Skip to main content
2025年6月17日05時48分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(22)ギリシャ、ヘブライの宝 浜島敏

2017年6月13日08時58分 コラムニスト : 浜島敏
  • ツイート
印刷
関連タグ:浜島敏

聖書の熱心な愛読者から、念入りに書きつづった手紙が1通、聖書館に届けられました。要旨は次のようなものでした。

私は聖書翻訳をお手伝いしたいと思っている者です。そこで、もし何か未開語の辞書と文法書を1冊送ってくださったら、ひまな時間を新約聖書翻訳のためにささげたいと希望しております。

聖書を持たない人々に奉仕しようという心掛けは立派です。しかし、念入りに考案された文法規則に従ったり、ありふれた辞書の単語をあてはめるだけでは、どんな翻訳者でも良い成果を上げるわけにはいきません。まことの聖書翻訳者は、豊富な地域文化と密接な関係を持っている現地の言葉を深く学んだ者でなければなりません。また聖書の原語を深く研究し、その歴史的背景に通じることも肝要です。

翻訳者となるには、聖書の皮相な知識があるだけでは事足りません。完全な教育を受けていないと、言葉を誤って解釈したあげく、往々にして自分の無知をさらけ出していたにすぎない、という羽目になるのです。

「主の御名をみだりに口にする」(出エジプト20:7)ことが、一般の涜神(とくしん)行為のことであると思っている人がなんと多いことでしょう。たしかにその意味もあります。けれども、旧約聖書におけるこの意味は、宣誓の際、主の御名を口にしてはいけないというのではなく、主の御名によって誓いを立てたあげく、約束を実行しないことがあってはならない、ということです。

「誓い」は呪いとは違います。けれども主の御名によって約束しておきながら、実行しないことが困るのです。ユダヤ人は、意味もないのに神の名をやたら口にするくせがあったので、イエスは神の御名を一切用いてはならないと戒められたのです(マタイ5:34)。これでは自らの信仰を馬鹿にすることになるからです。

聖書の表現のあるものは、私たちにはまったく分かり切ったことのように思われるので、わざわざ時間をかけて綿密に調べたり、それらの語の可能な意味について、手落ちなく調べ上げる労をはぶいてしまうことがあります。

英語改訂標準訳(The Revised Standard Version)の Simon the Cananaean という句を読むとき、Cananaean はシモンの出生地を指しているものと思うのは当然です。ところが、ギリシャ語の本文でこの個所を綿密に調べると、これはまったく地名ではないことが分かります。

この言葉は zealot「熱狂者」を意味するアラム語の音訳であり、彼がいわば極端な国粋主義団体の一員であったことを示しています。これさえ分かれば、なぜ使徒言行録1章13節には Simon Zealotes「熱心党のシモン」とあり、同じ人がマタイによる福音書10章4節で、Simon the Cananean「カナンのシモン」と呼ばれているか、たやすく納得できます。

使徒言行録にあるのはギリシャ語の翻訳であり、マタイによる福音書にあるのはアラム語の音訳としてギリシャ語に借用された言葉です。シモンのような、反ローマ運動で広く聞こえた人が仲間になることで、イエスの将来の政治的立場を示すと思った者もいたでしょう。ところがイエスは一方で徴税人レビ(マルコ2:14)をお選びになっています。レビは、ローマのお先棒をかついで税金を取り立てたため、祖国の裏切者と見なされていたのです。

イエスの弟子たちの小グループの中にさえ、政治的見解と行動の両極端を代表するこれらの2人がいたわけです。この2人の弟子はどちらもイエスの政治的感化力を強化したとは思えません。それどころか、イエスが地上の権力のご機嫌を取るようなことをせず、ひたすら天の国を宣べ伝えることに専念されたのは明白です。

聖書を読めば、大衆相手に政治演説をすることは許されていることだ、とそれを正当化する人がいます。この人たちは、「だってイエスは『屋根の上で言い広めよ』(マタイ10:27)とお教えになっているでしょう。通りすがりの群集に呼び掛けよ、という意味ではないのですか」と主張します。

なるほど今日私たちの社会ではそういうことになるかもしれませんが、この教えは当時の人々に言われた言葉です。イエスの真意は、弟子たちがイエスから内々に聞いたことは、密集家屋に住む人たちが、近くの平らな屋上に集まって、夕涼みをしながら、くつろぎ、雑談を交わしているときに話してやるべきである、ということなのです。

イエスは決してある種の政治集会をお考えになっていたわけではありません。イエスが描いておられたのは、1人の人がその隣人に語ることであり、すでに自分の人生と切っても切れない一部分となった信仰を身近な人たちに分かち合いたいと願って証ししている姿なのです。

<<前回へ     次回へ>>

*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

■ 【浜島敏著書】(Amazon)
■ 【浜島敏著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:浜島敏
  • ツイート

関連記事

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(21)過去は前方にあり、未来は後方にある? 浜島敏

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(20)比喩もなく既成の表現もないとき 浜島敏

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(19)言葉の借用 浜島敏

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(18)「救い」のつもりが・・・ 浜島敏

  • 神声人語―御言葉は異文化を超えて―(17)文化の相違への対応 浜島敏

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 「もうひとりの助け主」の恵みを受けよう 万代栄嗣

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • ワールドミッションレポート(6月16日):アンゴラのクワンガリ族のために祈ろう

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(230)聖書と考える「あなたを奪ったその日から」

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.