印刷試練・苦難に対する実際的な対応方法として、以下のことが有効と思われる。
（イ）自分を襲って来た試練・苦難が、神から来た試練・苦難なのか、サタンから来た試練・苦難なのかを見極めることはなかなか困難と思われる。しかし、サタンから来る試練・苦難は、異教的なもの、世俗的なもの、生まれながらの利己的性質、律法主義、罪などと結び付いていることが多い。
それ故、試練・苦難が襲って来たときに、まず自分の内にそのようなものがないかどうか、またはそのようなものにとらわれていないかどうかを点検し、もし自分の内にそのようなものがあるなら、またそのようなものにとらわれているなら、悔い改め、そのようなものから離れることが肝要である。
（ロ）自分の内に悔い改めるべきことが見いだせない場合、その試練・苦難は神からのものと受け取ることが大切である。そしてこの場合、必ず脱出の道があり、解決されることを信じつつ、試練・苦難を成長への糧と捉えて、忍耐をもってその試練・苦難に立ち向かうことが必要である。
その時、忍耐をもって試練・苦難に立ち向かえる根拠として、試練・苦難は神から与えられるものであること（Ⅰコリント１０：１３参照）、またそれはイエス・キリストに見習う道であること（ヘブル４：１５参照）、さらに、それはキリスト者の確かな証拠であること（Ⅱテモテ４：５参照）、そしてキリスト者には永遠の命への希望があること（ローマ１２：１２参照）などをはっきりと覚えていることが力となる。
（ハ）忍耐をもってその試練・苦難に立ち向かう際の助けとなるのは、他のキリスト者との交わりである。私自身は、試練・苦難の中で苦しんでいるときに、妻の助言によって問題に対する見方や考え方を変えることができ、その試練・苦難から脱出できたことを何度も経験した。
試練・苦難に１人で立ち向かっていると、そのこと自体にとらわれてしまい、なかなか客観的な見方をすることができなくなってしまうことが多いように思う。それ故、教会の牧師や兄弟姉妹など、他のキリスト者によく相談し、祈りによってサポートしてもらうとともに、その試練・苦難に一緒に立ち向かうことが有効と思われる。
（ニ）試練・苦難に遭わないためには、ディボーションや御言葉に触れること、祈りなどを通して、神との密な交わりをいつも持っていることが大切である。また、試練・苦難が来たときにうろたえずに、それに向かうためには、どのようなことがあっても神を信頼し、御心であれば従いますという従順さと意志とを持っていること、仕事においても神の国とその義を第一とする視点に立っていること、何のために働いているのかという動機と目的とが自己の内で明確になっていることなどが助けとなる。
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（参考並びに引用資料）
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［23］ジョン･ビョンウク（２００５年）『パワーローマ書』小牧者出版
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・鍋谷憲一（２００５年）『もしキリストがサラリーマンだったら』阪急コミュニケーションズ
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・小形真訓（２００５年）『迷ったときの聖書活用術』文春新書
・ウォッチマン･ニー（１９６０年）『キリスト者の標準』斉藤一訳、いのちのことば社
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・生松敬三（１９９０年）『世界の古典名著・総解説』自由国民社
・バンソンギ「キリスト教世界観」石塚雅彦訳、ＣＢＭＣ講演会資料（２００５年）
・William Nix, 『Transforming Your Workplace For Christ』, Broadman & Holman Publishers, 1997
・ミラード･Ｊ･エリクソン（２００５年）『キリスト教神学』第三巻、伊藤淑美訳
・ヘンリー･シーセン（１９６１年）『組織神学』島田福安訳、聖書図書刊行会
・ジョージ･Ｓ･ヘンドリー（１９９６年）『聖霊論』一麦出版社
・ウィリアム･ポラード（２００３年）『企業の全ては人に始まる』大西央士訳、ダイヤモンド社
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