NCC元総幹事の東海林勤氏が死去 朝鮮半島の平和運動に貢献

2020年9月1日20時21分 印刷

日本キリスト教協議会(NCC)元総幹事で日本基督教団牧師の東海林勤(しょうじ・つとむ)氏が8月25日、老衰のため死去した。88歳だった。葬儀は31日、日本基督教団大泉教会(東京都練馬区)で近親者のみで執り行った。NCCが同日、公式サイトで発表した。

東海林氏は1932年神奈川県生まれ。早稲田大学を卒業後、東京神学大学と米ニューヨークのユニオン神学校で学んだ。日本基督教団で40年以上牧会に従事し、78年から85年までの3期にわたってNCC総幹事を務めた。

早稲田大学YMCAの学生寮「信愛学舎」で舎監をしていた71年、ソウル大学留学中に国家保安法違反の容疑で拘束された在日朝鮮人、徐勝(ソ・スン)・俊植(ジュンシク)兄弟の救出運動に関わったことを契機に、韓国クリスチャンの民主化運動を支援。後に「東山荘プロセス」と呼ばれることになる朝鮮半島の南北和解と平和統一運動の先駆けとなった84年の「東山荘会議」では、ホストの一人として重要な役割を担った。高麗博物館(東京都新宿区)の初代理事長も務めた。

また、NCCの平和・核問題委員会や「原子力行政を問い直す宗教者の会」のメンバーとして原発問題に長く取り組んだほか、97年に京都で開かれた国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)には、世界教会協議会(WCC)の代表団メンバーとして参加するなど、エキュメニカル運動に幅広く貢献した。

韓国キリスト教教会協議会(NCCK)の李鴻政(イ・ホンジュン)総幹事は弔辞で「東海林先生は、平和、正義、そして一致のために生涯をささげられ、日本や世界中のエキュメニカル運動のために飽くことなく働き続けられました」と振り返った。「(NCC総幹事在任中に)韓国の人権、民主主義、そして平和構築のために、身を粉にして重要な働きを成し遂げてくださったことを、深く記憶にとどめております。さらに、先生は差別と偏見にさらされる在日韓国人と連帯し、共に闘ってくださったことを忘れることはできません」と悔やんだ。

NCC元総幹事の山本俊正氏は追悼文で「紳士的で穏やかな物腰の中に、強い信念を秘めた方でした」としのび、「日本の教会がアジアの現状にもっと目を向け、そして平和のために取り組むよう、強く働きかけられました。東海林先生はエキュメニカル運動の優れた指導者として多くの記憶にとどめられることでしょう」と惜しんだ。

NCCの渡部信議長と金性済(キム・ソンジェ)総幹事は連名の弔辞で、東海林氏が総幹事在任当時、韓国の民主化闘争が最も苦しい時期を迎える中で、「戦争責任告白の信仰と深い隣人愛の精神に従い、惜しみない支援と連帯の働きを担われ」たと振り返った。その上で両氏は「当時のキリスト教会の内外における厳しい時代状況の中で、ひたすら主イエス・キリストのみあとに従いゆかれた故東海林勤先生の信仰とお人柄、そしてNCC総幹事としてのお働きを、私たちはしっかりと心に刻んでいく所存であります」と決意を述べた。

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