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この人に聞く(3)山根ふみ子埼玉県議会議員 「人のために自分の経験を生かしたい」

2016年4月11日00時09分
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この人に聞く(3)山根ふみ子埼玉県議会議員 「人のために自分の経験を生かしたい」+
笑顔で迎えてくれた山根ふみ子埼玉県議会議員。「人のために自分の経験を生かしたい」と語る=3月、山根ふみ子議員の事務所で

冷たい雨が降る中、埼玉県川越市にある山根ふみ子埼玉県議会議員の事務所へ向かった。女性の視点からさまざまな問題に取り組み、地元で多くの支持を得ている議員だ。事務所に到着すると、笑顔で迎えてくれた。

温かでとても明るく前向きな性格の持ち主、一緒にいるだけで周りを明るくする、そんな印象を受ける。地元では「庶民目線なので、本当に頼りにしている」との評判だ。「人のために自分の経験を生かしたい」と語る。

生まれたときから父、山根りゅうじ(隆治)前参議院議員の背中を見て育った。「その存在はとても大きかった」と山根氏は語る。

短大生時代に出産を経験したこともあって、子育て支援の相談を受けることが多かったという。調べていく中で、疑問に感じることや待機児童問題の深刻さを知った。「政治家になって、いろいろな声を届けたい」。そう決心したことが、政治家を目指すきっかけだったという。

父親が政治家ということもあって、選挙があれば必ず投票所へ行ったが、友達や親しい知人でさえ、実際はなかなか投票所へ足を運べないという実態にショックを受けた。政治や選挙に関心を高めるきっかけになればと、議員になってからは、若者中心のバスツアーや、年配者向けには日本舞踊や芸能祭(カラオケ)を通じた交流会を企画し、身近な存在として何でも聞ける相談の窓口を作るなど工夫した。芸能祭は秘書時代に企画したもので、今も父の後援会で事務局のリーダーを務めている。

若者はそれぞれにしっかりとした考えや夢を持っているのに、政治には無関心なことが多い。しかし、若者と一対一で向き合っていくことで、その中にさまざまな思いや願い、不満があることを知ったという。結局は何を言っても変わらないという失望感を、どう改善させればいいのだろうかと考える。同世代である自分に、もっと気軽に相談してほしいと話す。

議員というと、遠い存在で市民とはかけ離れたイメージが強いが、山根氏はSNSを上手に使いながら意見や要望を受け付けるなど、今の時代に合った取り組みにも力を入れている。

イベントへも直接足を運び、地域の人々の声を丁寧に聞く。すぐそばを流れる新河岸川(しんがしがわ)の清掃活動やマラソンにはじまり、参加するイベントは多い。ある時、「自分はクリスチャン」と言う人と出会い、クリスチャンの平和への取り組みについて知る機会があったという。政治に高い関心を持ち、真面目で一生懸命な方がクリスチャンに多いと、笑顔で語ってくれた。

山根氏は、2人の子どもを育てるシングルマザー。県内でも地元の川越市は、特に待機児童問題が深刻だ。「県は企業内保育を推進する取り組みとして、補助金制度を活用できるよう委員会で発言をしたというが、まだまだPRする必要がある。知事は女性の活躍を推進しており、働く女性にとってより良い環境整備ができればと、保育園の先生の充実も、環境の充実化も大きな課題で、親も先生も双方が安心できるようになればいいと思うのです」

子どもを持つ親にとって、心配になるのは登下校時の安全面だ。「通学路の確保。特に子どもたちが安全に登下校できるように、市議会議員時代から力を入れてきました。特に地下トンネルの防犯カメラの設置は急務でしたね」

川越の町並みの美しさや新旧入り交じる伝統家屋、何より菓子屋横丁は、全国的にも有名な観光名所だ。去年の火事で一時どうなるか心配だったものの「地域の皆さんの団結力、地域を愛する思いは素晴らしい」と話す。

川越市では毎年、地元の教会主催で市民クリスマスが開催されている。このような福祉や平和を皆で一緒に考える取り組みには、ぜひ協力したいと語る。高校生の時、米国へ短期留学をしたホームステイ先がクリスチャンの家庭で、クリスマスになると、一緒にお祝いをして飾りをプレゼントされたりした温かな記憶がよみがえるという。当時の思い出を懐かしそうに語った。

「女性の立場でしっかりと発言をしていきたい。女性が活躍できる社会を作ることで、日本が、地域が活力を得る」と今後のビジョンを語ってくれた。

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