国内キリスト教界の性暴力・性虐待被害者のための裁判応援基金設立

2020年10月17日19時02分 記者 : 井手北斗 印刷
関連タグ:性的虐待

牧師から性暴力を受けた娘を自殺で亡くした宮本晴美さん(福岡県在住)がこのほど、日本のキリスト教界の性暴力・性虐待被害者のための裁判応援基金を設立した。

基金は、宮本さんの娘が加害牧師を相手取って起こした裁判で得た賠償金を原資としており、1個人に対して上限100万円を支援する。基金から支援を受けた裁判で勝訴した場合は、次の被害者の支援に回すため、支払われた賠償金などから可能な金額を返金する。敗訴した場合は返金不要。

宮本さんは「性暴力・性虐待は、被害者の魂を殺します。そして肉体をも極限まで痛めつけます。特に信仰と結び付いた事件の場合は」と訴える。「日本では、性犯罪に対して声を上げる、あるいは裁判をするには、とてつもない勇気と忍耐、そして支えが必要です。日本の社会もキリスト教界も『排除の力』がとても強く、人権意識も並べて低いからです。それでも少しずつ空気の変化を感じ取るようになりました」と、基金を設立した経緯を語る。

宮本さんは娘の事件発覚後、他にも多くの被害者がいることを知り、日本のキリスト教組織に対して、組織内で発生した性暴力・性虐待事件の公表や性暴力対策室の設置、各組織の対策室間のネットワーク化を呼び掛けてきた。各対策室のネットワーク化が重要であることの根拠として、宮本さんは以下の10項目を挙げている。

①加害者・被害者共に組織の枠を超える場合が多い、②被害が広範であっても迅速かつ適切に対策が可能、③秘密主義の防止と情報の共有化、④各対策室の相互検証、⑤各対策室の相互学習、⑥2次被害防止などの啓発活動、⑦加害者に対する抑止効果、⑧各対策室の質向上、⑨神学校における学び、⑩加害者更生の方策。

日本のキリスト教界では、カトリック教会、日本聖公会、日本基督教団、日本同盟基督教団、日本バプテスト連盟、日本ホーリネス教団など、複数の教団教派が、セクシャルハラスメントに関する相談窓口などを設置しており、取り組みをホームページで公開している。

基金や、宮本さんが娘の事件についてつづった冊子『宮本の発信 ”性暴力被害者の家族として”』(400円送料別)に関する問い合わせは、手紙(〒801-0861 福岡県北九州市門司区長谷1-12-19)で受け付けている。電話・FAX(093・321・1124、午前9~午後4時)でも対応できるが、宮本さんは手紙による連絡を希望している。

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