Skip to main content
2021年1月25日20時31分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

祈りがかなえられないことの幸い 渡辺和子さんの最後の著書『どんな時でも人は笑顔になれる』

2017年11月14日06時55分 記者 : 守田早生里
  • ツイート
印刷
関連タグ:渡辺和子ノートルダム清心学園
祈りがかなえられないことの幸い 渡辺和子さんの最後の著書『どんな時でも人は笑顔になれる』+
渡辺和子著『どんな時でも人は笑顔になれる』(PHP研究所)

本書は、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんが2016年12月30日、89歳で帰天する10日前に校閲を終え、今年3月に出版された最後の著書。

シスターが人生の出会いの中で教えられてきた大切なことをつづった既刊著書の中から、「いま改めて伝えたいこと」が厳選され、読みやすくまとめられている。200万部を超えるベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)の出版から4年後、シスターが最後に遺(のこ)した言葉とは、いったいどのようなものだったのだろうか。

本書のテーマは、祈りがかなえられない意味。

「はじめに」でも、子どもの幸せを祈ったのに、進学や就職の失敗、病気などで落胆し、失望することが多い人生の現実に触れる。しかし、その時の「切なさ、つらさこそが、実は人間が成長してゆく上で『本当にたいせつなもの』『必要なもの』だったのだと、いつか必ず気づく日がある」とシスターは言う。

1927年、北海道旭川市で生まれたシスターは、冬の「すべてを浄化するような寒さ」が好きだという。父親で当時の陸軍教育総監だった渡辺錠太郎(じょうたろう)が2・26事件で銃弾に倒れたのも、大地を純白の雪が覆った寒い冬の日だった。

人生の冬、それは必ずしも秋の次に来るとは決まっていませんし、三カ月くらい続くものとも限りません。・・・(履歴書で)もっとたいせつなのは、書くに書けない「苦歴」とでもいったものではないでしょうか。・・・文字に表わすことのできない苦しみの一つ一つは、乗り越えられることによって、その人のかけがえのない業績となるのです。(32~34ページ)

シスターは幼い頃に目の前で父親が殺害されるのを目撃し、その後、18歳で受洗。29歳でノートルダム修道女会に入会し、36歳という異例の若さでノートルダム清心女子大学の学長に就任した。

それまでシスターは、丈夫で健康なのが当たり前と思って、人を厳しく見ることもあったという。ところが、多くの苦労を重ねる中で、50代の約2年間、うつ病で苦しむことに。その間も、学校での授業や仕事は何とかこなしていたものの、常に「私にはその資格がない」という自信のなさがつきまとう。

しかし、つまずいたおかげで見えてきたものもあった。責めることなく、弱い人にも心を注ぐことができるようになったのだ。

「費用対効果」などの言葉に代表されるように、経済的にいかに効率よく生きるかが求められる時代の中で、「待つことの大切さ」についてもシスターは語る。

お金にならない時間、得にならない時間、その意味では無駄と思える時間の中にしか愛情は育たない・・・。待たないですむ人生などありはしないのです。そうだとしたら、待つことの意味も知らなければならないでしょう。(56~57ページ)

「待つこと」は急ぐことよりも案外難しいのかもしれない。実は待つことへの恐れから、私たちは自らを急がせているだけなのではないだろうか。そんな私たちにシスターは「愛をこめた時間は、無駄にならない」と優しく語り掛ける。

また、「なぜ祈るのか、祈りは叶(かな)うのか」の項でシスターは、私たちが時に祈りに対して感じる疑問を次のように挙げている。

「もし私が祈ったことが全部叶えられたら、どうなるのだろう」「神様のお役目というものは、人間の願いを全部叶えることなのだろうか」・・・「いくら祈っても、所詮(しょせん)、神はご自分の好きなようになさるのだとしたら、祈っても、祈らなくても同じではないか」

その上でシスターはキリストの言葉を紹介する。

「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる」(ルカ11:9-10)

ところが、さすがにシスターの見方は深い。「この言葉には、求めたそのものが与えられると約束されていませんし、捜したそのものが見つかるとも約束されていません」と指摘した上で、その後に続く「魚を欲しがる子供に、魚の代わりに蛇を与える父親がいるだろうか」(11節)という言葉に注目する。そして、「求めたものの『代わりに』何かをくださる可能性があることが示唆されています」として、神が人間の願いをそのままかなえることを自分の愛の証しとなさらないのは、「私たちはいつも“欲しいもの”を願っているからであり、神様が私たちに叶えてくださるものは、“必要なもの”だから」とシスターは言うのだ。

シスターが最後に書き記した言葉は、「自分にしか咲かせられない花を、どこに置かれても、精いっぱい咲かせよう」。

シスターにとって「花の人生」とは、幼いの頃は、きれいなお嫁さんになること、10代後半は戦時中なので、平和でおなかいっぱい食べられること、20代は、華やかに若さを奔放に生きることだった。しかし、いつしか健気(けなげ)に咲く「一輪の花」として生きることに変わってきたという。そこには、有名な「置かれた場所で咲きなさい」という詩との出会いがあった。

花の使命は咲くことにあります。他の花と比べて優劣を競うことにもなければ、どこに置かれるかにもなく、自分しか咲かせられない花を一番美しく咲かせることにあります。(140ページ)

最後は人生を花にたとえたシスター。その死を惜しむ声は今も絶えないが、シスターは天でも精いっぱい、それゆえに美しく花を咲かせていることだろう。

渡辺和子著『どんな時でも人は笑顔になれる』
2017年3月29日初版
144ページ
PHP研究所
1000円(税別)

関連タグ:渡辺和子ノートルダム清心学園
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 渡辺和子さんから学んだ「赦し」 2・26事件青年将校の弟、安田善三郎さんインタビュー(2)

  • 「置かれた場所で咲く花に」 渡辺和子さんの学園葬に3500人

  • 渡辺和子さん死去、89歳 ノートルダム清心学園理事長 『置かれた場所で咲きなさい』著者

  • 2・26事件の父の死、修道女としての「従順」、50年経ての和解『強く、しなやかに―回想・渡辺和子』

  • カトリック・プロテスタント合同の学校フェア開催、渡辺和子氏の講演も

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • バイデン氏の大統領就任、米国のキリスト教指導者5人の反応

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • 日本から遠く離れた地の日本人伝道最前線 駐在員家族120人に福音伝える英語教室

  • 改宗禁止条例、インド各州で相次いで施行 迫害監視団体が危惧

  • 誘拐された30代のカトリック神父、遺体で発見 ナイジェリア

  • 米国の大統領交代、トランプ氏の功績とは?

  • 主の教えと助言 岡田昌弘

  • 主の模範に倣い信仰生活を建て上げよう 万代栄嗣

  • 「海外宣教」と「ラディカル・リベラリズム神学」 第23回断食祈祷聖会2日目

  • 世界宣教祈祷課題(1月22日):米国大統領選挙を終えて

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • 群馬県太田市の教会クラスター、感染者78人に 県内最大規模

  • 米国の大統領交代、トランプ氏の功績とは?

  • 世界3億4千万人のキリスト教徒が迫害下に コロナ禍で差別増、北朝鮮が20年連続ワースト1位

  • 誘拐された30代のカトリック神父、遺体で発見 ナイジェリア

  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 映画「羊飼いと風船」 宗教と現代性、その普遍的な対立を見事に描き切った秀作

  • 世界宣教祈祷課題(1月22日):米国大統領選挙を終えて

  • カトリック東京大司教区の司祭1人が新型コロナに感染 隔離静養中

  • 真理はあなたを自由にします イエス・キリスト・エクレシアよろこび研究会

  • バイデン新大統領誕生、聖書の詩篇を引用し「米国の結束」呼び掛ける就任演説

  • 米下院で「父」や「母」などの単語使用不可に フランクリン・グラハム氏「神の権威否定する」と批判

  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 群馬県太田市の教会クラスター、感染者78人に 県内最大規模

  • 群馬県内の教会でクラスター発生 40人が感染

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • トランプ支持者が米議会占拠 米キリスト教指導者らが相次ぎ批判、祈り呼び掛け

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • 榊原寛氏死去、79歳 お茶の水クリスチャン・センター顧問

  • イエス時代の儀式用沐浴槽、ゲツセマネで発見 地名の由来裏付けに

編集部のお勧め

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • クリスチャン画家の山田桂子さんが姫路市美術展に入選 日米でアートミニストリー展開

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • 「聖書通読、回重ねるごとに喜びがある」 『1年で聖書を読破する。』の鈴木崇巨牧師

  • 「母は中絶を拒否した」 アンドレア・ボチェッリの証し

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.