なにゆえキリストの道なのか(148)人生のけだるさを癒やすものはあるのか 正木弥

2018年6月23日11時20分 コラムニスト : 正木弥 印刷
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人生は退屈だ。このけだるさを癒やすものはあるのか。

「日は上り、日は沈み、またもとの上る所に帰って行く。・・すべての事はものうい。人は語ることさえできない」(伝道者の書1:5、8)

人は、このものうさを解消しようと、熱中するものを求めます。そして、大がかりな熱中は往々にしてその人生を損なってしまうのです。

アレキサンダー大王の後の時代、ギリシャのエペイロスの王ピュロス(前319~272)は退屈になって、イタリヤ侵入を企てました。その時、賢明な補佐官キネアスは王に問うた。「陛下、そもそも何のためにそんな大きな企てをされるのですか?」。すると王は言下に「イタリヤの君主になるためだ」。

キネアスは重ねて問いました。「それが済んだら、陛下、何をするんですか?」。王は「ゴールとイスパニアに侵入する」。「ではそれが済んだら何を?」。「アフリカを征服しに行く。そして最後に、世界をことごとく征服しに行く」。「では、それも済んだら?」。「済んだら、余は満足して静かに余生を楽しもうぞ」

ところが、キネアスはなおも追及する。「恐れながら、陛下よ。それなれば、なぜ今すぐにその境遇に入らないのですか」(モンテーニュ随想録1:42)。ピュロス王はたくさんの戦争をして、最後は地元アルゴスで戦死しました。

退屈は、ある程度満たされているときに起こるものです。状況的には、本来幸福な時です。しかし、人は幸福の中に満足し切れないという弱さ、惨めさを持っています。そして、退屈や倦怠(けんたい)を癒やそうとして、熱中するものや気晴らしになるものを求めるものです。

それらは、一時的には面白くないことや倦怠を忘れさせてくれます。いや、そのうちにその人を楽しませ、没頭させ、そして自分のことを考えさせないようにして、知らず知らずのうちに滅びに近づかせ、(精神の)死に至らせるのです。

もし、からだに何かの症状が出れば、その原因となる病気を探し、治療を試みるではありませんか。もし退屈とか倦怠の症状があるなら、やはりその原因をよく探ってみなければなりません。それらは、いのちの主からの警鐘のようなものです。

自分が本来的な生き方をしていないのではないか、自分が存在意味をまっとうしていないのではないか、と。そうです、その時は自分のいのちの目的・意味をよく追求する機会なのです。

すでに91「人生の目的は何か」以下で考察しておりますから、ぜひ読み直してください。いのちを与えてくれて神様に自分の人生の意味を問い、それで示されたところに従い生きてみてください。そうすれば、聖霊の神様が内側から、あなたの渇き、あなたの退屈さ、あなたの倦怠を癒やしてくれるでしょう。知恵と生きがいが与えられ、喜びや希望が湧いてくるでしょう。

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正木弥

正木弥(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版
ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書
ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ
創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から
なにゆえキリストの道なのか

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

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