Skip to main content
2025年6月16日16時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中

2016年8月22日23時06分
  • ツイート
印刷
「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中+
イスラエル・ファン・メッケネム E.S.の版画家に基づく「受胎告知の挿絵入りイニシャル」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館所蔵 Staatliche Graphische Sammlung München

15世紀後半から16世紀初頭のドイツで活躍した銅版画家イスラエル・ファン・メッケネム(1445~1503)を日本で初めて本格的に紹介する「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展が、世界文化遺産に登録された国立西洋美術館(東京都台東区)で開催されている。

銅版画技術を広め、マスメディアとしての銅版画の地位を確立し、同時代の年代記作家によってデューラーらと並ぶ版画の創始者とたたえられるメッケネムだが、これまで日本ではほとんどその名は知られてこなかった。今回、ドイツのミュンヘン州立版画素描館の多大な協力を得て、同館や大英博物館などが所蔵する版画、絵画、工芸品など100点あまりが展示されている。知られざる版画家の全貌に迫る貴重な展覧会だ。

同展は、「メッケネムの版画制作の展開とコピー」「聖なるもの:キリスト教版画」「俗なるもの:世俗主題版画」「物語る版画家」「初期銅版画とデザイン、工芸」の5章で構成。作品の多くはキリスト教主題を持ち、人々の生活における信仰の重要性をしのばせるものだが、同展のキャッチコピーが「いつの世も、人間は滑稽だ」が物語るように、男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて描いた作品も少なくない。

国立西洋美術館研究員の中田明日佳さんは、メッケネムの作品の特徴として、まず、扱っている主題が幅広いことを挙げる。「当時の人々の欲求に応えて、キリスト教主題の作品をたくさん作っている一方で、世俗版画として、面白いものも数多く残しています。そういうものを見れば、当時の人々の考え方とか、興味のあった対象が何であったかを知ることができます」と見どころを語った。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「モリスカダンス」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館 Staatliche Graphische Sammlung München

メッケネムは、「エングレーヴィング」という誕生してから半世紀ほどの銅版画の技法を使い、優れた作品を次々と模作してヨーロッパに普及させ、銅版画のマスメディアとしての地位を確立させた。中田さんは「こういった功績も含め、メッケネムは、銅版画の分野において重要な存在であり、また美術史的にも高い評価を得ています。このことをぜひ知ってほしいと思っています」と話す。

また、扱っている主題の幅広さ故に、いろいろな切り口から当時の美術、社会の動向を知ることができるという。例えば、非キリスト教的主題である「モリスカダンス」では、美しい女性の魔性の虜となって踊らされる男たちの姿が描かれ、当時の人々の生き生きとしたユーモアの精神が伝わってくる。「ズボンをめぐる闘い」では、夫婦の力関係が逆転した姿が風刺されている。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「メッケネムと妻イダの肖像」 エングレーヴィング 大英博物館所蔵 The Trustees of British Museum

1517年の宗教改革でも問題になる「免罪符」についても、メッケネムはそれらしきものを制作しており、同展では『聖グレゴリウスのミサ』という作品が展示されている。中田さんは、「この作品には、『この版画の前で祈る者には、2万年分の免罪が約束される』というような内容が書かれていたようですが、その後その部分は切り取られています。宗教改革以後、持ち主が自らの信条に沿って切り取ったことも十分考えられます」と話す。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「聖グレゴリウスのミサ」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館 Staatliche Graphische Sammlung München

メッケネムは、工芸品のデザインと、工芸品に施す装飾のデザインも手掛けており、それらの作品は、職人たちのためのデザインの見本として用いられるだけでなく、純粋な鑑賞の対象としても享受されていた。初期の銅版画と工芸、特に金工は密接に結びついており、同展ではそうした関係にも目を向けている。植物と動物を組み合わせたオーナメントやイニシャルのデザインとなっている作品は、来館者の人気が特に高い。

メッケネムの芸術家というべき個性がとりわけ強く表れているのは、聖書の物語を描いた作品だ。オリジナル以上に細部描写が充実し、主題に関連したエピソードが画面奥に描き込まれるなど、芸術性あふれる作品となっている。中田さんによると、絵画に比べ、版画はそれほど高価ではなく、ある程度教養のある一般市民や、見本にするために職人が買い求めていたという。こういった作品が安価で手に入った社会であったことが驚きだ。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「エッケ・ホモ 連作『受難伝』より」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館(外部寄託)Achaffenburg, Schloss,Aschaffenburger Bestand der Staatliche Graphische Sammlung München

最後に中田さんは同展について、「キリスト教の信仰が重きをなしつつも、男女の駆け引きといった下世話な要素にも人々が強い関心を抱いていた、いわば聖と俗が入り混じる世の中で生み出された作品の展覧会というように感じ取ってもらえれば」と話し、「銅版画はあまりなじみがないと敬遠せずに、ぜひ足を運んでほしい。絵画に比べ、版画は独特な面白い表現をしているものも多いので、きっと想像以上に楽しめると思います」と銅版画の面白さを強調した。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展の見どころついて話を聞いた国立西洋美術館研究員の中田明日佳さん=17日、国立西洋美術館(東京都台東区)で

会場の作品のサイズは総じて小さ目。かなり近くで見ることができるが、単眼鏡を持参して、ユニークな顔の表情などを見ることも可能だ。また、オリジナルの作品と対比できるよう展示も工夫されている。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展は、9月19日(月・祝)まで。開館時間は午前9時半から午後5時半、金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)。休館日は月曜日(ただし9月19日は開館)。観覧料は、一般1000(800)円、大学生750(600)円、高校生500(300)円。( )内は20人以上の団体料金。中学生以下無料、障がい者手帳所持者と介護者1人は無料。

詳しくは、同展覧会のホームページ。

  • ツイート

関連記事

  • 巨匠ティツィアーノの「受胎告知」も来日!「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」開催中

  • 東京都:マザーの愛に満ちた活動の軌跡を一挙に上映 列聖記念「マザー・テレサ映画祭」 

  • 特別鼎談:平良修氏・佐喜眞道夫氏・宮村武夫氏 「沖縄と大和―その溝に立ち―」(2)

  • 特別鼎談:平良修氏・佐喜眞道夫氏・宮村武夫氏 「沖縄と大和―その溝に立ち―」(1)

  • 「エデンの園」があったと考えられているイラク南部の湿地帯が世界遺産に

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.