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遠藤周作と故井上洋治神父の言葉から、宗教の平和と共存を考える

2015年6月17日11時47分
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関連タグ:遠藤周作井上洋治マザー・テレサ宮沢賢治聖心女子大学山根道公
遠藤周作と故井上洋治神父の言葉から、宗教の平和と共存を考える+
講演を行ったノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所教授の山根道公氏。遠藤周作と故井上洋治神父の2人と親交があり、2人の話ができるところであればどこへでも行くと話す。7月19日には、東京・銀座の教文館で講演会が予定されている=13日、聖心女子大学(東京都渋谷区)で

聖心女子大学キリスト教文化研究所主催の公開講演会「遠藤周作と井上洋治21世紀への遺言―マザー・テレサ、宮沢賢治との響きあい」が13日、同大宮代ホール(東京都渋谷区)で開催された。遠藤周作と昨年亡くなった故井上洋治神父の2人と親交があり、日本の近代キリスト教文学研究の第一人者の一人である山根道公氏(ノートルダム清心女子大学教授)が講演。2人の遺言的著作を通して、宗教の平和と共存のためのあるべき姿を、宮沢賢治やマザー・テレサといった人物までを視野に入れて語った。

カトリック信徒であり日本を代表する作家として知られる遠藤周作。また、遠藤ら多くの作家と交流があり、日本人の心情でイエスの教えを捉えようと、「風の家」を設立したことで知られる井上洋治神父。その2人の生き方を目の当たりにしてきた山根氏は講演の冒頭、「夢」は個人で実現させるものであるのに対し、「志」は自分が生きている間に実現できないかもしれないが、次の世代につなげられるものだと語った。

山根氏は、遠藤と井上神父は共に、「だぶだぶの洋服の西欧キリスト教を、日本人の精神風土に根ざした和服のキリスト教に仕立て直すこと」という生涯の志を持っていたと語った。2人は「次世代の踏み石になることを共に決意し、生涯を懸けた同志だった」と言い、幼少期から似た弱さを持っていたこと、また若いときに欧州へ渡り、同じテーマを背負って日本に帰ってきたという共通の体験があったことを紹介した。

『深い河』が遠藤の遺言的著作だと言う山根氏は、この作品を通して遠藤が次世代に伝えたかったのは、生活と人生の違いだと話した。病気になったり、愛する人を失ったり、「生活の次元」においては苦しいことはたくさんある。しかし、人間にはもう一つの次元があり、それを遠藤は「人生の次元」と名付けた。「生活の次元」での挫折にも、生きる意味を見出す「人生の次元」を小説やエッセイで書き、苦しみを乗り越えて生きるヒントを教えた。

「生活の次元」では医療は治すことが全てだが、「人生の次元」ではホスピスといった考えが出てくる。また、「生活の次元」では死ぬことで全てが終るが、「人生の次元」では死者ともつながり、死後迎えられる世界をも意識する。このような複眼的な2つの価値観を持っていくことを、遠藤は教えているという。

「人生の次元」という言葉を称賛していた井上神父もまた、遺稿集で「生活の次元」を豊かにしてくれる「科学の知」に対して、「人生の次元」を教えてくれる「宗教の知」を述べている。「科学の知」により、人間は欲望を満たせるが、それが逆に生きることの息苦しさをもたらすことにもなる。井上神父は、科学では魂は救われないと言い、孤独な心を救えるのは、2000年たっても普遍的な「宗教の知」だと語った。また、井上神父が、イエスに倣って父なる神を「アッバ(お父さん)」と親しみを込めて呼び、「南無」という仏教で帰依を意味する用語を合わせて「南無アッバ」と祈り唱えていたことについて、山根氏は「アッバと御子の親しい交わりに聖霊によって招かれる祈りで(ガラテヤ4:6)、三位一体の神の豊かさを感じられ、ゲッセマネのイエスの祈りとも重なり、信仰の核心を示す言葉。唱えると、『生活の次元』から『人生の次元』へと意識を向けることができる」と語った。

「遠藤周作と井上洋治21世紀への遺言」 宗教の平和と共存のためのあるべき姿を考える
この日の講演会には約300人が集まった。メモを取りながら熱心に話を聞く人の姿も多く見られた。

さらに山根氏は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも触れ、この作品が遠藤の『深い河』と同様に、宗教が対立せずに共存し、孤独な人間が増えていく社会をどうしたらよいのかを問い掛けていると指摘。宮沢が、「新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある」「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論綱要』)と言っていることは、「『一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ・・・』(Ⅰコリント12:26)というパウロのキリストの体につながる」と話した。

最後に山根氏は、インドのヒンズー教徒やイスラム教徒の貧民の中にもイエス・キリストを見ると言うマザー・テレサの生き様に学び、「全てのものは神の御手の中にあり、命の源である神は全てのものの中に内在している。それぞれの国において神々があっても、私たちは対立するのではなく共存できるように、宗教者は手を取り合っていかなければならない」と訴え、遠藤、井上神父、宮沢、マザー・テレサは、「人生の次元」で宗教の平和と共存のためのあるべき姿を示唆していると語った。

講演会に参加したカトリックのミションスクールで働いているという30代の女性は、「遠藤周作と井上神父と親交があった人の話を直接聞けてよかった。2人の生の声を聞けるような貴重な講演会だった」と語った。遠藤のファンだという60代の女性も「遠藤周作の内面を知ることができ、素晴らしい話だった」と語った。

聖心女子大学キリスト教文化研究所では、東日本大震災後、互いの思いを分かち合う場として「フォーラム311」を企画し、年1回、学内外から専門家や文化人を招き、公開講演会やシンポジウムを開催している。この日の講演会はその5回目として開催された。午後には同大マリアンホールで、震災復興支援のチャリティーイベントも開催され、バザーや東北物産の販売、震災・復興支援に関する研究展示などが行われた。

関連タグ:遠藤周作井上洋治マザー・テレサ宮沢賢治聖心女子大学山根道公
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