると大変喜びました。

ヘロデもイエス様にいろいろ尋問しましたが、イエス様はヘロデに対しては何もお答えにはなりませんでした。祭司長たちは、ヘロデに対してもイエス様を訴えます。しかし、ヘロデもイエス様に罪を認めることができませんでした。それでヘロデは、イエス様を侮辱した上で、派手な衣を着せてピラトの元に送り返したのです。

ピラトとヘロデという、いわば2人の為政者が、イエス様に罪を見いだすことはなかったのです。ピラトは、イエス様を鞭打ちの刑にして釈放しようと考えました。

死刑の判決

[17 祭りの度ごとに、ピラトは、囚人を一人彼らに釈放してやらなければならなかった。] 18 しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。19 このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。20 ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。21 しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。22 ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」23 ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。24 そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。25 そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた(17節は、記載の無い写本もある)。

過越祭の際には、囚人を一人釈放することになっていました。ピラトは、その慣わしを利用してイエス様を釈放しようとしたのでしょう。しかし人々は、釈放するのはバラバという囚人の方にしろと要求したのです。そして、あくまでも、イエス様を十字架につけて死刑にしろと詰め寄ります。ピラトはそれに負け、イエス様を死刑にすることにしたのです。

イスラエルの人たちのやり直し

なぜルカ福音書だけが、ヘロデのことを伝えつつ、ピラトの裁きのことを伝えているのでしょうか。それは、ローマ帝国の為政者という異邦人の下で、イスラエルの人々がイエス様を十字架につけてしまったことを強調するためであろうと思います。ルカ福音書の続編である使徒言行録の3章には、ペンテコステの日の出来事として次の記事があります。

12 これを見たペトロは、民衆に言った。「イスラエルの人たち、なぜこのことに驚くのですか。また、わたしたちがまるで自分の力や信心によって、この人を歩かせたかのように、なぜ、わたしたちを見つめるのですか。13 アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、わたしたちの先祖の神は、その僕イエスに栄光をお与えになりました。ところが、あなたがたはこのイエスを引き渡し、ピラトが釈放しようと決めていたのに、その面前でこの方を拒みました。14 聖なる正しい方を拒んで、人殺しの男を赦(ゆる)すように要求したのです。

15 あなたがたは、命への導き手である方を殺してしまいましたが、神はこの方を死者の中から復活させてくださいました。わたしたちは、このことの証人です。16 あなたがたの見て知っているこの人を、イエスの名が強くしました。それは、その名を信じる信仰によるものです。イエスによる信仰が、あなたがた一同の前でこの人を完全にいやしたのです。

17 ところで、兄弟たち、あなたがたがあんなことをしてしまったのは、指導者たちと同様に無知のためであったと、わたしには分かっています。18 しかし、神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを、このようにして実現なさったのです。19 だから、自分の罪が消し去られるように、悔い改めて立ち帰りなさい。」

ルカは、福音書と使徒言行録を通じて、「イスラエルの人たち」がイエス様を十字架につけたこと、そして悔い改めてそこから立ち直ることを求めています。ピラトと並んで、ヘロデというローマ帝国の為政者の下において、ユダヤ人がイエス様を十字架につけてしまったことを強調し、けれども「やり直せるのだ」ということを伝えようとしたのが、ルカの目的であったのではないかと、私は考えています。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(50)「ペトロの否認」―イエス様のまなざし― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(49)「ユダによる引き渡しとイエス様の捕縛」―否定された暴力― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(48)「弟子たちとの最後」―捕らえられる前に― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(47)「サタンによる試練」―祈ってくださるイエス様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(46)「最後の晩餐」―ユダにサタンが入る― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.