三浦綾子『泥流地帯』が初の映画化 2022年公開へ

2020年11月19日23時54分 印刷
+泥流地帯
三浦綾子著『泥流地帯』(新潮社 / 新潮文庫、1982年)

クリスチャン作家・三浦綾子(1922~99)の小説『泥流地帯』が初めて映画化されることが決まった。舞台となった北海道上富良野町と、毎日放送の子会社が出資する映像コンテンツ制作会社「Zipang(ジパング)」(東京都港区)が9月末に連携協定を締結。全国公開の実写映画として、2022年の公開を目指す。

『泥流地帯』は、1926(大正15)年に発生した十勝岳噴火を描いた作品。噴火により発生した山津波が上富良野町の開拓地を襲い、苦労して切り拓いた田畑も泥流にのみ込まれてしまった。その地で貧しさにも親の不在にも耐えて明るく誠実に生きてきた兄弟は一瞬にして家族を失うが、祖父・父の苦労のしみ込んだ土地をもう一度稲の実る美田にしたいと再び鍬(くわ)を手にする。復興に挑む若者たちの青春を描いた感動の長編小説だ。76年から北海道新聞で連載され、新潮社から『泥流地帯』『続泥流地帯』の2冊が刊行されている。

氷点』『塩狩峠』など、数多くの三浦作品が映画化される中、上富良野町では2018年1月に、地元有志が「『泥流地帯』映画化を進める会」を設立。同年3月には、上富良野町と三浦綾子記念文学館(旭川市)が、『泥流地帯』の映画化を含む文化振興に関する連携協定を締結するなど、官民を挙げて映画化に向けた機運醸成活動を進めてきた。

今回協定を締結したジパングは、映像コンテンツの制作やWEBメディアの運営を通じて地域創生支援を行う会社。主に毎日放送の子会社であるMBSイノベーションドライブが出資し、今年8月に設立された。

上富良野町の広報誌「かみふらの」(11月号)によると、協定では、▽全国公開の実写映画であり、十分な興行収益を期待できる商業作品として、2022年の公開を目指して製作する、▽三浦文学の代表作にふさわしい規模の作品とする(以上、ジパング)、▽全面的な町内ロケ支援、▽企業版ふるさと納税を活用した製作費支援(以上、上富良野町)を、それぞれの努力義務としている。

三浦綾子『泥流地帯』が初の映画化 2022年公開へ
連携協定を締結した上富良野町の向山富夫町長(左)とジパングの吉廣貫一・代表取締役CEO(写真:同町提供)

協定締結を受け上富良野町の向山富夫町長は、「私たちが暮らす今の上富良野は、三浦綾子さんの『泥流地帯』で主人公が思い描いた百年後の郷土の姿そのものです」とコメント。映画化は半世紀にわたる悲願だとし、「立派に復興をけん引された当時の吉田(貞次郎)村長のごとく、どんな困難も乗り越え、成し遂げたいと思います」と語った。

上富良野町のホームページには「泥流地帯映画化プロジェクト」の特設ページも開設されており、個人もふるさと納税やふるさと応援寄付などで支援することが可能。詳しくは特設ページを。

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