牧師の小窓(20)福江等

2016年3月20日23時34分 コラムニスト : 福江等 印刷
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聖書は人間のいかなる状況にも応え得るメッセージを秘めているのだろうか。それとも聖書の書かれた時代と私たちの現代との間には埋め尽くしがたい隔たりがあって、現代の状況に対して聖書のメッセージは無力なのだろうか。

過去40数年の間、聖書に生きてきた者として「しかり」、聖書はあらゆる人間の状況に語り得るメッセージを秘めていると申し上げます。東日本大震災のような未曾有の災害に対しても「しかり」、聖書はメッセージを持っています。

イザヤ書を開いて見ていただきたい。そこには、祖国が外国の勢力によって無残にも崩壊させられ、何万人という民は捕虜として外国に連れていかれた状況があります。祖国を失ったこれらの人々は生きる希望を見いだしかねています。将来に対するビジョンを描くことができなくなっています。

今回の大震災に遭った人々のように、住み慣れた家と町をことごとく失い、全く見知らぬ土地に強制的に移動させられて、奴隷のような身分にまで落とされています。そのような民に対して語られる神の言葉が、預言者イザヤを通して記録されています。

「恐れるな。わたしがあなたを贖(あがな)ったのだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなたはわたしのもの」「わたしはあなたを愛している」「わたしは潤いのない地に水を注ぎ、かわいた地に豊かな流れを注ぎ、私の霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう」「必ず、あなたの廃墟と荒れ跡と滅びた地は、いまに、人が住むには狭すぎるようになり」「まことに主はシオンを慰め、そのすべての廃墟を慰めて、その荒野をエデンのようにし、その砂漠を主の園のようにする。そこには楽しみと喜び、感謝と歌声がある」「さめよ。さめよ。立ちあがれ。エルサレム」「さめよ。さめよ。力をまとえ。シオン」

目の前の祖国の荒廃を見、また悲惨な現状を見るにつれて、将来に対する望みを持ちたくても持てなかった民は、イザヤを通して語られる神の熱いメッセージが、やがて民の心に灯をともしていくようになり、祖国は再建されていったのであります。

二千数百年前の人々に語られた神の御言葉は、今日、家を失い、町を失い、家族を失い、原子力発電所からの放射能におびえる人々にも語られている神の生ける御言葉です。聖書に聞くすべを知るならば、御言葉はあらゆる状況にある人の心に比類なき光と力と希望をもたらします。

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福江等

福江等(ふくえ・ひとし)

1947年、香川県生まれ。1966年、上智大学文学部英文科に入学。1984年、ボストン大学大学院卒、神学博士号修得。1973年、高知加賀野井キリスト教会創立。2001年(フィリピン)アジア・パシフィック・ナザレン神学大学院教授、学長。現在、高知加賀野井キリスト教会牧師、高知刑務所教誨師、高知県立大学非常勤講師。著書に『主が聖であられるように』(訳書)、『聖化の説教[旧約篇Ⅱ]―牧師17人が語るホーリネスの恵み』(共著)、『天のふるさとに近づきつつ―人生・信仰・終活―』(ビリー・グラハム著、訳書)など。

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