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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(32)「イエス様を殺そうとするユダヤ人たち」―「信じた」ことの真意― 臼田宣弘

2023年11月22日14時08分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書

8章12節~9章7節の集中構造分析

今回は8章30~47節を読みますが、その前にこの部分を含む8章12節~9章7節は集中構造になっていると思われますので、その分析を示したいと思います。集中構造の中核は「X」という記号を使うということを知りましたので、今後中核はXで示します。

A 8章12~20節 世の光であるイエス様
B 8章21~29節 「私はある」と言われるイエス様
C 8章30~31節 ユダヤ人たちの信仰
D 8章32節 真理
E 8章33節~37節a アブラハムの子孫とユダヤ人たちの罪
X 8章37節b イエス様を殺そうとするユダヤ人たち
E´ 8章38節~44節a アブラハムの子孫とユダヤ人たちの罪
D´  8章44節b~46節 真理
C´ 8章47節~53節 ユダヤ人たちの信仰
B´ 8章54~59節 「私はある」と言われるイエス様
A´ 9章1~7節 世の光であるイエス様

集中構造分析は、一つの分析が絶対的なものではなく、分析者ごとに差が出るものですが、私は今回、このような分析をしてみました。では、上記の分析を参照しつつ、今回の箇所を読んでみましょう。

「イエス様を信じる」ということ

30 これらのことを語られた、多くの人がイエスを信じた。31 イエスは、ご自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「私の言葉にとどまるならば、あなたがたは本当に私の弟子である。

ヨハネ福音書は、「イエス様を信じる」ということをさまざまな位置から伝えています。例えば、20章24~29節では、イエス様の弟子であったのに復活を信じなかったトマスが、復活のイエス様に出会うと、「私の主よ、私の神よ」と告白します。これは、8章30節の「多くの人がイエスを信じた」に比べ、非常に強い信仰告白といえるでしょう。同じ「イエス様を信じる」ことではあっても、そこに信仰の差異を読み取れると思います。ヨハネ福音書は、このように登場人物たちの信仰をさまざまに伝えることで、読者の信仰を最善の位置に到達させようとしているように思えます。

8章30節の「多くの人がイエスを信じた」は、2章23節の「過越祭の間、イエスがエルサレムにおられたとき、そのなさったしるしを見て、多くの人がイエスの名を信じた」と共通するものを感じます。多くの人が信じるというのは、いわゆる群集心理とも通ずるものがあるのでしょう。不思議なことを行うのを見たり、力強い話を聞いたりして、その人を多くの人が信奉してしまうことはあるのではないかと思います。8章30節、2章23節における「イエス様を信じる」は、そのような性格を持っているのではないかと思います。

そして、上記の集中構造分析による8章30節の対称箇所となる47節は、イエス様が「あなたがたが聞かないのは、神から出た者でないからである」と言われたことを伝えています。集中構造の対称箇所は同じ意味を示していることが多いことからすると、8章30節の「多くの人がイエスを信じた」というのは、素直に喜べる良い内容ではなかったのであり、それ故にイエス様は続けて、「私の言葉にとどまるならば、あなたがたは本当に私の弟子である」と言われているのだと思います。

真理とは何か

32 あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にする。」

31節からのつながりで読むならば、イエス様の言葉にとどまるならば、真理を知ることができるということになります。イエス様の言葉とは何でしょうか。「真理はあなたがたを(罪から)自由にする」と言われていることからすると、真理とは究極的には十字架で命を捨てられることを指すのでしょう。

イエス様が十字架にかけられる前、ピラトがイエス様に「真理とは何か」と聞きます(18章38節)。イエス様はその問いかけには無言で応じますが、そこから十字架刑が進行していきます。そのことからすると、十字架刑に向かわれるイエス様の一つ一つの行為が、ピラトの「真理とは何か」という問いに対する答えであるように思えます。

イエス様の言葉は、私たちを自由にするのですが、それは十字架による赦(ゆる)しがあるからでしょう。ヨハネ福音書では、この後「真理」という言葉が繰り返し出てきますが、その一つ一つが大変興味深いものとなっています。

アブラハムの子孫

33 彼らは言った。「私たちはアブラハムの子孫です。今まで誰かの奴隷になったことはありません。『あなたがたは自由になる』とどうして言われるのですか。」 34 イエスはお答えになった。「よくよく言っておく。罪を犯す者は誰でも罪の奴隷である。35 奴隷は家にいつまでもいるわけにはいかないが、子はいつまでもいる。36 だから、もし子があなたがたを自由にすれば、あなたがたは本当に自由になる。37 あなたがたがアブラハムの子孫だということは、分かっている。

イスラエルの民は、シナイ山において「祭司の王国、聖なる国民となる」と言われました(出エジプト19章6節)。それ故に、「自分たちは他の民族とは違って、神から選ばれた特別な存在なのだ」という意識がありました。従って、誰かの奴隷であるなどということは、彼らからしてみれば考えられないことなのです。

37節によれば、イエス様もそのことは分かっておられました。しかし、それは肉においてはということでした。霊によるならば、彼らは罪の奴隷であり、イエス様によって自由にされる必要がありました。イエス様を信じたとはいっても、それが彼らユダヤ人たちの信仰の実態であったのです。

イエス様を殺そうとするユダヤ人

37b だが、あなたがたは私を殺そうとしている。私の言葉を受け入れないからである。

この箇所は、集中構造分析の中核です。ユダヤ人たちは、世の光であるイエス様に従わず、「私はある」という神顕現を信じず、真理にとどまっていなかったので、イエス様を殺そうとしたのです。イエス様の言葉にとどまっていれば、真にイエス様の弟子となれたのですが、イエス様の言葉を受け入れなかったので、群集心理的な「信じる」から脱することはできなかったのです。

悪魔である父から出た者

38 私は父のもとで見たことを話しているが、あなたがたは父から聞いたことを行っている。」 39 彼らが答えて、「私たちの父はアブラハムです」と言うと、イエスは言われた。「アブラハムの子なら、アブラハムと同じ業をしているはずだ。40 ところが今、あなたがたは、神から聞いた真理をあなたがたに語っているこの私を殺そうとしている。アブラハムはそんなことはしなかった。41 あなたがたは、自分の父と同じ業をしている。」

そこで彼らが、「私たちは淫(みだ)らな行いによって生まれたのではありません。私たちにはただひとりの父がいます。それは神です」と言うと、42 イエスは言われた。「神があなたがたの父であれば、あなたがたは私を愛するはずである。なぜなら、私は神のもとから来て、ここにいるからだ。私は勝手に来たのではなく、神が私をお遣わしになったのである。43 私の言っていることが、なぜ分からないのか。それは、私の言葉を聞くことができないからだ。44 あなたがたは、悪魔である父から出た者であって、その父の欲望を満たしたいと思っている。

イエス様が言われているご自身の父とは神様のことですが、ユダヤ人たちに対して「あなたがたは父から聞いたことを行っている」と言うときの父とは、悪魔のことです。つまり、「あなたがたは悪魔の子である」と言われているのです。

ユダヤ人たちは、当然に「私たちの父はアブラハムです」と反論しますが、前述したようにそれは肉による父であるにすぎません。イエス様は、「あなたがたは、自分の父と同じ業をしている」「あなたがたは、悪魔である父から出た者であって、その父の欲望を満たしたいと思っている」と、彼らの父はアブラハムではなく悪魔であることを、繰り返し言われています。

真理とは逆のこと

悪魔は初めから人殺しであって、真理に立ってはいない。彼の内には真理がないからだ。悪魔が偽りを言うときは、その本性から言っている。自分が偽り者であり、偽りの父だからである。45 しかし、私が真理を語っているので、あなたがたは私を信じない。46 あなたがたのうち、一体誰が、私に罪があると責めることができるのか。私が真理を語っているのに、なぜ私を信じないのか。47 神から出た者は神の言葉を聞く。あなたがたが聞かないのは、神から出た者でないからである。」

イエス様は十字架で命を捨てるという「真理」に向かって歩まれましたが、悪魔は殺す者であって真理には立ってはいません。

集中構造分析で聖書を読む面白さ

今回は、自分の行った集中構造分析にほぼ基づいて区切りを行い、解釈をほどこしてみました。そうすることによって、理解が意外にもより良く進んだように思えます。私が聖書の集中構造分析を好むのは、こういったこともあるからです。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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