Skip to main content
2022年5月19日18時26分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

京都・祇園祭 300年伝わる旧約聖書「イサクの結婚」の毛綴飾る函谷鉾

2015年7月13日20時52分 記者 : 土門稔
  • ツイート
印刷
京都・祇園祭 300年伝わる旧約聖書「イサクの結婚」の毛綴飾る函谷鉾+
右が1718年から伝わる現物。左は復元・新調されたもので、巡行ではこちらが函谷鉾(かんこぼこ)の前懸(まえかけ)として飾られる。

日本三大祭りの一つで、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている祇園祭が京都で始まり、さまざまな行事が今月末まで行われる。そのハイライトの一つが、各町が所蔵している山や鉾(ほこ)と呼ばれる山車やみこしが市内を巡行する山鉾(やまぼこ)巡行だ。重さ約7トン、高さは屋根まで約8メートル、周りは毛綴(けつづれ)など豪華な装飾品で飾られ、40人以上が綱で引き市内を巡行する。

1000年以上の歴史があるこの祇園祭に、聖書と関係するものが大事な役割を果たしているといったら意外だろうか? 山鉾の一つ、京都市下京区の函谷鉾(かんこぼこ)町に伝わる函谷鉾の前懸(まえかけ)に使われている16世紀ベルギー製のタペストリー(毛綴)には、旧約聖書の創世記24章に記されている「イサクの結婚」の物語が描かれている。江戸時代に九州・平戸から日本に入ってきたもので、約300年の歴史があるという。函谷鉾町の会所を訪ね、貴重な実物を拝見させていただいた。

普段は大切に保管されているが、祇園祭の最中は会所の2階に飾られている。山鉾巡行には、精密に復元・新調されたものが使われるそうだ。

このタペストリーは、16世紀末にベルギーで作られたゴブラン織りといわれるもので、大きさは縦272・5センチ×横220センチ。国の重要文化財に指定されている。

京都・祗園祭 300年伝わる旧約聖書「イサクの結婚」の毛綴飾る函谷鉾
リベカから水をもらうエリエゼル

年を取ったアブラハムは、息子イサクの嫁を迎えたいと思い、老僕エリエゼル(創世記15:2)を、ナホルの町に派遣する。夕方、町外れの井戸の傍らで、老僕は、「どうか、水がめを傾けて、飲ませてください」と頼んだとき、「どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう」と答えてくれる娘がいたら、彼女こそイサクの嫁とさせてください、と祈る。すると、そこに水がめを持ったリベカがやってきて、先ほど祈った通りとなる。老僕は、金の鼻輪と、金の腕輪二つをリベカに渡して、神に感謝し、イサクの元に連れ帰り、二人は結婚する。

タペストリーの中央には、エリエザルがリベカから水を飲ませてもらう場面が大きく描かれている。また、右上には馬に乗ったイサクが、下半分には、エリエザルがリベカに腕輪を贈っている様子と、イサクとリベカが婚約する場面が描かれている。背景には自然の風物や町、女たちの様子が、細密で優雅な織りで再現されており、思わず見とれてしまう。

このタペストリーは1718年、函谷鉾町に居住していた沼津宇右衛門が鉾に掛けるようにと寄贈。それから毎年、祇園祭で使われ続けてきた。しかし資料によるとその歴史はさらに古いそうだ。寛永10年(1633年)に、交易のため九州・平戸に渡ってきたオランダの商館長ニコラス・クーケバッケルが、平戸藩松浦氏を通じて3代将軍徳川家光へ献上した目録の中に「オランダ産 絨毯壱枚 レベッカの物語入り」と記載があることから、この時に日本に入ってきたと考えられる。そしてその後、どのような経緯を経てかは不明だが、沼津氏が入手し、現在に至るという。

京都・祗園祭 300年伝わる旧約聖書「イサクの結婚」の毛綴飾る函谷鉾
リベカに腕輪を渡すエリエゼル

ちなみに鎖国とキリシタン禁令下の江戸時代、この図柄が何を意味するかは理解されていなかったという。『山鉾由来記』(1757年)には、「前氈 天竺物綴織。もよう天竺人立ち上がり酒宴、拳などする体、水瓶馬等のたぐひ、其外樹木山岳甚多し」と書かれ、『増補祇園霊会細記』(1815年)では、「前がけまくは天竺織という。西域の人物甚見事なり。天竺よりもまた外国のものならむ」とあるという。『祇園会懸装図鑑』(1909年)には「大小の人物、遠近の樹石、屋合の配合等数百年前、泰西の風俗を眼前に看るがのごとく、図様の細心製織の苦辛、染整の湊合等、頗る神妙に入る。実に稀世の珍品と謂うべし」と書かれている。「大きな壺よりお水を飲んでいる様子は有り得ない、多分お酒を酌み交わしているのだろう、とすればお祭りには最適の図柄だ」と思われ、華々しく鉾に飾り巡行に使われたともいわれているそうだ。

祇園祭は、貞観11年(869年)、都をはじめ国々に疫病が流行し、人々はこれを牛頭天王のたたりとして恐れたため、当時の国の数と同じ66本の鉾を立てて祭りを行い、みこしを神泉苑に送って疫病のたたりをはらおうとしたのが始まりといわれている。気が遠くなるような長い歴史を持つ祇園祭のとき、人々はこの図柄を見ながら何を思い、感じてきたのだろうか。

ちなみに、他の町の鉾には、ギリシャ神話の「イーリアス」物語を描いた毛綴(霰天神山)や、トロイ戦争の一場面を描いた毛綴(白楽天山)などもあるそうだ。

京都・祗園祭 300年伝わる旧約聖書「イサクの結婚」の毛綴飾る函谷鉾
過去の山鉾巡行の様子

12日は、組み上がった山鉾を初めて引く「山鉾曳(ひ)き初(ぞ)め」と呼ばれる行事があり、多くの若者が山鉾に乗り込み、にぎわっていた。これから17日の前祭(さきまつり)山鉾巡行以降、このタペストリーで飾られた山鉾が市内を練り歩く姿を見ることができる。京都の伝統の祭りと聖書物語の不思議なコラボレーションを見に、足を伸ばされてはいかがだろうか。

祇園祭のスケジュール詳細はこちら。函谷鉾についての詳細はこちら。

  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 禁教時代のキリシタン遺物を伝える「澤田美喜記念館」 神奈川

  • 4地域の関係者集い「隠れキリシタンの里サミット」 歴史遺産から地域活性化を考える(1)

  • 隠れキリシタン口伝の祈り歌「オラショ」 生月島で披露

  • 悲しみのマリア、イエズス会宣教師が描かれた南蛮屏風にキリシタン文化への思いをはせる 大阪中津「南蛮文化館」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • ニューヨーク便り(4)日常に「ゴールデンルール」があるニューヨーク

  • 労働者の母―ケーテ・コルヴィッツの生涯(7)人生の掃き溜め

  • 北朝鮮でコロナ感染爆発、WCC総幹事代行「緊急の人道的対応を」 制裁解除にも言及

  • 隠された歴史 穂森幸一

  • 英国国教会、800年前に制定された反ユダヤ的な教会法を悔い改める礼拝

  • 世界宣教祈祷課題(5月18日):アニメレ族

  • 世界福音同盟のシルマッハー総主事、国連のグテーレス事務総長と会談

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 「流浪の月」 人の「分かり合えなさ」を映画ならではの手法で描く傑作

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 米教会で銃乱射事件、1人死亡5人重軽傷 教会員らが容疑者取り押さえ

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • 「祈り」と私たちの距離を教えてくれる良書 『大学の祈り』

  • 「流浪の月」 人の「分かり合えなさ」を映画ならではの手法で描く傑作

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 第4回日本ゴスペル音楽祭、4年ぶりオンラインで念願の開催

  • イタリア初の中国系神学校、ローマに開校

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • シンガー・ソングライター、牧師の小坂忠さん死去 73歳

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 16歳の高校生、洗礼受けた数時間後に銃弾受け死亡 米フロリダ州

  • 世界最高齢の田中カ子さん死去、119歳 戦後クリスチャンに 教会で幼稚園開設

  • 「悪」はいかに伝染するか 「心の闇」描くサイコサスペンス映画「死刑にいたる病」

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 米教会で銃乱射事件、1人死亡5人重軽傷 教会員らが容疑者取り押さえ

  • 神学書を読む(79)これぞ誰でも手にできる「組織神学」の本! 橋爪大三郎著『いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問』

編集部のお勧め

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • 「妥協しない」テーマに ジーザス・レインズ、終戦記念日の8月15日開催へ

  • 「必ず日本にリバイバルは起こる」 首都圏イースター、高木康俊牧師がメッセージ

  • 【三浦綾子生誕100年】8年間の交流と召天後の神のドラマチックな展開 込堂一博

  • 孤立社会で求められる「ケア」の回復 宗教学者の島薗進氏が講演

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 論説委員・編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2022 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.