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【インタビュー】ハイドンの弟、ヨハン・ミヒャエル・ハイドンの魅力に迫る MAT指揮者・坂本徹氏

2016年6月27日11時58分
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【インタビュー】ハイドンの弟、ヨハン・ミヒャエル・ハイドンの魅力に迫る MAT指揮者・坂本徹氏+
ヨハン・ミヒャエル・ハイドンの魅力について語る「モーツァルト・アカデミー・トウキョウ」(MAT=マット)の指揮者であり、主宰者でもある坂本徹氏

モーツァルトをはじめとする教会音楽を演奏する専門家集団「モーツァルト・アカデミー・トウキョウ」(MAT=マット)の結成10周年記念コンサートが29日、三鷹市芸術文化センター(東京都三鷹市)で開催される。今回のコンサートでは、「音楽の父」と呼ばれるフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)の弟、ヨハン・ミヒャエル・ハイドン(1737~1806)を特集し、MAT結成以降初めてモーツァルトを全く取り上げない演奏会となる。日本では演奏される機会がまだ少ないミヒャエル・ハイドンについて、MATの音楽監督および指揮者である坂本徹氏に話を聞いた。

坂本氏は、モーツァルトやハイドンなどを代表とする古典派教会音楽のスペシャリストで、オーケストラや合唱の指揮・指導だけでなく、古典クラリネット奏者の第一人者でもある。また、楽器製作家としても国内外で高い評価を得ており、演奏活動は自作の楽器で行っている。また、一般的に使われる宗教音楽というくくりを、「教会音楽」と「宗教音楽」に分け、教会で演奏するために作られたもの(教会音楽)と、劇場用に作曲されたもの(宗教音楽)を区別するなど徹底している。

MATは2006年に結成して以来、モーツァルトの誕生日に当たる12月5日にモーツァルトのレクイエムを演奏することを恒例としており、現在では「毎年レクイエム」として定着している。10年にわたるこの取り組みについて坂本氏は、「モーツァルトのレクイエムは謎に満ちていて、何度演奏しても興味が尽きない楽曲ということもありますが、MATを結成したときに最初に成功した曲だったということもあります」「実は、初めてMATでモーツァルトのレクイエムを演奏したとき、偶然にもその日がモーツァルトの誕生日でした。その偶然を記念する意味を込めて、この日に毎年、レクイエムを演奏するようになったのです」と語った。

10年来、モーツァルトのレクイエムに取り組んできたMATが、記念すべき10周年コンサートで演奏するのはミヒャエル・ハイドンのプログラム。中でもレクイエムは、モーツァルトのレクイエムのお手本ともいわれ、その意味では今回のコンサートもモーツァルトと深い関係を持つものと考えられるが、坂本氏は、「天才モーツァルトの音楽について新しい発見をしてもらうという意味もありますが、それ以上にミヒャエルの作品が、モーツァルトのどの傑作作品にも劣らない、今演奏すべき『特別な作品』だからです」と楽曲の魅力を強調した。

ミヒャエル・ハイドンは、5歳上の兄に比べると日本ではなじみが薄いが、ヨーロッパでは頻繁に演奏される人気の音楽家の一人で、700曲以上の楽曲を残している。坂本氏は、「兄に比べて知名度が低いのは、自身の楽曲の出版を断り続けたことに原因があります」と話す。ヨーゼフ・ハイドンだけでなく、モーツァルトもベートーヴェンもしっかり自身の楽曲を出版していたことを説明し、出版による影響力の大きさを語った。

ハイドン兄弟は、幼いときにそろってウィーンのシュテファン教会の合唱団員となり、ミヒャエル・ハイドンは20歳でハンガリーのグロースヴァルダイン司教が持つ楽団の楽長となった。その後、ザルツブルグ大司教ジギスムント・フォン・シュラッテンバッハの庇護(ひご)を受け、31歳で宮廷楽団のコンサートマスターに就任したのだという。ちなみにこの時、モーツァルトの父親は宮廷楽団の副楽長で、ミヒャエル・ハイドンの上司だった。また、当時9歳のモーツァルトもすでに宮廷楽員としてバイオリンを弾いており、ミヒャエ・ハイドンの部下であったという。

坂本氏は、モーツァルトが自分の練習用のために作曲したバイオリンの曲で、決して難しくはないが、実はとても美しい曲があることなど、モーツァルトに関する興味深いエピソードを次々に紹介した。その上で、「ミヒャエルは、幼いモーツァルトに会ってその才能に驚いたと思うが、22歳の年の差を越えて2人の友情は長く続いた」と話した。さらに、そのことを伝える2つの出来事を明かした。

1つは、ミヒャエル・ハイドンが病気にかかり、大司教からの注文に間に合わなかったときに、モーツァルトが数日で2曲のバイオリンとビオラの二重奏(K423~424)を作曲し、ミヒャエルの作品として提出したこと。もう1つはその逆で、モーツァルトの交響曲37番として知られる楽曲は、実はミヒャエル・ハイドンのト長調交響曲を借用したものだという。坂本氏は、「(モーツァルトが)演奏会用の交響曲に間に合わず、先輩の曲を借りてしまったのではないでしょうか」と天才モーツァルトの人間的な部分を語った。

今回演奏するレクイエムは、1771年12月16日に大司教シュラッテンバッハが亡くなったときに依頼され、翌年1月2日の葬儀で演奏されたもの。このような大曲をこんな短期間で作曲したことについて、坂本氏は「ミヒャエルは、同じ年に一人娘を亡くしており、わが子のためのレクイエムとしてすでに作っていたか、多くの部分が作曲されていたのではないか」と推測する。さらに、この演奏会には、16歳のモーツァルトもバイオリン奏者として加わっていたという。

坂本氏は「当初、モーツァルトは、演奏を聴いているだけだと思っていたのですが、さらに調べてみると、演奏者として加わっていたことが分かりました。それも初演だけではなく、その後2度行われた演奏にも参加したことが考えられています」と話し、モーツァルトのレクイエムがミヒャエル・ハイドンのレクイエムを手本として作られたことの根拠を説明した。

坂本氏は、ミヒャエル・ハイドンのレクイエムの背景にある物語にも注目している。「ミヒャエルは、一人娘を亡くしたことで、この痛手から生涯立ち直れませんでした。悲しみを紛らわすために酒に溺れ、今でいえばアルコール依存症だったのだろうと思います」と語り、今回演奏するレクイエムが作られた背景として、ミヒャエル・ハイドンの悲しみや苦しみがあったことを明かした。

ただ、こういう状況にあっても、多くの教会音楽の他、交響曲やオペラを粛々と作り続け、任務を放棄するようなことはなかったと聞くと、音楽、特に教会音楽を作ることがミヒャエル・ハイドンにとっての慰めだったことは十分に考えられる。

モーツァルトがレクイエムを未完のまま残し、35歳にしてウィーンで亡くなったことは有名だ。坂本氏は、「35歳という年齢は、他の音楽家と比べても、そんなに若死にというわけでないです。むしろ、モーツァルトが40歳まで生きていたら、『第9』は存在しなかっただろうと言われていますから」とベートーヴェンの作品にまで話は及んだ。

一方、ミヒャエル・ハイドンは5年後、69歳でザルツブルクで亡くなっている。坂本氏は「その頃、ザルツブルクは、ナポレオン軍に略奪され、ミヒャエルは無一文でした。兄のヨーゼフが援助を申し出ても、ザルツブルグから離れませんでした。きっと一人娘が亡くなった土地を離れたくなかったのではないでしょうか」とミヒャエル・ハイドンの晩年の様子を語った。

今回のコンサートでは、レクイエムの他に「聖十字架のミサ」と「昇階唱(しょうかいしょう):キリストは従われた」も演奏するが、坂本氏は、「『聖十字架のミサ』はモテットで、音と音がぶつかり合う疾風怒濤(どとう)様式の曲で、聴くとかなり驚くのではないでしょうか。『キリストは従われた』はとても整った曲で、当時の教会音楽のありさまがよく分かります」と説明する。

さらに、レクイエムの聴きどころについては、「ミヒャエルとモーツァルトのレクイエムは同じ土壌をベースにしてできているので、やはり2つの類似点を探してみると面白いと思います」「少し話すと、全体の構成が全く同じです。レクイエムの章立ては、作曲家によってさまざまなのですが、2つは全く同じです。強いて言えば、続唱(セクエンツィア)を章に区切っていないことが違っています。こういったところを聴いてもらえれば楽しめると思います」と話した。

坂本氏は、高校時代から合唱音楽に親しみ、その時に歌ったイングランドのルネサンス音楽の作曲家ウィリアム・バード(1543?~1623)をきっかけに教会音楽に目覚めたという。大学時代に友人に誘われてバッハの「マタイ受難曲」を歌ったことで、さらに興味を持つようになったと話す。

「教会」というと構える人が多いが、「教会音楽」だとノンクリスチャンでも抵抗なく受け入れ、むしろファンが多いのはどうしてかと尋ねると、「逆に無宗教であることで入りやすいのではないでしょうか。肩ひじ張らずに聴けるというか・・・」と音楽の持つ不思議な力を語った。

MATは、今年も12月5日にモーツァルトのレクイエムを演奏することがすでに決まっている。坂本氏は、「10年目を節目に、ここで一区切りさせてもいいかなと思っています。今後はフォーレのレクイエムにも挑戦したいですね」と話した。

29日の演奏会に関する問い合わせは、オフィスサワイ(電話:042・394・9199、メール:[email protected])まで。

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