Skip to main content
2025年7月14日09時06分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

人生の清算 安食弘幸(41)

2016年4月18日01時14分 コラムニスト : 安食弘幸
  • ツイート
印刷
関連タグ:安食弘幸

「人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(ヘブル9:27)

「人生とはクレジットカードのようなものである」。その心は「自分の好きなように使えますが、最後に清算しなければならない」ということです。

ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』という書物があります。原題は『ある心理学者の強制収容所の体験記録』となっています。文字どおり地獄のようなナチス・ドイツによる強制収容所を生き抜くことのできた一人の精神科医の体験です。

フランクルが送り込まれたアウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所では、総計150万人のユダヤ人が殺されました。フランクルは収容所生活という極限状態に置かれた人間が、どのような心理的反応をしていくのかを、深い洞察をもって描いています。

「人間は、強制収容所という強制的にある状況に入れられることによって、自分らしく生きることを制限されるのか」という問いに対して、フランクルは「否」と答えます。人間は外的状況に支配されないというのです。なぜなら人間は、自分の自由が極めて制限された状況の中にあっても選択することが可能なのです。すなわち、典型的な囚人になってあたかも獣のような存在になりさがるか、それともなお、人間として踏み止どまり、人間としての尊厳をもって生き、そして死ぬか、ということです。

フランクル自身は、身体的にもひ弱でした。先輩の囚人から「今度の新入りの中で誰か死ぬものがいるとしたら、まず君だろう」と言われました。

そのフランクルが最後まで生き抜くことのできた秘密が何であったのか。フランクルは「苦悩を積極的に引き受け、人生の意味をあくまで問い続けるたくましい精神の持ち主のみが、この地獄の生活を最後まで生き抜くことができた」と言います。

ある時、こんなことがあったそうです。昼間の労働に疲れ、しかも懲罰のために1日絶食させられた囚人たちが、バラックの中にたむろしている。おまけに悪いことには急に停電して真っ暗闇になってしまう。囚人たちの不平・不満は、もはや最高潮に達した。そのような囚人仲間に対してフランクルは、静かに生きる意味を失わないようにと語り掛けるのです。そして電灯が再びともったとき、フランクルが見たものは、目に涙をいっぱい溜めた仲間の囚人が彼に感謝の言葉を告げるために、よろめきながら近づいてくる姿でした。

このようにフランクルは囚人の仲間に、人間として、医師として、精神科医として接することに努めています。そして、この他者に対する愛の奉仕こそが、かえって彼を奇跡的に死の運命から救ったのです。

このように自分の人生に何かの目的や意味を発見することが、生きていく力の源となるのです。逆に自分の人生に、目的や意味を失うとき、その人の心は力を失ってしまうのです。

フランクルは人生の意味についての問い掛けをめぐって、コペルニクス的転回が必要であると説いています。すなわち「人生から何をわれわれは、まだ期待できるかが問題ではない、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである」と言います。つまり私の人生は私に何を将来提供してくれるであろうか、という受身の姿勢から、人生から私は何を問われているのかという主体的な姿勢へと転回しなければならないのです。

フランクルは別の書物では、この「人生からの問い」を「神からの問い」というようにも表現しています。私たちの人生は結局、神から与えられた人生をどう生きるかということにかかっています。それは、私たち一人一人が、神から与えられた使命を果たすこと、日々の務めを行う責任を引き受けることにほかならないのです。

<<前回へ     次回へ>>

◇

安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

■ 峰町キリスト教会ホームページ
■ 峰町キリスト教会 YouTube
■ 峰町キリスト教会 Facebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:安食弘幸
  • ツイート

関連記事

  • 判断に迷ったとき 安食弘幸(40)

  • 全ては人間性で決まる 安食弘幸(39)

  • 絆を強める方法 安食弘幸(38)

  • 健康な人生の秘訣 安食弘幸(37)

  • 価値観は生き方を決める 安食弘幸(36)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 2025年参院選、クリスチャンの候補者も 牧師2人が立候補

  • Gゼロ時代の津波石碑(4)芥川を自死に至らしめた「ぼんやりした不安」と2つの遺書 山崎純二

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(226)葬儀文化を受け継ぎ、教会がエンディングを支える時代が来る 広田信也

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 栄光の富で必要を満たされる神 万代栄嗣

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • ワールドミッションレポート(7月14日):欧州での亡命申請者のために祈ろう

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(234)聖書と考える「世界で一番早い春」

  • 2025年参院選、クリスチャンの候補者も 牧師2人が立候補

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • Gゼロ時代の津波石碑(4)芥川を自死に至らしめた「ぼんやりした不安」と2つの遺書 山崎純二

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(226)葬儀文化を受け継ぎ、教会がエンディングを支える時代が来る 広田信也

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 栄光の富で必要を満たされる神 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(7月13日):ザンビアのララ族のために祈ろう

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 2025年参院選、クリスチャンの候補者も 牧師2人が立候補

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.