六甲山の「風の教会」、8年ぶりの一般公開へ 芸術の拠点として復活

2015年8月13日14時44分 印刷
+六甲山の「風の教会」、8年ぶりの一般公開へ 芸術の拠点として復活
8年ぶりに一般公開される「風の教会」(写真:663highland)

9月12日から神戸市の六甲山を舞台に開かれる現代アートの祭典「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」の会場の一つに、旧六甲オリエンタルホテルが選ばれ、同ホテルの庭園にある安藤忠雄氏が設計した「風の教会(六甲の教会)」内部にも作品が展示されることが決まった。2007年に同ホテルが営業終了して以来、8年ぶりとなる一般公開で、国内外の建築愛好家の間で注目が集まっている。神戸新聞が伝えた。

六甲山にある「風の教会」は、幅2・7メートル、長さ40メートルの渡り廊下を歩き切った先が礼拝堂の入り口になっている。廊下は、両側のコロネード(列柱)にすりガラスがはめ込まれ、空から降り注ぐ太陽の光をろ過し、中は自然の柔らかい明るさに包まれるように設計されている。礼拝堂の扉を開けると、窓いっぱいの緑が目に飛び込んでくる。安藤建築の特徴であるコンクリート打ちっぱなしの小さな礼拝堂は、大きな窓から溢れる緑と調和し、RCフレームが使われたシンプルな十字架が厳粛な雰囲気を醸し出す。

世界的な建築家である安藤氏は、1941年に大阪で生まれ、独学で建築を学んだ。69年に安藤忠雄建築研究所を設立。76年に日本建築学会賞を受賞して以降、コンクリート打ちっぱなしと幾何学的なフォルムで独自の世界を築いてきた。近年は、巨額な建設費で世間の関心を集めた2020年東京オリンピックのメーン会場・新国立競技場の国際デザイン・コンクール審査委員長も務めるなど、公共施設や美術館などの仕事が目立つが、80年代は、教会や寺院の設計を多く手掛けている。

「風の教会」8年ぶりの一般公開へ 芸術拠点として復活
礼拝堂に続く40メートル渡り廊下。ガラスを通して中に自然な光が差し込む設計になっている。(写真:663highland)

特に「風の教会」をはじめ、北海道占冠(しむかっぷ)村の「水の教会」、大阪府茨木市の「光の教会」は、安藤氏の教会三部作といわれ、海外からも評価が高い。これら3作品でイタリアの財団から国際教会建築賞も受けている。昨年は、東京都渋谷区に現代社会が失いつつある愛や優しさを取り戻す場所をイメージした「21世紀キリスト教会広尾チャペル」を設計した。安藤氏が手掛けた教会は、どれも建築ファンの関心を集め、実際に教会として機能している「光の教会」や「広尾チャペル」も、事前に予約すれば見学できる。

六甲ミーツ・アートでは、京都在住の作家・八木良太さんが、「風の教会」で音と光を使った空間芸術を披露することになっている。

旧六甲オリエンタルホテルは、1934年に開業した歴史あるホテルだったが、阪神・淡路大震災をきっかけに経営合理化の一環で閉鎖された。現在、建物を管理している六甲山観光株式会社は、六甲ミーツ・アートをきっかけに再生を目指したいと意欲を見せている。

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