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北アルプスのふところから神の懐へ

工藤公敏牧師「北アルプスのふところから神の懐へ」(2)・・・分教場

2009年5月20日12時41分 コラムニスト : 工藤公敏
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関連タグ:工藤公敏

分教場

本校は四キロもあり遠い山道なので三年生まで近くの分教場に通った。同級生十七名で複式学級であった。二人の先生しかいない小さな学校である。受け持ちの小林八重子先生のことは不思議に良く覚えている。

私は、壺井栄の小豆島を舞台に繰り広げられる「二四の瞳」の映画が大好きだ。今もビデオを時々見る。高峰秀子主演の方が心にぴったりする。分級場の八重子先生と大石先生がダブルのか知れない。モンペ姿で自転車で学校に来られた先生、時々チョークが飛んできたり、竹棒が音を立てた。戦争が終わりに近づいたころは、学校の裏の松林に逃げ隠れて避難訓練を良くした。防空頭巾を被って登校した。学校の庭にジャガイモを植えたり、豆やカボチャの種を蒔いて収穫を待った。

高校の同窓会

一九九七年二月、四一年ぶりに松本高校の機械科の同窓会があった。当時二五名のクラスが四クラスあった中で還暦を迎える二九人の顔にそれぞれの歴史があった。高校を卒業して初めて出席したので、「君はどうして新三菱重工をやめて、牧師に成ったのか」と言う質問が続いた。私は次のことをかい摘んで話した。「高校の卒業式の時に父が発電所の導水路に飛び込み命を絶った。五八才だった。

父は三才上の私の兄の面倒を見て欲しいので私に近くに就職してもらいたかった。

私は体も心も弱い兄がいたら結婚も無理かと考えた。子どもの頃は仲良しだった兄を中学の頃から愛せなくなっていた。家から離れた誰も精薄の兄のことを知らない地に就職したいと思った。父の葬儀と入社日が重なったので、私は家の今後のことも考えて葬儀に出ないで名古屋に向かった。酒も飲めるようになり、時には一升瓶を空にした。浜松工業を卒業した藤田正行君が同期だった。

彼が教会に行かないかと誘って下さった。最初は断っていたが、二月のある日、仕事で失敗して、始末書を書かされてむしゃくしゃしながら寮で夕食をしていた。その時、藤田君に誘われ教会に連れて行ってもらった。

私は、この信仰を持って行けば小中高と先生に教訓を受けたような、真実な、誠実な生活が出来ると直感した。私はイエス・キリストを信じ重荷を取り除かれた。父に対する罪、兄に対する罪も許された。酒も飲めなくなった。四年勤めた会社を辞めて聖書学院に入学し牧師の道を歩き出した。もう皆は退職の時期である。私は定年がないので神と人とに仕えたい」と話した。

友人達は真剣に話を聞いてくれた。八時の特急で帰る予定も遥かに越えて松本零時二十分の夜行列車に乗った。

高校時代、友人に押されて、生徒会長になった。貧乏のどん底を苦学したこともあって良い友に恵まれた。五〜六人の友とは年賀状を交わして三十年以上になる。

学年で一番頭の良かったT君は、「君の年賀状から子どもの顔が消えて奥さんと二人の顔だけになったね」と言ってくれた。彼は網走に新婚旅行に来てくれた。私が網走で教会をしていた四年目の頃だった。家内がどのようなもてなしをしたか記憶にないが彼は大変今も感謝していた。松本に来て泊まって欲しいとのことだ。七百枚程、年賀状を出しているが、年賀状が友の間を取り持っている。

若い時に、天と地を造られた神を信じたお陰で、泣き上戸と言われた程も飲んだ酒からも離れる事が出来た。

きっと今頃「あの工藤も酒の為に、肝臓を壊し、胃も腸も壊して、死んだか」と言われて、地上の旅を多くの人を悲しませて終わったに違いない。

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◇

工藤公敏

工藤公敏

(くどう・きみとし)

1937年、長野県大町市生まれ。基督兄弟団聖書学院、ルーサー・ライス大学院日本校卒業。基督兄弟団理事長、同聖書学院院長など歴任。基督兄弟団目黒教会牧師、キリスト再臨待望同志会会長、目黒区保護司。著書に『北アルプスのふところから神の懐へ』など。(2023年4月14日死去、プロフィールは執筆当時のものです)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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