Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

死別の悲しみに寄り添う「グリーフケア」とは? ルーテル学院大で講演会

2015年7月22日16時07分
  • ツイート
印刷
関連タグ:日本ルーテル神学校ルーテル学院大学デール・パストーラル・センター大柴譲治スピリチュアルケア
死別の悲しみに寄り添う「グリーフケア」とは? ルーテル学院大で講演会+
大柴譲治氏は冒頭に、北海道開拓村でのエピソードを取り上げ、逆境を耐え抜くためには、自分の外に何か「自分を支えるもの」を持っていることが大切だと指摘。悲嘆者の悲しみや怒りの中に降りていって、そこに寄り添っていくためには自分を支える「何か」が必要であると語った=11日、ルーテル学院大学(東京都三鷹市)で

日本ルーテル神学校デール・パストラル・センターのグリーフサポート研究会が主催する講演会が11日、ルーテル学院大学(東京都三鷹市)で開催された。講演会では、日本福音ルーテルむさしの教会・スオミ教会牧師で、20年前から臨床牧会という視点で理論と実践の両方からグリーフケアとスピリチュアルケアに取り組み、PCCAJ認定臨床パストラル・カウンセラー、パストラル・スーパーバイザーの資格を持つ大柴譲治氏が、「死別を体験した子どもと大人と共に―グリーフを知り、そのサポートの在り方を考える」と題し、グリーフの意味や、グリーフケアについて語った。

「グリーフ」とは、「悲嘆」を意味し、死別などで大切な人を失ったときに起こる身体・精神上の変化のこと。人間は誰もが生まれるときに、母親からの分離不安と悲嘆を体験することから、喪失から生じる悲嘆は、先天的で本能的なものでもあるという。ただ、人間は成長するにつれ感情が複雑になり、悲嘆の感情も、怒り、悲しみ、悔い、懺悔(ざんげ)、恐れ、戸惑い、安堵(あんど)などの複雑で重層的なものとなる。こうした感情から起こる話を傾聴し、さりげなく寄り添いサポートすることが「グリーフケア」だという。

大柴氏は、愛する人を亡くすことは、自分のアイデンティティーの一部を失うことだと言い、喪失感がいかに大きいものであるかを語った。評論家の若松英輔氏の著書『魂にふれる―大震災と、生きている死者』を紹介し、その中で若松氏が「悲しみ」を「生きている死者との協同の営み」と捉えていることから、悲嘆は乗り越えるものではなく、死の向こう側で今も生きている者たちと共に深めていくものだと大柴氏は語り、愛する人を失ったことで止まってしまった時計を無理やり動かす必要はないと話した。

さらに大柴氏は、もし悲嘆に突破口があるとすれば、悲嘆の一番奥底にあるのではないかと言い、もし誰かが傍らにいて、その人の悲嘆を受け止め理解してくれれば、たとえ状況は変わらなくても、傍らに寄り添っていてくれる人の存在により、その人は支えられると話した。違う楽器でも傍らで奏でれば共鳴するように、別個の人間であっても傍らにいれば人間の「魂」は共鳴していくことができると伝えた。

ただ、これにはふさわしい「距離」があり、その距離を測りながらその人自身の自立自助をサポートするのがグリーフケアだと思っている、と大柴氏は話した。目の前にいる人をありのままに受け入れ、初対面でも「この先生なら安心だ」と信頼してもらえることが牧師としての課題だと述べ、現在行っている緩和ケア病棟訪問について「一期一会の気持ちを持って、祈るような気持ちで訪問している」と語った。

また、グリーフケアの基本姿勢として、上智大学グリーフケア研究所の名誉所長である日野原重明氏の「か・え・な・い・心」という言葉を紹介した。これは、「かざらず」「えらぶらず」「なぐさめず」「いっしょにいる」の頭文字を取ったもので、感じていることをそのまま表し、患者に学ぶという姿勢。沈黙の中でも一緒にいるという姿勢で悲しむ人に寄り添うことが求められていると大柴氏は言う。特に「なぐさめず」については、ケアする側はその人の沈黙にいたたまれなくなり、慰めの言葉を発してしまいがちだが、それは相手を慰めているのではなく、自分を安心させているだけだと指摘。沈黙がいかにつらいことであっても、そこに踏みとどまる覚悟がグリーフケアには必要だと語った。

死別の悲しみに寄り添う「グリーフケア」とは? ルーテル学院大で講演会
この日の講演会には、ルーテル学院大学内外から35人が集まり、参加者はメモを取りながら大柴氏の話を熱心に聞いていた。

また、グリーフケアで最も大切で難しいのは、「聴く」ことだという。大柴氏はこの「聴く」ということを、旧字体の「聽」から、「耳と目と心を十全に用いて王の声を聞け。頭の中の声を黙らせて、大いなる沈黙の声を聞け」ということだと説明し、沈黙の豊かさと、「ただ、キリストの声に従ってその底に降り立っていればいい」と、相手の声を通して向こう側から神の声が聞こえてくるまで、相手にひたすら傾聴する姿勢を語った。そして、現代のキリスト教会は、悲しんでいる人に本当に寄り添うことができているかと問い掛け、教会でのグリーフケアの在り方について問いを投げ掛けた。

今回の講演会で大柴氏は、若松氏の著書の他にも、C・S・ルイスの『悲しみをみつめて』や岡安大仁(まさひと)氏の『ターミナルケアの原点』なども紹介した。両書とも愛する妻を失った経験から書かれたもので、本を読むということで、他の人の体験を共有し、他の人と悲しみを分かち合うこともできると伝えた。

大柴氏の講演の後、主催者であるグリーフサポート研究会から、「子どもサポートグループ」と「大人サポートグループ」の活動報告が行われた。同研究会は、デール・パストラル・センターのプログラムの3つの働きのうちの1つとなっている。今回報告のあったサポート活動は、1996年から、米国にある喪失体験をした子どもと家族を支援する施設「ダギーセンター」のスタッフによる研修会を機に行ってきたという。今回の報告会では、長年にわたる活動の中で、守られてきたルールや参加者の声などが報告された。

講演会に参加したルーテル学院大学で心理学を学んでいるという学生は、「人間が持つ感情について捉え方がとても参考になった」と話した。また、終末期のスピリチュアルケアを勉強中だという女性は「傾聴することの大切さと難しさをあらためて感じた。クリスチャンとして神様の声にもっと耳を傾けたい」と感想を語った。

関連タグ:日本ルーテル神学校ルーテル学院大学デール・パストーラル・センター大柴譲治スピリチュアルケア
  • ツイート

関連記事

  • 身近な人亡くした悲しみ語る会 ルーテル学院大付属研究所

  • 精神科医療の現場から 宇田川雅彦医師にインタビュー “自殺予防のためにクリスチャンがすべきこと・すべきでないこと”

  • 福祉・教育・教会のネットワーク構築目指し キングス・ガーデン東京が第1回シンポ

  • こころの手帳(12)双極性障害(躁うつ病) 浜原昭仁

  • 臨床心理士が推薦するキリスト教カウンセリング本4冊 教文館で「おふぃす・ふじかけ賞」授賞式

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.