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被災地支援、寺院にも福音-対話から共感生まれる

2011年4月28日18時27分
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 「むしろ、心の中でキリストを主としてあがめなさい。そして、あなたがたのうちにある希望について説明を求める人には、だれにでもいつでも弁明できる用意をしていなさい(Ⅰペテロ3・15)」-被災地でのクリスチャン支援活動を通じ、絶望と悲しみに打ちひしがれた被災者の人々と心を共にし、また異宗教間の対話を通じて、「心の中のキリスト」を主としてあがめ、クリスチャンのうちにある「希望」についてあらゆる人に説明できる豊富な機会が与えられている状況が、クリスチャン支援団体から証しされている。

 クリスチャン救援活動支援ネットワーククラッシュ・ジャパンの現地調査チームは、被災地での支援活動を通じ、現地の人々との対話から共感を生み出し、仏教の寺院にも福音を届けるまでに至っている。

 宮城県女川町にある寺院にクラッシュ現地調査チームが訪ねた際、既に100人の被災者の避難所として寺院が使われており、同寺院はキリスト教支援団体から寺院が支援を受けることに躊躇していたが、ひとりの調査チームスタッフと寺院の僧侶が対話をするうちに、二人が同じ幼稚園を卒園したことが分かり、共感が高まったという。

 また、僧侶の妻は、チームメンバーがキリスト教の牧師であることを知り、夫に「良いお説教のやり方を教えていただくと良いのでは」と提案したという。その後僧侶からチームメンバーが毎週聴衆の興味を引く説教を準備することの大変さについて話を聴き、チームのひとりが僧侶に対し「聖書を素材に説教をしてみてはどうか」と提案し、僧侶もその案に関心を示したという。

 対話によって異宗教であるキリスト教と仏教に属する双方の間に絆ができ始め、無事クラッシュの現地調査チームは寺院に食糧と上着を提供することができたという。さらにその他の寺院での必要について把握することもでき、次に寺院に向かうときは、必要とされていたゴム長靴とスポーツバッグを提供することができたという。

 調査チームとして派遣されていた宣教師夫婦が軽井沢で出会った話を寺院の僧侶の妻に話すと、僧侶の妻の祖父母がクリスチャンで、軽井沢のクリスチャン宿泊施設で開かれたサマーキャンプに参加したことがあったことを打ち明けてきたという。その後双方の会話が弾むことによって、僧侶の妻がキリスト教に再び興味をもつようになり、「聖書をもう一度読んでみようかしら」と話すまでになったという。

 寺院と教会、双方の抱えている問題には類似した点も多く、女川の寺院では、人がもっと寺院に来てくれるようなプログラムを考えていたところであったという。そのようなところに大地震が襲い、避難所というかたちで被災者が多数利用することになり、さらにクリスチャン支援チームとの出会いや対話を通じて、女川の僧侶は妻に冗談めかして「牧師になるべきかもしれない」と語ったという。

 クラッシュの報告では「神様が女川で何をしようとしているのか、木になって仕方がないのです。神様は、この寺院に避難する小さな人々の群れを救いに導いていらっしゃるのかもしれません。このことがそうなると良いのにと思います」と述べられている。

 被災地では相変わらず重労働の支援活動が続く。国際飢餓対策機構では食糧支援のみではなく、被災地の東松島で水に浸かっていた家々の床をはがし、泥を取り除くという重労働作業にも取り組んでいる。

 大工経験のあるボランティアの人に教えてもらいながらの重労働作業となった。このような作業を行っている最中にも現地の被災者の人々と休息中に対話を行う時間がもたれている。被災者からは、ボランティアが来て、自分たちでは到底できない重労働作業を進んで行ってくれる姿を見て、感謝すると同時に、悲惨な町の姿だけを見てもらうのではなく、美しい姿も見てほしいと、被災前の美しい風景の写真をプレゼントされたりしているという。

 同機構スタッフで、神学校で聖書の学びと訓練を続けている小崎敏志さんは、「これから支援活動に参加する中で、支援活動を黙々とこなすことだけの者にはなりたくないと思う。苦しみ、涙する人たちと一緒に、涙できるものでありたい。そしてただ、『かわいそうに・・』と同情するのではなく、ここに住む人たちと共に希望を持てる者でありたい。そのことを表面的にではなく、心から語れる者でありたいと心から願う」と述べている。

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