Skip to main content
2025年9月16日11時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

申鉉錫牧師の「日本宣教の夢」(7)

2006年10月19日10時03分
  • ツイート
印刷
+
















申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師

 桜美林大学(obirin Univ.)の元人気講師、申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師のコラム第7回目です。 このコラムは、韓国オーマイニュース(http://ohmynews.com/)に掲載され、当時大きな反響を呼びました。在日韓国人牧師という立場から、同師が日本宣教への夢を語ります。


◆はじめに


 前回に引き続いて今回も遠藤周作の「日本泥沼論」について、また日本の福音宣教の障害について筆者の考えを述べることにする。


◆?.日本宣教における「日本泥沼論」


 遠藤周作は彼の小説『沈黙』において、日本におけるキリスト教福音宣教の困難さを「泥沼」、「沼地」として認識した。彼はカトリック教徒であったので、福音というキリスト教の苗を腐らせてしまう日本の土壌に絶望したのではないし、諦めてもいない。只彼の考えの中には「沼地」に植えても腐ってしまわない苗を作り出したかったのだと思う。それが何であるかというと、後で述べるところの厳し過ぎる父性的なキリスト教ではなく、母性的な優しいキリスト教を伝えることであったのである。


 ?父性的なキリスト教とは何か。罪を問うキリスト教である。罪を問うキリスト教は日本人の心情に合わない。日本の民衆に迎えられるキリスト教は優しいキリスト教でなければならず、倫理的・人格的なキリスト教は敬遠される。キリスト教には十戒という戒めがあるが、その中の第一戒は「あなたはわたしのほかに、なにものも神としてはならない」である。もしキリスト教徒がこの戒めを守らなければ罪を犯すことになる。従ってキリスト教徒たる者が、第一戒を抜きにして伝えることは許されない。そこで遠藤周作が考えたのは、日本の民衆に受け入れられやすい母性的なキリスト教を提唱しようとしたのではないか。


 ?母性的キリスト教、そのことを立証する作品が『沈黙』であり、信仰の弱い者やイエスを裏切った者さえも寛大に許し給うキリストを描いた作品である。この作品では、キリストを裏切っても人間の弱さのゆえに罪を問うことはない。罪を怒る義が問われないからだ。


 他にも彼の書いた作品に『海と毒薬』、『死海のほとり』があるが、これらの作品にも、人間の弱さのゆえに犯した罪を罰することなく、うやむやにしてしまう内容(『海と毒薬』)があり、イエスというキリストは、専ら人間の苦しみに同情する「同伴者」(『死のほとり』)として描かれている。『死海のほとり』の一節に「ラビ教師や預言者たちはいつも人間の弱さを責め、神の怒り、神の罰の恐ろしいことを威嚇するように説いたが、イエスはそんなことは一度も口にしなかった。……神は預言者たちの言うようにきびしい山や荒野にかくれているのではなく、辛い者の流す泪や、棄てられた女の夜のくるしみのなかにかくれているのだと教えた」という件がある。


 先に書いたように、遠藤周作の説く神は母性的な神として、罪を怒ることなく、人間の弱さに同情し、その苦しみに同伴者として付き添うだけの神である。


 日本の代表的神学者の北森嘉蔵は『愁いなき神』のなかで、遠藤周作の母性的キリスト教提唱についての遠藤自身のことばを紹介している。「さてここで、遠藤周作の有名な神の考え方が出てまいります。―中略―江藤淳氏との対談です。これは『沈黙』が書かれたあと、非常に注目されている頃に、自らが自分の全作品を解説したものとして、私なども大変に注目したものですが、その主題が何であったかというと、『父の宗教から母の宗教へ』ということなのです。つまり、今までのキリスト教が神を父なる神として性格づけ、そして父の厳しさ、父の怒りというようなものと結びつけ、キリスト教を説いてきたのは、誤りであった、こういうことをしておれば、少なくとも日本では絶対にキリスト教は根づかないと、まず申します。そして一種の革命が要るというのです。本来のキリスト教が現れ、特に日本にキリスト教が根づくためには、神が父から母に替わらなければならないというのです」と。


◆?.変質されたキリスト教


 遠藤周作の説くキリスト教は変質されたキリスト教である。かれの神は母性的な神として、罪を怒ることなく、人間の弱さに同情して、その苦しみに同伴者として付添うだけの神である。


 日本にもたらされた本来のキリスト教は、遠藤の説くセンチメンタルなキリスト教ではなく、人間の罪を背負って十字架にかかり、父なる神の怒りに打たれ、身代わりとなって死んだイエスである。聖書は、ガラテヤ人への手紙第13章の13節において、「わたしたちのためにのろいとなって、わたしたちを律法ののろいからあがない出して下さった」と証言している。


◆?.日本の沼地を沃土に変える


 遠藤周作の「日本沼地論」は、福音宣教の困難さという観点からは説得力を持つ。しかし、日本という「沼地」を沃土に替えることが出来るという可能性については語っていない。ひたすら妥協し、自分をかえて相手に自分を合わせていくことを勧めるのが精一杯の働き掛けである。


 日本のキリスト教指導者の中には、日本の「沼地」を「豊作の地」に替えるためのビジョンを持った方々が大勢おられるのを喜ぶものである。「遠藤周作の『沈黙』以来、日本は福音伝道の『沼地』であり、『良い地』ではなく『悪い地』である、と思いこんでいる。そして収穫のない不毛の地であると決めこんでいる。しかし主イエスが『収穫は多い』と言われているように、国民の九九パーセントがキリスト教でないということは、この国は凶作の地であるどころか、収穫をまっている豊作の地なのである。問題は主イエスが言われているように『働き人が少ない』ことなのである」。(古屋安雄著『日本伝道論』)


◆おわりに


 日本の「沼地」を「豊作の地」に替えるためには、先ず韓国の伝道者が日本をよく知ることであり、また御霊の力によって日本の伝道者と協力して愛の実践を行うことである。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(244)聖書と考える「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(9月16日):グアテマラ 子どもたちに広がる希望の連鎖

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 聖書のイエス(17)「わたしを見た者は、父を見たのです」 さとうまさこ

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新しい発見 佐々木満男

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.