アンネの形見のバラ満開に 兵庫の教会で「平和のための展示会」 きょうから17日まで

2015年5月13日14時21分 記者 : 新庄れい麻 印刷
+アンネの形見のバラ満開に 兵庫の教会で「平和のための展示会」 きょうから17日まで
アンネのバラの教会にある「アンネの庭」(写真:アンネのバラの教会提供)

第二次世界大戦中にナチスによる迫害を受け、犠牲となったユダヤ人少女、アンネ・フランク(1929〜45)を記念したキリスト教会が兵庫県にある。聖イエス会アンネのバラの教会(同県西宮市)。ユニークな名前の教会だが、その名の通り、教会の「アンネの庭」にはアンネをしのんでベルギーで作られた「アンネの形見のバラ」と呼ばれるバラ50株が植えられている。数百輪の花が咲き誇り、見頃を迎えたこの季節、13日から17日まで、教会に併設されたアンネ・フランク資料館で「平和のための展示会」が開かれている。

ナチスの迫害を受けて故国ドイツを追われたアンネは、一家でオランダに亡命するが、そこにも迫害の手が伸びてきたため、隠れ家での生活を余儀なくされる。最終的に隠れ家は発見され、住人は全員、強制収容所に送られることになる。アンネはそこで病を患い、15歳という若さで亡くなるが、彼女が残した隠れ家での2年間の日記は、『アンネの日記』として出版され、世界中の人々に自由と平和への願いを語り続けている。

アンネのバラの教会は、アンネの父、オットー・フランク氏との交流から誕生した教会だ。1971年に、聖イエス会の全国にある教会の聖歌隊選抜メンバーで編成された「しののめ合唱団」が、コンサート旅行で欧州諸国とイスラエルを回っていた最中、オットー氏が自ら自己紹介をしてくれたのだという。この奇跡的な出会いをきっかけに、翌年のクリスマス、友情のしるしとして聖イエス会に12株のバラが贈られた。アンネの生誕50周年に教会建設が企画され、その翌年である80年に同教会が設立された。

併設する資料館には、アンネの生涯にわたる写真、600万人のユダヤ人犠牲者を出したホロコーストの写真が展示されている。アンネの遺品は、世界中にもほとんど残っていないが、オットー氏により、アンネが愛用したスプーン、靴べら、切手入れなど貴重な資料が、オットー氏自身の愛用品と共に寄贈された。オットー氏は、80年に91歳で天に召されたが、「平和は相互理解から生まれてきます。アンネたちの悲劇的な死に同情するだけでなく、平和をつくり出すために、何かをする人になってください」という言葉を同教会に託したという。

同教会の坂本誠治牧師に話を伺うと、アンネが日記の中に書いた「一体全体、戦争が何になるのだろう。なぜ人間は、お互い仲よく暮らせないのだろう。何のためにこれだけの破壊が続けられるのだろう」という言葉を引用してくれた。アンネは、その戦争の責任は、資本家や政治家や一部の人々だけにあるのではなく、全ての人が持つ破壊と殺りくの本能に原因があるのでは、と続けて語っているという。坂本牧師はそこに、聖書に記されている「何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いが起こるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか」(ヤコブ 4:1)との言葉と共通点を見出すという。

アンネの形見のバラ満開に 兵庫の教会で「平和のための展示会」 きょうから17日まで
「平和のための展示会」の会場の様子(写真:アンネのバラの教会提供)

戦後70年の今年は、ちょうどアンネの死没70年の年でもある。アンネの親友ハナ・ピック・ゴスラー(『アンネの日記』の中にリースというニックネームで登場)さんから、3月に同教会にメッセージが届けられた。「私たちはみな神の形に造られました。だから共に平和に生きることを努力しなければなりません」。

坂本牧師は、「聖書は、平和をつくり出すために、一人ひとりが神様によって心をつくり変えていただき、神の子となるようにと言っています。あなたも平和をつくり出すために、一歩を踏み出しませんか」と話し、来場を呼び掛けている。

「平和のための展示会」の開催期間中は、予約なしで資料館を見学できるが、団体の場合は要予約。入場無料。詳細・問い合わせは、アンネのバラの教会(電話:0798・74・5911、メール:church[at]annesrose.com)まで。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


教会の最新記事 教会の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース