Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(49)「ユダによる引き渡しとイエス様の捕縛」―否定された暴力― 臼田宣弘

2023年3月15日11時39分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、22章47節~54節aを読みます。

ジョット「ユダの接吻」(イタリア・スクロベーニ礼拝堂所蔵)
ジョット「ユダの接吻」(イタリア・スクロベーニ礼拝堂所蔵)

12弟子の1人、ユダ

47 イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻(せっぷん)をしようと近づいた。

イスカリオテのユダの出来事は、キリスト教を信仰する者たちにとって最大のポイントであると思います。それは、「歴史としてのキリスト教」としてもそうでありましょうし、「信仰としての私自身のキリスト教」にとってもそうなのだと思います。ユダは、私たち人間を代表する者でもあるからです。

ルカ福音書は、22章3節で「十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った」と伝えた後、もう一度47節で「十二人の一人でユダという者が」と伝えています。このような複数回にわたる伝え方は、ヨハネ福音書を含む他の福音書でも同様です。「十二人の一人」ということが強調されているのです。

20世紀のスイスの神学者カール・バルトは、『イスカリオテのユダ』という本を書いています。この本では、「使徒の1人としてのユダ」についてと、「引き渡し者であるユダ」について論じられています。前者においては、「十二弟子のひとり、ユダ」という言葉が強調されています(同書28ページ参照)。

ユダは、12弟子の1人として選ばれた者でした。しかし、バルトによるならば、「選ばれた者たちはまた(裏切ったユダのように)捨てられた者たちでもあり、そのようなものとして選ばれているだけであるということを念頭において、イエスは彼らを『最後まで愛し通され』なければならなかったのであり、イエスは彼らのために死ななければならず、彼らのために死んだ者としてご自分を彼らに与え給わなければならなかった」(同書82ページ)のです。

ユダが12弟子の1人として「選ばれた者」であることは、私たちにも共通することでありましょう。私たちは、「恵みによって選ばれた者たち」であるからです。けれども同時に私たちは、「捨てられた者たち」でもあり、そうであるが故にイエス様に「愛し通される」存在でもあるのです。

バルトはさらに、「いかなる捨てられた者を念頭においても、まさに彼の場所に、イエス・キリストにあって現れた神の奇(くす)しき方向転換によって、いつの日か、選ばれた者が立つであろうこと、そのこと以外のことが、待ち望まれ、推測されてはならないのである」(同書102ページ)とも述べています。

イスカリオテのユダが捨てられた者だとしても、彼は神様の方向転換によって、再び選ばれた者とされるであろうということを言いたいのだと思います。

引き渡し者としてのユダ

48 イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。

そのユダが、イエス様に接吻しようとして近づいたのです。新共同訳聖書では「裏切る」と訳されているパラディドーミという言葉は、元来「引き渡す」という程度の意味です(前掲書31ページ参照)。イエス様の上記の言葉も、「ユダ、あなたは接吻で人の子を引き渡すのか」というニュアンスで良いのではないかと思います。

バルトの前掲書も、後半は「引き渡し者であるユダ」について論じられています。イスカリオテのユダは、「裏切る」という行為をしたというよりも、「引き渡す」という役割を果たしたものとして伝えられているということです。それは、正当なことであったとすることはできませんが、イエス様が私たちの罪のための救い主となるための「役割」であったのだと思います。

マルコ福音書14章46節の並行箇所によるならば、イエス様は、イスカリオテのユダに接吻された時点で捕らえられたとされています。ルカ福音書では、ユダが接吻したとも伝えていませんし、その点は曖昧ですが、ここでイエス様は身柄を拘束され、逃げられないような状態にされたと見てよいでしょう。

切られた耳を癒やされたイエス様

49 イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。50 そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。51 そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。

一帯は物々しい雰囲気になっていたと思います。前回お伝えした、弟子たちが持っていた剣を使ってでしょうか、大祭司の手下の耳が切り落とされます。今回のお話はヨハネ福音書にも並行記事があり、それによると、切り落としたのはペトロであったようです(同書18章10節)。

イエス様は武装をお認めになりませんでしたから、「やめなさい」といさめられました。そして、大祭司の手下の切られた耳を癒やされたのです。耳を癒やされたことは、4つの福音書でルカ福音書だけが伝えていることであり、癒やしはルカ福音書におけるイエス様の宣教の特色をなしているとされています(リチャード・アラン・カルペパー著『NIB新約聖書注解4 ルカによる福音書』577ページ参照)

暴力は、イエス様が捕らえられるときでさえも、イエス様自身によって否定されたのです。

イエス様の捕縛

52 それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。53 わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」 54 人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。

祭司長、神殿守衛長、長老たちが押し寄せてきて、イエス様は捕らえられて、大祭司(マタイ福音書26章57節によれば、カイアファ)に引いていかれます。裁判にかけられることになるのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(48)「弟子たちとの最後」―捕らえられる前に― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(47)「サタンによる試練」―祈ってくださるイエス様― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(46)「最後の晩餐」―ユダにサタンが入る― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(45)「復活についての問答」―サドカイ派の人々と― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(44)「エルサレム神殿において」―反対者たちとの対論― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.