ロシア正教会、中絶への反対姿勢を硬化、全面禁止を求める声

2016年9月30日08時49分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
+モスクワ総主教キリル
ロシア正教会のモスクワ総主教キリル(写真:Presidential Press and Information Office)

ロシア正教会のモスクワ総主教キリルは27日、中絶を違法とすることを求める請願書に署名した。ロシア正教会はこれまで、医学的に中絶する必要のないケースのみについて禁止を呼び掛けてきたが、その立場を硬化させた格好だ。

ロシア正教会は声明で、総主教が中絶反対の活動家らと会談し、ウラジミール・プーチン大統領に提出する請願書に署名したと述べた。

ロシア正教会の委員会は、家庭問題や母親と子どもの保護について検討し、請願書の文言を「出生前の子どもの法的殺人の終結」とすることで合意した。

請願書には、外科手術や薬剤誘発による中絶だけでなく、経口避妊薬も禁止する「法的改正を要求する」と記されている。

ロシア正教会は、信徒ボランティアを含む活動家らに対し、総主教が感謝と祝福の言葉を述べたと、27日の会議で報告した。

AFP通信によると、総主教は5月、中絶は「事実上、国家的な大災害で、毎年、100万人余りのロシア国民の命を奪い去っている」と述べていた。

活動家の1人で、「フォー・ライフ」という団体の代表を務めるセルゲイ・チェスコフ氏によると、これまでに30万人分余りの署名が集まった。活動家らは100万人分の署名を目標にしており、請願書を大統領府に提出する計画を立てているという。

ロシアでは、ロシア正教会と国家は厳密には分離されており、入手可能な最新の政府統計によると、2014年には国立病院で100万件余りの中絶が合法的に行われた。 ただしこの数字には、個人経営の診療所で行われた中絶の数は含まれていない。

ロシア連邦議会国家院(下院)の保守派議員、エレーナ・ミズリナ氏は昨年、民間の診療所による中絶を禁止する法案を提出した。妊娠が女性の生命を危険にさらす場合のみ、国家の医療サービスにより中絶が許可されることを可能にする内容だ。

しかし、連邦院(上院)のワレンチナ・マトビエンコ議長は、同法案を「過激主義的だ」とし、議会は法案の支持を拒否した。

総主教は昨年1月、宗教指導者として初めて連邦議会で発言し、「中絶数を50パーセント削減できれば、ロシアは強力かつ安定した人口増加を維持できる」と国家院で語っていた。

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


国際の最新記事 国際の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース