ダマー国際映画祭、5月に東京で初開催 宣教師の息子が創設「教会からの出品にも期待」

2019年1月20日17時09分 印刷
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ダマー国際映画祭の創設者で代表のマーク・ジョセフ氏。自身も映画プロデューサーで、これまで「パッション」や「ナルニア国物語」シリーズなどに関わっており、現在は「炎のランナー」の続編など3つの映画を製作中。

米シアトル発の「ダマー国際映画際」が今年5月、東京で初めて開催される。ストーリー性を重視する短編映画の祭典で、超越者の探求や心の葛藤など、特に精神的な事柄をテーマとした作品を募っている。創設者は、戦後の日本で長らく宣教してきた宣教師の息子で、「パッション」や「ナルニア国物語」シリーズに関わってきた映画プロデューサーのマーク・ジョセフ氏。映画に興味のある日本のクリスチャンもぜひ参加してほしいと呼び掛けている。

ダマー国際映画祭は2001年、ジョセフ氏ら映画に携わる7人が協力して、シアトルで始まった。「ダマー」はヘブライ語で「隠喩」や「たとえ話」を意味する言葉。露骨な暴力描写や性的描写を用いることなく、優れたストーリーで人間の多様な感情や体験を表現する作品を評価してきた。映画祭を始めた7人は全員クリスチャンだが、応募作品は「キリスト教映画」である必要はなく、どのような宗教と関わりがあっても、また宗教と関わりがなくてもいい。

映画祭はシアトルで数年開催された後、ロサンゼルス、広島と場所を移して開かれてきた。広島では、県知事や市長からも歓迎され、「おくりびと」の滝田洋二郎監督を招くなどし、5年前に「広島国際映画祭」として独立。「本家」は、来年オリンピックが開かれる東京を新たな開催地として選んだ。

「ストーリーが重要です」とジョセフ氏が何度も語るように、ダマー国際映画祭では何よりも映画のストーリー性が重視される。

第1回の受賞作である「The Limited」は、死後の裁きを扱った作品。映画は、交通事故で亡くなったはずの男性が、目覚めると駅にいるという設定で話が進む。駅員に「私は死んでいますか」と聞いても答えはなく、とにかく裁判所へ行くために電車に乗るよう言われる。電車に乗ると向かいには1人の女性が乗っており、途中「寒い」「お腹がすいた」などと言ってくるが、男性はジャケットを貸したり、食べ物を与えたりすることはしなかった。やがて電車が到着し、男性は裁判所に入る。だが、目の前に裁判官として現れたのは、男性が善意を施すことができるのに施さなかった電車の女性だった。

第2回の受賞作「Light of Darkness」では、夜遅くに運転していた女性の車がガス欠になってしまう。しかし、周囲にはガソリンスタンドも宿泊できるような場所もなく、女性は車内で一夜を過ごすことにする。女性が真っ暗な車内で寝ていると、精神障がい者と見られる男性が車に近づき、窓ガラスを激しくたたき始める。女性が大声で叫ぶと、男性は去っていったが、大きな石を持って再び現れる。そして、石で窓ガラスを割りドアをこじ開け、女性は無理やり引きずり出されてしまう。暴行されるのではと女性が強く身に危険を感じた瞬間、車が大きな音と共に大破する。車が止まっていたのは線路の真ん中で、電車が激突したのだった。男性が女性を襲うためではなく、助けるために必死だったことが分かり、「アメイジング・グレイス」が流れて映画は終わる。

「ストーリーを通して、内面の深い世界を伝えることは素晴らしいことです。聖書を見ても、イエス・キリストはたとえ話を多く用いています」とジョセフ氏は言う。

審査員にはジョセフ氏のほか、「スター・ウォーズ:エピソード6 / ジェダイの帰還」のプロデューサーであるハワード・カザンジャンや、「ゴッドファーザー PARTII」のプロデューサーとしてアカデミー賞を受賞したグレイ・フレデリクソンら、著名な映画関係者が名を連ねる。

ダマー国際映画祭、5月に東京で初開催 宣教師の息子が創設「教会からの出品にも期待」
ダマー国際映画祭は5月10日(金)、11日(土)に、東京都世田谷区の北沢タウンホールで開催される。応募作品の受け付けは3月1日(金)まで。

日本で生まれ育ったジョセフ氏は、10代からテレビや映像・音楽関係の働きを始め、WOWOWやNHKの番組で、数年にわたりアンカーやインタビュアーを務めた経験もある。1988年に、映像・音楽関係のプロデュースを行うMJMエンターテイメント・グループを設立。現在は、英国の陸上選手で後に宣教師となるエリック・リデルを描いた「炎のランナー」の続編など、3つの映画の製作に携わっている。

映画の製作は長期にわたり、多くの役割がある。米映画製作会社ウォールデン・メディア在籍中には、「ナルニア国物語」シリーズで「開発」と呼ばれる役割を担当。脚本のチェックや俳優選び、また配給元となるディズニー・ピクチャーズとの関係構築で重要な役割を担った。

「パッション」では、サウンドトラックの製作に関わった。公開前に行った牧師向けの試写会では、こんな出来事があったという。ある牧師が「映画の最後に、クリスチャンになりたい人が連絡できる電話番号を表示してほしい」と要望。メル・ギブソン監督は「私の役割は映画を作ること。人を信仰に導くのは皆さん(牧師)の役割」と応じたという。

「牧師はスターではないですが、まるでスターを育てる助演的な役割の人だと思います」と言うジョセフ氏は、日本の教会、牧師たちに向けて次のように語った。

「教会の中には、隠れたタレント(才能)を持った若者たちがたくさんいると思います。日本の教会にも、将来著名な映画監督やプロデューサーになる可能性のある若者がいるはずです。牧師先生がたにはぜひ、そのような若者たちがこの映画祭に応募するよう励ましてあげてほしいです」

応募作品の条件は、30分以内の作品であることと、英語以外の言語は英語の字幕を付けること。募集は30分以内、15分以内の2部門で行われ、それぞれ受賞者には15万円、7万5千円の賞金が授与される。締め切りは3月1日(金)。映画祭は5月10日(金)、11日(土)に北沢タウンホール(東京都世田谷区北沢2ー8ー18)で開催される。当日のチケット情報は3月までに発表される予定。問い合わせはメール(info@damahfilm.com)で。詳しくは、公式サイトを。

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