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山北宣久・日本基督教団総議長に聞く

2004年1月27日01時01分
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日本基督教団聖ヶ丘教会・山北宣久牧師は、日本最大のプロテスタント教団である日本基督教団の総会議長。今回は山北牧師に、03年を振り返りながら、今後国内教会の取り組むべき課題と持つべき姿勢について話を聞いた。

――― 03年、日本のクリスチャンにとって重要な出来事は何か。

イラク戦争勃発だと思う。キリスト教国アメリカが“正義”を主張し、キリスト教原理主義的アメリカとイスラム原理主義の衝突のように取り扱われた。一神教の腐敗として、教会に対する批判的な見方が強まった。クリスチャンは今後、キリスト教に対する誤解を解きながら、戦争反対も同時に訴えていかなければならない。

日基(日本基督教団)は米国メソジスト教会と協約関係にあるが、実はブッシュ大統領やチュイニー副大統領がそこの信徒。日基は米国諸教会に対して「力によるイラク民主化が宣教師たちの献身的な働きを台無しにする」と訴えた。米国民も複雑な心境だろうが、キリスト教が力で神の御国を作るのかという質問に対して、はっきりと「No」と答えなくてはならない。

――― 教会は何を社会に訴えるべきか。

愛で始まったものも、力で始まったものも、愛の中から答えを見出すべきだということを訴えたい。これは厳しい戦いだが、力や法の及ばない物事は、愛でしか変えられないのだ。クリスチャンの目指す平和はキリストによる平和のみ。キリストの道に従わずして答えはあり得ない。

日本全体が米国の影響を受けている敗戦が日本への裁きだとすれば、憲法第9条は多くの尊い命の代価を払って与えられた主からの恵みだ。第9条を中心とした憲法が日本を救ってきた。教会は平和憲法保持、テロ撲滅、民主国家の創設に関してアメリカ流を否定すべき。

――― 世界的な平和運動とエキュメニズムについての印象は。

エキュメニズムとは、不一致の世界における悩みの中で教会が分裂を繰り返してきた歴史を悔い改めて、互いの相違点を受け入れながら世界が一つになることの尊さを求める “多様性の中の一致”。これは混交主義と異なり、教会の一致と世界の一致のためにある。教会が不一致の罪を悔い改めて、その罪を許したもうイエス・キリストの十字架で一つになり、伝道と教育で実を結ぶことが必要。

(教団、教派が)主体性の喪失を懸念することもあるが、その心配は杞憂に終わると思う。私たちは絶対的なものには絶対的に、相対的なものに相対的に関わるべきだとキュルケゴールが言っているが、ここに救いの必然がある。だから特質や主張を前面に出せば、分裂に加担することを意味する。

私の教会はカトリック教会の会堂を借りて礼拝を捧げているが、神父さんが最初の礼拝のときにいらっしゃったときにこう言いました、「ここでは2つの教会が2つの礼拝を守っているのではなく、キリストによるひとつの教会が2つの礼拝を捧げています。」

世界に存在する信仰は一つ。伝統にバラエティがあるだけ。そういう意味で、カトリックと(他教会は)全く同じ信仰を持っていて、使徒信条でも一致するから、言動も推進できる。エキュメニカルは単なる教会一致運動ではなく、一つになれない世界を皆が一緒に生きる平和な世界に変えていくこと。だから伝道こそエキュメニカル運動であり、平和運動でもある。反戦平和と伝道はひとつであるべきだ。

――― “一致”を目指す中、異端問題への取り組みはどうあるべきか。

異端は重要な課題だが、何をもって異端なのかについても課題がある。リトマス試験紙的なのは「主・イエス」「使徒信条」「主の祈り」の一致。異端はそこから逸脱する。しかし十字軍的制裁は宗教戦争を招くだけ。

エキュメニズムの正当性は成果で証明される。ピリピ3:16−17から学べるように、争いでなくチャレンジを通じて互いを意識、理解していくべきではないか。「然り、然り、否、否」とあるが、神に代わって釘を打つべきではない。毒麦を除こうとして良い麦を除いてしまうかもしれない。オウム真理教以来、人びとの宗教に対する不信感が高まっている。過ちに対する許しと本当の招きの寛容さを世の人たちに伝えなければならない。

アウグスティヌスが、人は偽りの愛に惹かれるほど真実の愛に飢えていると言った。異端に惹かれるというのは、真実の愛に対する渇きがあるということ。だから異端の存在と成長は、伝道をしない私たちに対する警告。教会が正統信仰をもっとのべ伝えておけば、異端がこれほど跋扈(ばっこ)することもなかった。「自分こそ正統で相手は異端」という態度を避け、相対的に扱うべきだ。

――― 諸教会はどういった次元で協力できるか。

平和運動は多様であるべき。反戦を叫ぶだけでなく、子どものときから『あなたは受け入れられている』と主の愛を伝え、虐待から守ることも大切だ。人類は争いを繰り返し、教会もその中に生きてきた。反戦を訴えるだけでなく、愛と平和のわざを具体的に伝えていくべき。多教派が2000年の歴史を継承することでキリスト教が息づいているのだから、その教派の多様性で世界の多様性に応えていけるかもしれない。

NCCが日本でのエキュメニズムの端的なものだが、一教団ができる範囲を超える規模でエキュメニズムの実践に取り組んでいる。NCCの他に単立教会や、最近急成長しているJEA(日本福音同盟)といった福音派がある。個人的には、彼らと協力すれば、教育、人権、国際問題など、ほとんどの分野でエキュメニズムが実現できるのではと思う。

NCCの平和実践活動で、キリスト者平和ネットワークがイスラム教徒や仏教徒を交えた集会をお寺でしたことがある。3宗教がそれぞれの言葉で祈り、賛美歌やコーランを歌い、それからプラカードを持って行進した。こうした開かれた機会が大切。差別意識が宗教間にも教会内にも見られる。共生できる社会が神様の御心であれば、性差別、部落差別などが天皇制によるという固定化したイデオロギーを避け、人権・一致・平和が福音を伝えることで果たされるべきだ。だから伝道が教会の使命で、教会は伝道のためにある。

「世界平和のための反戦運動が大事で、個人の救いとしての伝道は必要ない」という声もあったが、間違っている。イエスが教え、のべ伝え、癒したように、学校と教会と病院が別々なのではなく、教会が福音を伝える中でそれらを果たすべき。カトリックが肌に合う人もいるし、聖公会を好む人もいる。バプテストの人もいるだろうし、たまたま行った教会が一番馴染むという人もいる。教派的な伝統を超え、あるいは生かすとき、エキュメニカル運動が実現できるのでは。伝道は教会の保全目的だとか、中世の植民地主義だとする短絡的な考えを捨てて、宣教か伝道かではなく、福音宣教における伝道をなしていくべき。

――― この2004年、クリスチャンが取り組むべき課題は何か。

今年はイラク派兵に踏み入り、平和運動が今までにない規模で実施される。キリストの律法を守って、平和をつくることの意味を知り、宣教の核心にするべき。力ではなく、神の愛とイエス・キリストの十字架と復活によるときにこそ命を得られるという単純な福音が、実は決定的な意味を持つのだと、もう一度訴えていかなければならない。世の初め、混沌が創造の前にあった。悲しみ、苦しみ、争いの中でこそ福音が鮮明に浮き上がる。教会は更に福音に根差し、伝道に歩み出る人が立ち上がるだろうし、そうあるべきだ。

日本基督教団が誕生して50年になるが、今日既に100教会が機能していない。あと10年で500教会が機能しなくなる。カトリックは神父不足。献身者を奪われることが教会の死命を制する。収穫は多いが働き人が少ないとイエスも言った。この世界が問題に満ちて疲弊する中、働き人を求めておられる神に私たちが心を向けられるのか。歯を食いしばって悲壮な決心を持ってするのではなく、喜ばしいキリスト者の香りを放つということだ。一生懸命やる人ほど、疲れ果て絶望してしまう。希望が伝道のメッセージになっていくべきなのに。日本のキリスト者は救いに対する喜び、感謝、愛の力、キリストの特異を感じて自信を持つべき。キリスト者は既に勝利したと言ってくださるのだから、キリストに代わって戦ってやろうと粋がることはない。顔つきの強ばった平和主義者には誰も寄ってこないし、怯えた教会に行く価値も見出されない。

日本の教会は真面目だが、その中に窮屈さや人びとを遠ざけるものがある。これは少数であることに対する余裕の無さ、孤独に対する恐れ、失うことに対する恐れ。しかし少数であるからこそ誇るべき存在のはず。創造的少数者、Creative Minorityとはこのこと。

真剣に取り組むことは大切だが、義務ではなく喜びがあってこそ聖霊が働く。少数であることに恐れを抱くのは自分の力に頼るからで、主に対する高慢に他ならない。異質の物事に対して縮こまる姿を捨てて、日本の歴史を切り開くために選ばれ解放された民としての使命感が必要だ。

今回のイラク派兵でも、国際協調だけに注目して、平和憲法を中心とした日本の50年の歩みが一瞬で崩され、力に力で立ち上がることが正義とされる世界になってしまった。そして日本もそれに身を任せた。このように一度キリスト教の立場を考える機会が与えられたのは主のご計画だと思う。原点に返り、福音の歩みを建て直すのが日本に必要なことだったのだろう。

……………………………………………………………………………………………………

日本基督教団総議長、山北宣久牧師

やまきた・のぶひさ 1941年、東京生まれ。立教大学卒。東京神学大学大学院卒。品川教会伝道師(1年)三崎町教会副牧師(8年)を経て1995年以降聖ヶ丘教会牧師をつとめる。現在日本基督教団総会議長。

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