Skip to main content
2025年10月16日18時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

第一の敗戦と第二の敗戦

2012年2月11日23時18分
  • ツイート
印刷
渡辺信夫氏。2012年2月9日、東京都世田谷区で。+
 9日、世田谷烏山区民センター(東京都世田谷区)で信教の自由を守る日記念講演会が開催され、牧師で宗教改革研究者の渡辺信夫氏(89)が「第一の敗戦と第二の敗戦―3.11からみえてきたもの」と題して講演を行った。講演を主催した日本キリスト教会東京告白教会は毎年2月11日、8月15日の近くに、聖書を通して教えられたことを分かち合い、共に考えて戦っていくべきことについて地域の人の中に出て行って講演会を開いている。

 1945年太平洋戦争敗戦時に23歳で海軍少尉であった渡辺氏は、自身の戦争体験を証し、海上で輸送船の護衛に当たっていた間、実際に死を覚悟していたこと、また抽象的に漠然と「死」について考えるのではなく、具体的に自分の死について覚悟するとき、死というものが無意味で無残であり、戦死した事実を海軍省が「壮烈な戦死を遂げた」と事実と全く無関係な作文が作られることについて「死後に私の死をいじくって別のものに仕立てられるということに耐えられないと感じました」と証しした。

 「戦争は人を死なせるだけではなく、死の意味を偽り、美化している」と指摘し、戦時中キリスト者であった渡辺氏は、戦時の自身の信仰について「軍国主義の中で危険視されない程度に骨抜きにされていた。死を美化してしまうことを受け入れてしまういいかげんさ、自分自身の思想についていいかげんであった」と証しした。

 渡辺氏は「戦中も大量の死と破壊に満ちていたが、戦後も同じく大量の死と破壊が社会に満ちていた」と感じてきたことを伝えた。多数の死者が生じた戦中に海軍少尉として輸送船の護衛艦で指揮を執っていた渡辺氏は、「自分自身が今日こそ死なねばならぬと覚悟する機会」が戦争体験の中で生じ、そのことが、生き方を転換されるほどその後の人生への影響を及ぼしてきたという。それまで「戦争で死ぬための生き方」をしていたのが、「生かされた人間として生かされただけの生き方を『平和ならしむる者は幸いなり』と聖書が語っているように、平和のために奉げる生へ」と戦後に方向転換するに至ったという。

 渡辺氏は戦中の敗戦までの自身の考え方の誤りについて「国家の存在を大きいものとして考え過ぎた」こと、「自分の信ずることを曖昧にし、NOと言うべきところでNOと言わない自分がいた」ことを挙げ、「きっぱりそれまでの姿を捨てて生きなければ、戦争に生き残った意味がない」ことを悟ったという。

 二度と国家の過ちには与しないことを心に決めた渡辺氏は、戦前の自身が積んできた学問が粗雑で偽りであったことを反省し、「これまで考えて来たことの何が間違っていたのか、自分でえぐり出していかなければならない」と覚悟し、自分の思想と思考の再検討を行うに至ったという。

 戦後、神学を学び始めた渡辺氏は「これで良いと思っていた判断のいい加減さを叩き直す訓練を行い、自分をごまかす歩みを悔いて、逆の歩みができるように努めた」という。さらにキリスト教を論じている人たちのいい加減さにも気づくようになったという。敗戦にあって、この敗戦は軍事的な敗北であるだけでなく、むしろ精神的な敗北であるということも益々見えてくるようになり、「明治維新以来の日本国家の方向が誤っていました。それが敗戦という結果となりました。国全体が誤った方向に進んでいくときに、その方向に調子を合わせていたのが、日本のキリスト教であったと確認しました。そして方向の間違いを考えないクリスチャンが今も多いという事は事実だと思っています」と伝えた。

 また戦後の戦争責任について、「他の人の失敗の追求よりも先に、私自身の失敗を究明することが重要である」と考え、「自分の戦争責任」に焦点を置いて考えたという。日本のキリスト教はこの間違いを掘り起こして摘発することを怠ってはならないと感じてきたという。渡辺氏は「戦争の時からずっと敗北感が続いてきました。自分自身に関しては、自分を打ちたたきさえすれば、決意した事は何とかやり遂げられると思いますが、自分以外の人を変化させる点ではほとんど何も出来なかったと思います。戦争の中でやっていたごまかしが戦後も続いています。そういうごまかしに気づかなかったわけではありませんでしたが、『やがては良くなるであろう』という楽観が入り込んで、闘いは鈍ってきました。信念はどうにでも作文できます。戦争末期に『徹底抗戦』を論じていた人たちがいますが、そのような『信念』をもって平和のために尽くすと言っている人もいるわけです。『信念があるから貫く』ということでは、貫けないものがあるという事をますます強く感じるようになってきています」と述べた。

次ページはこちら「悲しみが経済的繁栄にすり替えられた第一の敗戦」

  • ツイート

関連記事

  • 基本に立ち返る-21世紀の内村再臨運動へ

  • 苦難の意味~キリスト教の視点から

  • 東日本大震災・津波・原発事故に遭遇して-被災地からの提言

  • 再生可能エネルギーの拡大と電力自由化へ~日本のエネルギー政策の在り方を提言

  • 東日本大震災後の社会、聖書的価値観の反映が必要

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 花嫁(35)古い人を脱ぎ捨てて 星野ひかり

  • 「アジア太平洋伝道会議」2027年に開催決定 50カ国・地域から2500人が参加へ

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • 都合の悪いお言葉(その1) マルコ福音書10章1~12節

  • 栄光への脱出の道 穂森幸一

  • ワールドミッションレポート(10月16日):タイ 傷と裏切りからの癒やし アドゥルの証し

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(5)妥協せず、信仰を働かせる 加治太郎

  • シリア語の世界(34)ウルファ(トルコ南東部)の洪水について(1) 川口一彦

  • グラミー賞受賞のクリスチャンソングライター、飛行機事故で死亡

  • ビリー・グラハム伝道協会とサマリタンズ・パース、福音主義財務責任協議会を脱退

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 加速する聖書翻訳、3日に1つのペースで新しい言語訳の聖書が誕生

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • マルコの証言を通してイエスと出会う90分 「マルコドラマ」日本で初上演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.