東日本大震災の被災地復興のために祈る「3.11超教派一致祈祷会」が11日、東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開かれ、教職や信徒ら約100人が祈りをささげた。一昨年の日本プロテスタント宣教150周年記念大会に携わったキリスト教指導者らが呼び掛け、教派を超えた祈祷会が実現した。150周年記念大会の実行委員長の一人で大和カルバリー・チャペル牧師の大川従道氏は、「(教会が)教派の壁を超えてキリストにある愛をもって東日本の地を支えることができますように。(日本に)リバイバルによる回復の道を与えてください」と祈り、教会の一致と霊的復興を切に求めた。
祈祷会では、サマリタン・パースやクラッシュ・ジャパンなどのキリスト教支援団体が活動を報告したほか、宮城県東松島市で被災した基督聖協団宮城聖書教会牧師の田中時雄氏が震災の体験を語った。
田中氏の教会は、海岸から約3キロ離れていたが、津波は、瞬く間に教会の1階部分を飲み込んだ。町内会長を務める田中氏は、近隣に住む高齢者の安否を確認して逃げ遅れた。間一髪で教会の2階に逃れて無事だったが、通信手段を絶たれ、電気もガスも水道も使えないまま、妻と2人で4日間の孤立を余儀なくされた。
4日目にようやく救出され、向かった避難所で目にしたのは、悲しみに暮れる人々の姿だった。「みな死んでしまった」。震災で身内をすべて亡くした78歳の女性は、田中氏が避難所にいた3日間、ずっと泣き崩れていたという。
避難所生活は過酷を極めた。電気、ガス、水道は一切使えず、支給される食料は1日1食でバナナ1本かおにぎり1個。300人いる避難所にトイレはひとつで、想像を絶する衛生状態だったという。3日目の避難所生活が終わって日付が変わるころ、田中氏を捜索していた息子と基督聖協団の牧師に発見された。
田中氏は、「(津波で)流された教会は宮城県内だけでもたくさんある。こういうときにこそ、祈りによって支えていただきたい」と訴えた。最後には、「生かしてくださった神、背後にあって祈ってくださった方に対して感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔を見せた。
祈祷会は毎月11日に開催される。5月11日には、福島第一原発から約5キロの福島第一バプテスト教会の牧師でいまも避難生活を続ける佐藤彰氏を講師に迎える予定だ。
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