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「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中

2016年8月22日23時06分
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「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中+
イスラエル・ファン・メッケネム E.S.の版画家に基づく「受胎告知の挿絵入りイニシャル」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館所蔵 Staatliche Graphische Sammlung München

15世紀後半から16世紀初頭のドイツで活躍した銅版画家イスラエル・ファン・メッケネム(1445~1503)を日本で初めて本格的に紹介する「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展が、世界文化遺産に登録された国立西洋美術館(東京都台東区)で開催されている。

銅版画技術を広め、マスメディアとしての銅版画の地位を確立し、同時代の年代記作家によってデューラーらと並ぶ版画の創始者とたたえられるメッケネムだが、これまで日本ではほとんどその名は知られてこなかった。今回、ドイツのミュンヘン州立版画素描館の多大な協力を得て、同館や大英博物館などが所蔵する版画、絵画、工芸品など100点あまりが展示されている。知られざる版画家の全貌に迫る貴重な展覧会だ。

同展は、「メッケネムの版画制作の展開とコピー」「聖なるもの:キリスト教版画」「俗なるもの:世俗主題版画」「物語る版画家」「初期銅版画とデザイン、工芸」の5章で構成。作品の多くはキリスト教主題を持ち、人々の生活における信仰の重要性をしのばせるものだが、同展のキャッチコピーが「いつの世も、人間は滑稽だ」が物語るように、男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて描いた作品も少なくない。

国立西洋美術館研究員の中田明日佳さんは、メッケネムの作品の特徴として、まず、扱っている主題が幅広いことを挙げる。「当時の人々の欲求に応えて、キリスト教主題の作品をたくさん作っている一方で、世俗版画として、面白いものも数多く残しています。そういうものを見れば、当時の人々の考え方とか、興味のあった対象が何であったかを知ることができます」と見どころを語った。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「モリスカダンス」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館 Staatliche Graphische Sammlung München

メッケネムは、「エングレーヴィング」という誕生してから半世紀ほどの銅版画の技法を使い、優れた作品を次々と模作してヨーロッパに普及させ、銅版画のマスメディアとしての地位を確立させた。中田さんは「こういった功績も含め、メッケネムは、銅版画の分野において重要な存在であり、また美術史的にも高い評価を得ています。このことをぜひ知ってほしいと思っています」と話す。

また、扱っている主題の幅広さ故に、いろいろな切り口から当時の美術、社会の動向を知ることができるという。例えば、非キリスト教的主題である「モリスカダンス」では、美しい女性の魔性の虜となって踊らされる男たちの姿が描かれ、当時の人々の生き生きとしたユーモアの精神が伝わってくる。「ズボンをめぐる闘い」では、夫婦の力関係が逆転した姿が風刺されている。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「メッケネムと妻イダの肖像」 エングレーヴィング 大英博物館所蔵 The Trustees of British Museum

1517年の宗教改革でも問題になる「免罪符」についても、メッケネムはそれらしきものを制作しており、同展では『聖グレゴリウスのミサ』という作品が展示されている。中田さんは、「この作品には、『この版画の前で祈る者には、2万年分の免罪が約束される』というような内容が書かれていたようですが、その後その部分は切り取られています。宗教改革以後、持ち主が自らの信条に沿って切り取ったことも十分考えられます」と話す。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「聖グレゴリウスのミサ」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館 Staatliche Graphische Sammlung München

メッケネムは、工芸品のデザインと、工芸品に施す装飾のデザインも手掛けており、それらの作品は、職人たちのためのデザインの見本として用いられるだけでなく、純粋な鑑賞の対象としても享受されていた。初期の銅版画と工芸、特に金工は密接に結びついており、同展ではそうした関係にも目を向けている。植物と動物を組み合わせたオーナメントやイニシャルのデザインとなっている作品は、来館者の人気が特に高い。

メッケネムの芸術家というべき個性がとりわけ強く表れているのは、聖書の物語を描いた作品だ。オリジナル以上に細部描写が充実し、主題に関連したエピソードが画面奥に描き込まれるなど、芸術性あふれる作品となっている。中田さんによると、絵画に比べ、版画はそれほど高価ではなく、ある程度教養のある一般市民や、見本にするために職人が買い求めていたという。こういった作品が安価で手に入った社会であったことが驚きだ。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
イスラエル・ファン・メッケネム「エッケ・ホモ 連作『受難伝』より」エングレーヴィング ミュンヘン州立版画素描館(外部寄託)Achaffenburg, Schloss,Aschaffenburger Bestand der Staatliche Graphische Sammlung München

最後に中田さんは同展について、「キリスト教の信仰が重きをなしつつも、男女の駆け引きといった下世話な要素にも人々が強い関心を抱いていた、いわば聖と俗が入り混じる世の中で生み出された作品の展覧会というように感じ取ってもらえれば」と話し、「銅版画はあまりなじみがないと敬遠せずに、ぜひ足を運んでほしい。絵画に比べ、版画は独特な面白い表現をしているものも多いので、きっと想像以上に楽しめると思います」と銅版画の面白さを強調した。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」世界文化遺産・国立西洋美術館で開催中
「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展の見どころついて話を聞いた国立西洋美術館研究員の中田明日佳さん=17日、国立西洋美術館(東京都台東区)で

会場の作品のサイズは総じて小さ目。かなり近くで見ることができるが、単眼鏡を持参して、ユニークな顔の表情などを見ることも可能だ。また、オリジナルの作品と対比できるよう展示も工夫されている。

「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展は、9月19日(月・祝)まで。開館時間は午前9時半から午後5時半、金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)。休館日は月曜日(ただし9月19日は開館)。観覧料は、一般1000(800)円、大学生750(600)円、高校生500(300)円。( )内は20人以上の団体料金。中学生以下無料、障がい者手帳所持者と介護者1人は無料。

詳しくは、同展覧会のホームページ。

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