Skip to main content
2025年8月2日10時40分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム

平野耕一牧師「イエス伝」(15)・・・WHO IS JESUS〜天からの啓示〜5

2009年9月24日08時57分
  • ツイート
印刷
+

 ヨハネに忠誠を尽くし、共同生活をしていた少数者はヨハネを離れることはなかったが、他の弟子たちはこだわりなくイエスに従った。ヨハネがそのように仕向けたのであった。ヨハネは「わたしは衰退していくが、イエスはますます繁栄していく」と公言してはばからなかった。また、「イエスを花婿に例えるなら,わたしはその付き人にすぎない」とも言った。「わたしの弟子たちよ。これからはイエスについて行きなさい」と言ったと同じであった。しかもその時、ナザレのイエスは全く無名で、ヨハネは誰よりも人気を博し人々の期待を集めていた時なのだ。



 ペテロは興味深い申し出をイエスにした。「ガリラヤ地方にこられたら、どうぞ私の家にお泊りください。家は大きく広いのです。何日でも思いのままに滞在してください。家はガリラヤ湖畔のカペナウムにあります」



 イエスがヨハネの教団から離れた理由は、他にもいくつかあった。



 エッセネ派で育てられたヨハネは、その慣習から脱皮して人々の前に現れて、罪の悔い改めと赦しを教えるようになったが、教えが終わるとやはり荒野に帰って行った。ナザレの人々の間で育てられ働いたイエスは人好きであった。彼は人々の間で住みたいという強い欲求を持っていた。人々を離れてではなく人々の間に住み、人々の近くで活動する教団にしようと思った。ペテロの「私の家に思うままに滞在してください」という申し出は妙に魅力的だった。



 ヨハネは、やはり陰気的だった。明るく笑い声が爆発する家族で育ったイエスには不自然でもあり暗すぎた。彼はもっと人間らしく自由であり自然体でいられる仲間作りをしたかった。ヨハネは弟子たちにとって近づきがたい権威をもっていたが、イエスは自分の追従者と近く親しくしたいとも思った。



 ヨハネは禁欲的であった。限られた「いなごと野蜜」を主食とし、一週間に二日の断食をしていた。ワインは決して口にしなかった。食事時間に語り合うことも少なく、笑い声が起こることもなかった。ヨハネ教団にいた時はその慣習に従ったものの、イエスにとって不自然であり、きつくもあった。もっと人間らしい食事の時間にしたかった。仲の良い家族が楽しく食べるように食べたかった。地とそれに満ちるものはすべて神の祝福であり、感謝して食べるならすべてのものは清いと考えた。



 ぶどうとぶどうから作られたワインは神からの最上のプレゼントだから大いに楽しむべきだとも考えた。儀式だけのワインではなく、楽しみ生活を祝うためのものでもあった。父ヨセフが母マリヤの手作りのワインを飲んで愉快に笑った時の顔を懐かしく思った。



 習慣的な断食は一切廃止しよう、と決めた。競い合って断食した時代に、断食を廃止したリーダーは他にいなかった。というより、考え付かないほど宗教と断食は密接していた。



 ヨハネは死海のほとりのユダの荒野から離れることはなかった。ヨルダン川に姿を現しても、そこは死海に注ぎ込む川の出口に近い場所だった。ヨハネはガリラヤ地方どころかユダヤ地方を歩き回ることがなかった。伝道したものの、住処はユダの荒野であった。イエスは人々のいるところならどこでも行こう、と思った。ユダヤ人が毛嫌いして決して近づくことのなかったサマリヤでも、ブタを飼っており食したゲラサ地方でも、イスラエル国内を離れた地方でも行こうと思った。



 ヨハネは女の弟子をもたなかった。当時は女の弟子を従えるリーダーは皆無だ。人々は祈祷書の一文を繰り返し読んで祈っていた。「神よ。私が異邦人にも女にも豚にも生まれなかったことを感謝します」。ヨハネはエッセネ派の戒めに従って、女が近付くことを許さなかった。イエスは、「神はご自分のかたちに似せて人間を造り、男と女に造られた」ことを知っていた。秩序としては男が先に造られたのだが、女の価値は男のそれに決して劣ることはなかった。女を除外することなど、イエスにとって論外であった。イエスは母マリヤを愛し尊敬していたのだ。そして、マリヤは女だった。



 ヨハネは重い皮膚病患者を近づけなかった。汚れた者とし、その汚れに触れることは自分の心もからだも汚すことであった。イエスにとって、それは罪の結果でも神からのろわれたことでも、汚れた者でもなく、ただ肉体的な病に侵されたにすぎなかった。彼らはかわいそうな人々に過ぎなかった。



 イエスはヨハネを「女が産んだ最も偉大な人物」と呼んで最大の尊敬心をいだき、彼から学んだ遺産を尊び感謝したが、違いもまた明らかであった。ヨハネの弟子たちは、イエスをヨハネの後継者になると思い込んでいたが、それはヨハネもイエスもあり得ないと知っていた。二人は、それぞれ神から与えられた使命に忠実に生きようとしたのであり、その使命は明らかに異なっていた。



 荒野の霊戦。



 イエスは仕事にもどらなければならないガリラヤの男たちと離れて、ひとりユダの荒野に向かった。聖なる霊がイエスを荒野に向けさせていた、いや追い込んでいたと言うべきだろう。メシヤ活動を始める前にしなければならない一つのこと、それはサタンと戦うことだった。(次回につづく)



◇



 平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 聖書のイエス(14)生ける水の川 さとうまさこ

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(237)聖書と考える「初恋DOGs」

  • ワールドミッションレポート(8月2日):中東某国 イエスのために全てを失った女性ミリアム(2)

  • 肯定的に考え、語ろう! 菅野直基

  • 根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令

  • メディアに取り上げられるキリスト教のイメージを改善する4つの方法

  • 2025年参院選、クリスチャン候補者1人が当選 牧師2人は落選

  • 東京神学大学元学長の山内眞氏死去、84歳

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 「神の国」の実現を目指して 地域開発と福音宣教の国際会議「IKCD2025」

  • Gゼロ時代の津波石碑(6)アニミズムと創造神信仰―共振する心の襞 山崎純二

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 2025年参院選、クリスチャンの候補者も 牧師2人が立候補

  • 根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • メディアに取り上げられるキリスト教のイメージを改善する4つの方法

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • 肯定的に考え、語ろう! 菅野直基

  • シリア語の世界(29)シリア語旧約聖書の各書名と1章1節の和訳(3)エゼキエル書からマラキ書まで 川口一彦

  • 東京神学大学元学長の山内眞氏死去、84歳

  • 聖書のイエス(14)生ける水の川 さとうまさこ

  • 2025年参院選、クリスチャン候補者1人が当選 牧師2人は落選

  • ワールドミッションレポート(8月1日):中東某国 イエスのために全てを失った女性ミリアム(1)

編集部のおすすめ

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.