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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(12月16日):ネパール ろうあの少年の驚くべき癒やし

2024年12月16日18時35分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:ネパール

ネパールはヒマラヤ山脈に位置し、266の未到達部族を抱えるヒンズー教国だ。キリスト信者数は長年、全人口のわずか1%に満たなかったが、昨今の目覚ましい成長により、3%に届こうとしている。

勢いあるキリスト教に脅威を感じたネパール政府は、キリスト教への改宗、キリスト教の宣教活動、他者への「宗教的感情を害すること」を事実上禁止する、いわゆる「反改宗法」を2017年に制定した。しかし、政府が教会の成長を妨げようとすればするほど、教会は奇跡を伴ってさらに成長しているのだ。その一例が、耳と口が不自由だった18歳のろうあの少年ティラクの驚くべき癒やしだ。

ある日、教会開拓者であり「ティモシー・イニシアティブ」という宣教団体に所属するビジュ牧師は、ティラクと出会い、彼のために祈ることにした。解放と癒やしを求めて祈ると、ティラクの顔に驚きと困惑したような表情が浮かんだ。そう、驚くべきことが起こったのだ。

耳と口が不自由だった少年ティラクの頬に涙が伝い、彼は人生で初めて「聞こえ」、そして「話す」ことができるようになったのだ。そう、奇跡的な癒やしがその場で起きたのである。

ティラクはすぐに母親の元に駆け寄った。母親は喜びと安堵の涙を流しながら息子を抱きしめた。彼女の息子は完全に癒やされたのである。その癒やしは、まさしく主イエスによってもたらされた。その日、ティラクの家族全員もイエス・キリストを救い主として受け入れたのだ。

ティラクとその家族は、神についてもっと学びたいという強い願いを持つようになった。彼らは、彼らの部族に初めて開拓された教会に通い始めた。そして今まで語ることさえできなかったティラクの声は、他の信者たちと共に賛美をささげる声に加わったのだ。教会に通い始めたティラクとその家族は、イエスの教えを聞き、それを理解できるという奇跡に感動したのである。

そしてティラクの人生には、3つ目の奇跡が起こった。彼が聖書を開くと、聖書のページに記された文字が生き生きと彼の目に飛び込んできて、ティラクは事前に教育を受けていなかったにもかかわらず、瞬時に聖書を読むことができたのである。神の言葉を自分で読むことができるようになったティラクは、ほとばしるような喜びとともに、自分の聖書を抱きしめるようにして家に持ち帰ったのだ。

かつて読むことができなかったティラクは、今では神の言葉を学び、かつて聞くことができなかったティラクは、教えを聞きながら信仰を深め、かつて話すことができなかったティラクは、今ではイエス・キリストの福音を、まだそれを聞いたことのない人々に伝えているのである。

世界で唯一のヒンズー王国であったネパールは2008年に王政が廃止され、連邦制民主共和国に移行した。しかしながら、国民的な霊的支柱となっているヒンズー教は根深く、聖書的伝道的なキリスト教は排斥と弾圧の対象となっている。ところが主は、そのように固く閉ざされた強固な扉を、力ある奇跡やしるしをもってこじ開けておられるのだ。

リバイバルのただ中にあるネパールの勢いが増し加えられ、さらなる救霊の実を結ぶように祈っていただきたい。

■ ネパールの宗教人口
ヒンズー 75・0%
プロテスタント 2・9%
カトリック 0・02%
イスラム 4・4%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:ネパール
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