世界の子どもを支援するキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」は、アフガニスタン東部で8月31日深夜に発生したマグニチュード(M)6・0の地震により、多数の死傷者が出ていることを受け、緊急支援募金を開始した。
イスラム主義組織「タリバン」の暫定政権の発表によると、地震による死者は2日までに、少なくとも1400人に及び、負傷者は3千人を超える。東部のクナール州やナンガルハル州で特に被害が大きく、被災地が山岳部にありアクセスが難しいことから、死傷者は今後さらに増える可能性が高い。
アフガニスタンでは2023年10月に西部ヘラート州でM6・3の地震が発生し、2400人以上が死亡している。ワールド・ビジョン・アフガニスタンのタミンドリ・デシルバ事務局長は、過去の地震の影響は今も続いているとし、「今回の地震の爪痕も、長期にわたり極めて深刻なものになるでしょう。特に子どもたちは最も危険にさらされ、最も高い代償を支払うことになります」と話している。
被災地は、ワールド・ビジョンの活動地域からは千キロほど離れている。現在は状況を注視しつつ、アフガニスタン国内で活動するNGOとの協力を含め、最善の対応方法を検討しているという。
アフガニスタンは、地震発生以前から世界最悪とされる人道状況にある。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、25年には2290万人が人道支援を必要とし、350万人の子どもたちが重度の栄養不良に陥っていると推定されている。これに対し、25年の人道対応計画で必要な24億2千万ドルのうち、8月までに集まっている資金は約26%に過ぎないという。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、ホームページまたは電話(フリーダイヤル:0120・465・009、受付時間:午前9時~午後11時)で寄付を受け付けている。