日本カトリック司教協議会常任司教委員会、安全保障関連法の施行に関する文書を発表

2016年4月14日17時44分 記者 : 行本尚史 印刷
+日本カトリック司教協議会常任司教委員会、安全保障関連法の施行に関する文書を発表
日本カトリック会館(写真:カトリック中央協議会提供)

日本カトリック司教協議会の執行機関である常任司教委員会は、「キリストにおける兄弟姉妹の皆さん、ならびに平和を願うすべての方々」に宛てた7日付の文書「今こそ武力によらない平和を―安全保障関連法の施行にあたって―」を公式サイトで発表した。

同委員会は、3月29日に安全保障関連法が施行されたことに触れ、「日本のカトリック教会が平和のために働く使命を果たすために、この安全保障関連法が神の望まれる平和の道にふさわしいかどうか今一度識別することは重要なことだと思います」と述べた。

その上で、「平和を願う皆さんに、昨年の戦後70年司教団メッセージ『平和を実現する人は幸い~今こそ武力によらない平和を』 (2015年2月25日に日本カトリック司教団が発表)を、もう一度読んでくださるよう、お願いしたいと思います」と呼び掛けている。

また、1. 安全保障関連法に関する日本の司教団のこれまでの声明、2. 平和についてのカトリック教会の使命、3. 日本国憲法と戦争放棄、4. 集団的自衛権行使の是非、という四つの点について説明し、それらを、戦後70年司教団メッセージをもう一度読む際の参考にするよう呼び掛けた。

同委員会は、「こうして『戦争放棄』の大原則を覆してしまうと、日本は『戦争をする国』として、これまでになかった危険にさらされることになりかねません。また、この法制は、基本的に軍事的な抑止力をもって平和を維持しようとするものです。これは、他国との際限のない軍拡競争を招く恐れがあり、防衛費が増大していくと、わたしたちの生活も大きな影響を受けることになるでしょう。そもそも武力で武力を封じ込めようとして平和を守ることなどできるのか、わたしたちは考えるべきでしょう」と述べている。

さらに、「平和を願う皆さん、わたしたちは今、本当に大きな時代の岐路に立っています。わたしたちは先の大戦から、近代戦争のもたらす大量破壊すなわち一般市民に対する甚大な被害を体験しました。それは、日本が受けた被害のみならず、日本がアジア諸国へ与えた被害をも含め、一般市民に対する無差別な攻撃による殺戮の体験でした。ことに、原爆による被害は言語を絶するものでした。わたしたちはこの被害の悲惨さと苦しみを共有したところから、その原因となった戦争自体を二度と起こしてはならないと強く決心し、不戦の理念を掲げた憲法を受け入れ支持し続けて来たのです。そして、世代をついで受け継がれてきたこの体験は、わたしたちの心の奥底に恒久平和の希求と不戦の誓いとして刻み込まれています」と記している。

最後に同委員会は、「戦後70年以上を経て、この悲惨な体験の実感とそれへの共感が薄れ、戦争を観念的にしかとらえない机上の議論がなされていることに危惧を感じます。かつての過ちを再び繰り返すことのないように、わたしたち一人ひとりがこの時代を生きる一人の人間として、またキリスト者として、今何を選び行動すべきかを真剣に考えていきましょう。そして、武力に頼らず、相互の信頼に基づく平和をともに祈り求めてまいりましょう」と結んでいる。

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