過激派から解放のインド神父に「マザー・テレサ賞」

2017年10月16日16時42分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
+武装組織から解放のインド人神父「なぜ私を殺さなかったのか分からない」
解放された翌日に、バチカンでローマ教皇フランシスコ(右)と面会するトーマス(トム)・ウズナリル神父(中央)=9月13日

中東のイエメンで昨年、イスラム過激派に誘拐され、今年9月に解放されたインド人のトーマス(トム)・ウズナリル神父に、「マザー・テレサ賞」が授与されることが決まった。同賞を授与するハーモニー財団(インド)が2日までに明らかにした。授賞式は12月10日に行われる。

ハーモニー財団の創設者であるアブラハム・マサイ氏は、サレジオ会の司祭であるウズナリル氏が今年の受賞者に選ばれたことを、アジアのカトリック・ニュースサイト「ucanews.com」(英語)に語った。危険なイエメンを去る機会があったにもかかわらず、同国で奉仕し続けることを選んだためだという。

今年の授賞テーマは「国境を越えた憐(あわれ)み:難民危機への憐みによる応答」。マサイ氏は、ウズナリル氏がその典型的な事例だと話す。「ウズナリル氏には、2015年にイエメンを離れる選択肢がありました。しかし、このような恐怖の中で人道支援を提供し続けることを選択しました」

ウズナリル氏は16年3月、イスラム武装組織がイエメン南部の都市アデンにある老人ホームを襲撃した際に捕らえられた。この老人ホームは、マザー・テレサが設立したことで知られる女子修道会「神の愛の宣教者会」が運営しており、ウズナリル氏はチャプレンとして奉仕していた。この事件では、施設にいた修道女4人を含む16人が殺害され、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表。ISは、ひげが伸びたウズナリル氏がインド政府やカトリック教会に自身の解放を嘆願する多くの動画を公開するなどしていた。

マサイ氏は、今回の授賞は「同僚が無残に殺害されるという大きな危険にさらされる中でも働く、ウズナリル氏の献身と決意」を表すものだと述べた。

マザー・テレサ賞は、「平和、調和、社会正義の促進を目指す個人または団体」をたたえるため、2005年に創設された。正式名称は「社会正義のためのマザー・テレサ記念国際賞」。公式サイトでは、「甚大な社会的不正に直面する世界のために、これらの代表者たちは暴力と差別のない世界を創設することを目指しています。この賞は、絶えず平和を追求し、困っている人々に救いの手を差し伸べるようすべての人に促す基盤です」と説明している。

解放の翌日、ウズナリル氏はバチカンを訪れ、ローマ教皇フランシスコと面会。ひざまずき、教皇の足に口づけをして感謝を示した。また記者会見では、自身を捕らえた人たちに関しても神に感謝した。

カトリック系のCNA通信(英語)によると、ウズナリル氏は会見で「私は主なる神の御名により、私を捕らえた者たちに感謝します。彼らは私のことを理解し、私を傷つけなかったからです」とコメント。自身の解放は「神の介入」によるものだったと語った。

「それ(解放)は、私の兄弟姉妹と世界中の皆さん、すなわち私の母国の方々、他国の方々、キリスト教徒やイスラム教徒やヒンズー教徒、またすべての善意の方々の祈りと犠牲によるものです」

ウズナリル氏は9月末、インドのナレンドラ・モディ首相やスシュマ・スワラージ外相とも会見した。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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