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キリスト教名著再読

『イエス・キリスト物語』 ベテラン・チャプレンが少年少女に贈るイエス伝

2022年3月24日20時13分 執筆者 : 栗栖ひろみ
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関連タグ:村岡花子
『イエス・キリスト物語』 ベテラン・チャプレンが少年少女に贈るイエス伝+
『イエス・キリスト物語』の原著 “The King Nobody Wanted” より

この書の原題は、“The King Nobody Wanted”(誰にも喜ばれなかった王)である。作者はノルマン・F・ラングフォルド。本書は米国で非常に高く評価され、数あるイエス伝の中でも特徴のある優れたものとして全米の少年少女のために推薦されている。教科書として用いている学校もあるということである。

ノルマン・F・ラングフォルドについて

1909年米国に生まれる。55年間ワシントン州においてアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団のチャプレン(教会以外の施設で宣教活動やカウンセリングなどを行う聖職者)として奉仕する。1995年シアトルで天に召されるまで、学校、病院、その他の施設で福音を宣(の)べ伝えたが、とりわけ少年少女たちに分かりやすく、また親しみやすい形でイエス・キリストの恵みを伝えたいと願い、忙しい公務の間にイエスの生涯の物語を書きつづった。それが本書である。

この作品の評価

この『イエス・キリスト物語』は、少年少女に向けて書かれていながら、非常に正確で綿密な時代考証の上に立ち、温かで流れるように美しい文体を持つ異色の作品である。とりわけ、随所に見られる人物や風景の生き生きとした描写は、まるで自分がその場に居合わせて目撃しているかのような臨在感にあふれており、それが万人の心をとらえるゆえんであろう。ラングフォルドは、救い主イエス・キリストの姿をすべての人の胸に深く刻み付けるため、とっておきの手法を用いたのである。

見どころ

こんなに長いあいだ待つのは、つらいことでした。ひとびとは、長いあいだ、待っていました。そのひとびとの父や祖父たちも、メシヤを待っていたものです。ときには、とうとう、おいでになったぞといううわさがつたわり、気の早いユダヤ人の中には、パレスタインから、ローマ人を追いはらおうとする者さえありましたが、いつも、そのうわさがちがっていたことがわかり、みんな、がっかりしてしまって、首をふっては、「いったい、メシヤは、いらっしゃるのだろうか。」と言うのでした。(一「待ちわびるひとびと」、243ページ、※メシヤとはヘブライ語で救世主の意、ギリシャ語ではキリスト)

ところが、イエスには、ひとびとがどんなことを言いあっているのか、わかっていましたので、こう答えました。「この男に向かって、おまえの罪はゆるされた、というのと、むしろをたたんで歩いて帰りなさい、というのと――どちらがたやすいと思いますか? わたしには、この両方ができることを見せてあげよう。」 イエスは、からだの不自由な男のほうを向いて、言いました。「むしろをたたんで、うちへ帰りなさい。」 病人は、床から立ちあがると、むしろを、くるくると巻き、小わきにかかえて帰って行きました。歩きながらも、男の胸には、神をたたえる歌が鳴りひびいておりました。(六「敵と味方」、287ページ)

小さな女の子は、何も知らず、何も聞えず、知ることも聞くことも、できませんでした。死んでいるからです。そのとき、一つの声が、静けさをやぶりました。少女には、だれかの話し声が聞えてきました。男の人の声で、まい朝母が起してくれるときに言うことばそのままを、言っているのが、聞えました。「かわいい子よ、お起き。」 少女は、目を開きました。その目にうつったのは、イエスの顔でした。イエスは、子どもの手をとって、立たせました。両親も、そこにいましたので、子どもは、そちらへ行きました。「何か、食べるものをやりなさい。」と、イエスは言いました。(八「イエスは強い」、307〜308ページ)

あらしの海は、いつのときにも、おそろしいものでした。(略)ところが、イエスは、岸をはなれたときのまま、舟のうしろのほうにおりました。まくらをして、横になっています。しかも、ぐっすりねむっているではありませんか。(略)弟子のひとりが、イエスの肩をゆすぶって、起しました。みんなは、「先生、わたしたちが、みんな、おぼれてしまっても、おかまいにならないのですか?」とどなりました。イエスは、木の葉のようにゆれている舟の中に立ちあがりました。風は、その顔にぴしぴし吹きつけました。(略)イエスは、「しずまれ」と叫びました。たちまち、風はおとろえ始めました。(略)星は、ふたたびまたたきだし、やがて、やさしく、舟によせてくるさざ波のほか、物音ひとつしなくなりました。イエスは、弟子たちに向かって、言いました。「なぜ、おまえたちは、そんなにおそれたのだ。まだ、ちっとも、わたしを信じていないとは、どうしたことか?」 けれど、弟子たちは、イエスのことばなどは、耳にはいりませんでした。まえよりもっとおそろしくなったのです。弟子たちが、おそれているのは海ではなく、こんどは、イエスがこわくなったのです。おたがいに、言いあいました。「これは、どういうのだろう。命令すれば、風や海でさえ、それにしたがうとは!」(同上、302〜303ページ)

ところが、イエスは、ザァカイが枝の中にかくれているところにきかかりますと、立ちどまり、上を見て、ザァカイを見つけました。イエスは、この男が、だれだか知っていました。「いそいで、その木からおりてきなさい、ザァカイよ。わたしは、きょう、あなたのうちにとめてもらおうと思ってます。」 びっくりしながらも、うれしくてたまらず、ザァカイは、木からおりて、イエスを、自分のうちに、案内しました。(略)けれど、ザァカイのほうは、その日そのとき、人が変わってしまいました。イエスに向かって、「わたしは、財産の半分を、貧しい人たちにわけようと思います。それから、もし、人をだましていたなら、わたしがとったお金を四倍にして、その人に返しましょう。」と言いました。(略)「このような罪人をさがしだしてすくうために、わたしはきたのだ。」と、イエスは言いました。(十「エルサレムへの道」、323〜324ページ)

一方、マグダラのマリヤは、ひきかえしてきて、園へはいって、墓のそばに立ち、胸もはりさけるばかりに泣きました。ふと、ふり向くと、そばに、ひとりの男が立っていました。男は、マリヤに話しかけました。「どうして、泣いているのですか? だれをさがしているのですか。」 マリヤは、この男は、園守にちがいないと思い、涙ながらに、「もし、あなたが、わたしの主の死体を持って行っておしまいになったのなら、どこにおいてあるのか、教えてください、そうしたら、わたしが行って、持って行きますから。」と言いました。その男はやさしく、「マリヤよ、」と申しました。マリヤは、見なおしました。それは、聞きなれた声でした。イエスです。イエスが、自分の名を呼んでいるのでした。「主よ。」 マリヤは、かれをつかもうとしました。イエスは、また、口をききましたが、ほんとうにイエスでした。「ここで、わたしにさわろうとしてはいけない。わたしは、天の父のもとに行くところなのだ。だが、弟子たちのところへ行って、話してもらいたい。わたしが、父のところへ行くことをつげてきなさい。」 そこで、マリヤは、弟子たちに、「わたしは、主を見ました。」とつげました。(十五「勝利にかがやく王」、350ページ)

こうして、旅人は話して行きました。三人は、エマオについて、弟子のひとりの家に行きました。その旅人にも、「中にはいって、いっしょにとまっていらっしゃい――もう夕がたですし、暗くなるのが早いですから。」と言って、ふたりは旅人をまねきました。三人は、家にはいりました。だれかがランプをともし、ひとびとの前に食物が並びました。見知らぬ人は、パンを取り、感謝の祈りをしてから、それを、さきました。弟子たちは、以前に、このようなことを――パンをさくのを――見たことがありました。かれらは、思わず顔をあげました。ああ! この男は、見知らぬ人ではありませんでした。イエスでした。顔を見た瞬間に、それがわかりました。(略)弟子たちは、たがいに、「あのかたが、道でわたしらに、聖書のことを説明してくださったとき、へんだなと思わなかったかね。」と話しあいました。すでに夜になっていましたが、弟子たちは、すぐに、エルサレムに、ひきかえし、ほかの弟子たちに、すべてのできごとを話しました。(同上、352ページ)

この日、イエスは、エルサレムの外にあらわれて、「天においても、地においても、すべての力が、わたしに与えられたのだ。わたしは、すべての人間の主であり王である。(略)おまえたちは、けっしてひとりぼっちではない。おまえたちには、見えなくとも、わたしは、いつもいっしょにいるのだから。」(略)イエスは、両手を高くあげて、弟子たちを祝福しました。祝福していると、雲が、イエスをおおってしまい、もう、弟子たちにはすがたが見えなくなりました。(同上、353〜354ページ)

イエスの教会ができました。この教会は、イエスが、キリストであることを信じました。日一日と、多くのひとびとが、教会にくわわりました。日ごとに、イエス・キリストの教会は、強くなっていきました。それは、春の麦畑のように、すくすくとのびていきました。(同上、356ページ)

※ 本稿は、『世界少年少女文学全集 第2巻・中世編』(創元社、1954年)収録の村岡花子訳「イエス・キリスト物語」を基に執筆しています。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

関連タグ:村岡花子
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