教皇、プーチン大統領と会談 ウクライナの平和実現に向け「誠実な努力」促す

2015年6月16日13時38分 印刷

【CJC=東京】教皇フランシスコは10日、ロシアのプーチン大統領とバチカン(ローマ教皇庁)で会談した。会談は教皇の個人図書館で1時間行われたとされるが、非公開だった。双方はウクライナ情勢などを中心に話し合い、教皇はプーチン大統領に対してウクライナ東部の和平実現に向け、「誠実な努力」を促した。

プーチン大統領は同日正午、専用機でミラノ国際空港に到着。ミラノ国際博覧会を訪れ、ロシア館の開館を宣言した後、イタリアのマッテオ・レンツィ首相やセルジョ・マッタレッラ大統領と会談した。プーチン大統領はそれからバチカンに向かったが、教皇との会談は予定より1時間は遅れた。

ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は記者団に、ミラノでの協議が長引いたと説明。「ミラノとローマの通りを車列がゆっくり進んだ」こととも関係しているとしたが、「移動中ずっと遅延が伝えられ、バチカンの合意が得られていた」と語った。

発表によると、教皇はウクライナ和平には「多大かつ誠実な努力」が必要だと強調。その上で双方は「対話のための建設的雰囲気」の回復と「全当事者による尽力」が重要との認識で一致した。イスラム教過激組織「イスラム国」(IS)についても意見を交換した。

ペスコフ報道官は「非常に深く、詳細な会談が行われた。当然のことながら、ウクライナの危機について言及され、カトリック、正教、そしてすべての宗教を多くの点で一つにする全人類の人道的価値観について話し合われた」と語っている。

2人の会談は2度目で、ウクライナ危機発生後は初めて。前回は2013年11月に35分間会談した。教皇はロシア正教会との関係改善を目指すほか、ISによるキリスト者迫害が懸案される中東情勢に関してもロシア側の協力を必要とする事情もあり、会談が注目されていた。

会談の際、双方はプレゼントを交換した。プーチン氏は救世主ハリストス大聖堂の金刺繍画、正教百科事典数巻をプレゼント。教皇は「平和の天使」メダルを贈った。教皇は「このメダルは20世紀の芸術家が作ったもので、平和と公正、融和をもたらす守護天使が描かれている」と語った。会談後、教皇は出口までプーチン大統領を見送り、キリル総主教への挨拶を伝えた。

教皇とプーチン大統領との会談で、教皇がウクライナ危機問題でロシアの関与を批判しなかったことにギリシャ正教側から不満が出ている。ウクライナにはギリシャ正教信徒が数百万人いると見られている。また、米国のバチカン大使も会談前、教皇にウクライナの領土の一体性についての懸念をより強く示すべきだと促していた模様。

※この記事はCJC通信の提供記事を一部編集して掲載したものです。

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