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律法の優等生から福音の優等生になろう

2006年7月14日15時05分
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 最近、「ストレス社会」という言葉をよく目にする。現代社会の特徴の一つに人間関係のストレスがあるという。日本の場合、現代社会の人間関係のストレスは、まったく新しい問題というよりは、実は、従来から社会的に内在していた要因が表面に現れた結果かも知れない。


 日本は、近代化の中でも従来からの和を重んじ、固有の伝統を重視し固持して来た。例えは「和魂洋才」とはまさしくその代表的な言葉である。目に見える形、ファッション、暮らし向き、建物の構造は変わっても、心は昔のままで居たいということが大半の日本人の本音ではないだろうか。


 昔からの日本的な美徳は、場の雰囲気を重んじ、個よりも和を優先させ調和を保とうとする社会構造の上に成り立つ秩序だった。他人との関係は極めて綺麗な均衡関係を保つべきであり、他人に迷惑をかけることは最も醜い恥じとされる。それは、平安時代以降、江戸時代を除いて、戦乱が続いた殺伐とした世相の中で生まれた自然な規律であり、狭い領土の中で人と人がぶつかり合わずに平和に暮すための最良の生活様式であった。明文化された法律や規則ではないが、暗黙の了解として、いまでも日本人の精神に深く関わって特有の行動様式を生む。


 フランシスコ・ザビエルは、日本人の素性を他民族に比べて極めて優秀で、質素で節制ある理性的な民族だと高く評価したという。罪と罰の相関関係を厳密に定めるものを「律法」だとすると、日本人は昔も今も、いわば「律法」的な関係性に関しては極めて優等生と言える。日本にキリスト教がそれほど広く伝わらなかったのも、日本の持つ伝統的規律が平和を保って生活できる十分に賢個なものだったので、あえて新しい、それも西洋から来た、宗教的規律を受け入れる必要性が無かったかも知れない。


 しかし、現代になるにつれ、その律法的な関係性による秩序の保持だけでは、社会の様々な問題に対処しづらくなった。莫大な情報量の増加、速い社会情勢の変化のなかで見た目だけでなく、人の心にも変化が要求される時代になりつつあるからだ。グローバル化が進み、個人主義的な生活スタイルが広まり、従来からの「和魂」の持つ意義は曖昧になってきた。すなわち、今まで日本人を支えてきた精神的な支柱は殆ど意味をなくし、総体的な混沌の状態が続いていると言っても過言ではない。


 さらに、戦後50年の間、比較的ゆったりとした時代には露出されなかった弊害が表面化してきた。規律からはみ出すことを極端に嫌い、厳しく罰する、律法的関係を基盤とした社会構造は、個人的な人間関係から社会的な関係に至るまで、新しい疎外の概念を生んでしまった。身近な例で言うと、「学校のいじめ」、「職場のいじめ」、「ネット村八部」、「引きこもり」などが挙げられる。


 現代人の抱きかかえるストレスの多くが上に述べたような従来の伝統的な社会構造を現代に安易に適用することで生じる矛盾から来ると言える。すなわち、「和魂」がもはや無意味なのに、伝統的意識の底流に流れる律法的な関係性の習慣は変わらず社会を支配していることだ。従来の律法的な関係は、互いに壁を作り、人間性を失う方向に人々の行動を駆り立てる。人々は味気ない機械的な人間関係の中で疲弊し、心を癒す機会すら失われていくだろう。律法的な精神構造に代わる、現代人を支え得る新しい精神的な柱が切実なときだ。


 日本ほど福音が必要な国は無い。時代が進むにつれて従来の「律法」の代替としての新しい「福音」の必要性がより克明になる。人間関係は、罪と罰の関係から罪と赦しの関係へ移行していくべきだ。したがって、日本のクリスチャンと教会は、現代において人々に積極的に福音的な生き方を紹介していくべきだ。


 福音化は、決して日本人の心を捨てるということではない。むしろ、福音は律法を廃するためのものではなく、完成させるものであることを忘れてはならない。従来の日本的な美徳に福音が接木されるなら、未来に向けたより素晴らしい伝統が生まれる。


 したがって、和魂洋才的なキリスト教会になってはいけない。西洋と東洋という時代遅れな区分を超越して、普遍的な構図で見るべきだ。律法の生き方と福音の生き方の谷間で、形だけではなく、心も福音的なものにならなければならない。クリスチャンが目指すべき目標は、この国を福音の優等生にすることではないだろうか。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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