米内氏は日本に帰国したクリスチャンのアイデンティティについて、「この国に住む者にとって、この国がしていることに対して『私は関係ない』ということはできません。ましてや『神がこの世界を治める』ということを信じるキリスト者であれば、『この国に対してどうでもいい』とは言い切れないのです」と説き、自身が韓国に留学していた学生時代の経験について証しした。
米内氏が韓国に留学していた青年時代、8月15日という日本にとっては終戦記念日である一方、韓国にとっては帝国主義からの独立を祝う記念日である日に、ソウル大学のクリスチャンの友人と道を歩いていた際、ひとりの韓国人の老人に出会い、「お前日本人だろう。お前の親の世代が俺たちの民族に何をしたのか覚えているのか!」と日本語で激しく罵倒されたという。
ひとりのクリスチャンによって変えられた隣国のイメージ
その際、何と答えるべきか分からず閉口していた米内氏に代わって、韓国人のクリスチャンの友人がその老人と米内氏の間に立って、韓国語で仲裁を始めたという。米内氏は「その韓国人の友人は同じ韓国人のお爺さんにとても責め立てられていました。彼が私のために、『浴びせられる必要もない文句を浴びせられ、責められる必要もないのに責められていた』姿を通して、イエス様もまた同じで『責められる必要もないのに私の身代わりになって下さったのだ』と思いました。その時から私は、この国や世界に対して『とりなさないで良いはずがない』と思うようになりました。その韓国人のクリスチャンの友人があの時いなければ、私の韓国に対する思いは変わっていたと思います。彼のおかげで韓国人が本当に良き友人であると心から思えるようになりました」と証しした。
米内氏は自身の人生経験を通して「自分ではどうすることもできない状況はいくらでもあります。しかしそこから不思議なことが起こります」と述べ、震災後に被災地へ支援に向かった経験について証しし、被災した子供たちが将来の夢について「安全を大切にする人になりたい、助けられたのだから助ける仕事をしたい」と語っていることを被災地の子どもたちのビデオメッセージを通じて伝えた。米内氏は「被災した子供たちから、文句や不満が出て来るかと思ったら『助けられたのだから助けたい、自分が被災を経験したから、次生まれて来る子供には経験させたくない』と痛みを経験している子供達の中から、痛みの中から希望を見出す声が聞かれています」と伝えた。
祝福の当事者としてアジアを祝福する者へ
米内氏は深みに漕ぎ出して魚が獲れるようになった使徒たちの姿から、「私達もたとえ魚が獲れないところに置かれたとしても、『そこですべてがダメになるのではなく、そこから生まれてくるものがある』と聖書は教えています。自分にとって『魚が獲れない漁場に置かれている』、『誰にも理解されない状況に置かれている』と思っても、それですべてがダメになるわけではありません。『出来ない』というところから始まる世界があることを覚えるべきです。自分の活躍していたところでダメになったとしても、その限界からもう一回事を成すことが出来るのがイエス様です。そういう場にいないと経験できないことでもあります。皆さんは祝福の当事者です。漁師であった人たちが、網を湖に広げたように、皆さんもこの国に祝福の網を広げるのです。祝福の当事者は、神様の祝福を受け取るという責任を担わされます。神様の祝福を受けた結果も負わなければならないという主体性も担わなければなりません。祝福の当事者となるならば、チャレンジも必ず受けます。困難を経験することになります。けれどもイエス様は、皆さんに『本当に祝福の源になってもらいたい』と真剣に考えておられます。私も含めて、ご一緒にこのアジアを祝福する者へと変えられて行くことを祈ります」と述べて日本に帰国した青年クリスチャンらを励ました。
その後ANRCの奉仕者が主の愛に満たされて霊的に一致して奉仕ができるように、参加者ひとりひとりの信仰がリバイバルされて、そこから地域集会、地域教会に繋がる事が出来るように、また参加者それぞれの個人的な祈祷課題のために互いに祈り合う時間がもたれた。同集会は海外でイエス・キリストに救われた帰国者が帰国後それぞれの教会で信仰を保ち続けるための交わりとして企画されたもので、JCFN関東集会およびRIK(神奈川県の帰国者)の共催で開催された。
ANRC12は11月22日から25日まで、静岡県掛川市のヤマハリゾートつま恋で開催される。講師としてキリスト聖書神学校校長マイケル・オー氏、福島第一聖書バプテスト教会牧師佐藤彰氏およびクリスチャン音楽家工藤篤子氏が招かれる予定である。
グローバル化が進み世界がつながる中、世界のさまざまな場所で主に救われ、主に立ち返る日本人たちが起こされ、日本に帰国している。一方国内でも主に立ち返る外国人が生じている。ANRCはこれらの人たちがともに神の家族として御言葉に耳を傾け、賛美と祈りを捧げ、交わりと分かち合いを通して励まし合いたいとの願いから2009年、2010年に開催され、そこから各地で地域ネットワークが新たに起こされオール・ネーションズ・リターニーズ・コネクションとしてつながるようになっているという。
ANRC12は、日本および世界で人々がそれぞれ抱えている課題や痛みがある中にあって、憐れみ深く恵み豊かな主に導かれ、主の語りかけに応答していきたいという願いから開催されるに至った。11月23日には海外で救われ帰国した人々による同窓会も行われる予定であるという。
ANRC参加申し込み詳細はホームページまで。
前ページはこちら
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
2025年のトップ10ニュース(国内編)
-
ワールドミッションレポート(12月27日):ウガンダ アフリカの真珠―真の霊的変革を求めて
-
【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信
-
Gゼロ時代の津波石碑(8)日本人が宗教アレルギーとなった経緯 山崎純二
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(238)神が人となられた理由 広田信也
-
上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
-
京大などのチームがキリスト教AIの開発開始 「プロテスタント教理問答ボット」を発表
-
イーロン・マスク氏、最も尊敬するのは「創造主」 宇宙を創造した神の存在を肯定
-
一人の信者を作るためにたくさんの敵を作らない伝道 菅野直基
-
2025年のトップ10ニュース(国際編)
-
上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
-
【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信
-
イーロン・マスク氏、最も尊敬するのは「創造主」 宇宙を創造した神の存在を肯定
-
ニカラグア、入国者の聖書の持ち込みを禁止
-
Gゼロ時代の津波石碑(8)日本人が宗教アレルギーとなった経緯 山崎純二
-
『幸福論』 カール・ヒルティが贈る聖書を土台とした人生論
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
京大などのチームがキリスト教AIの開発開始 「プロテスタント教理問答ボット」を発表
-
日本福音同盟、新総主事に神戸博央牧師
-
2025年のトップ10ニュース(国内編)
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
-
英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増
-
【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信
-
イーロン・マスク氏、最も尊敬するのは「創造主」 宇宙を創造した神の存在を肯定
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
















