「まさに正念場」 宗教者九条の和、「戦争法制」反対で緊急声明

2015年4月17日22時32分 記者 : 行本尚史 印刷
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宗教者祈念集会の様子=17日、参議院議員会館(東京・永田町)で

キリスト教徒や仏教徒などによる平和運動団体「宗教者九条の和」は17日、参議院議員会館(東京都千代田区)で宗教者祈念集会を開いた。約80人が参加し、安倍政権と自民・公明両党が提示する一連の安全保障法制を「戦争法制」だとして反対する緊急声明を発表した(全文は下記)。

この声明の呼び掛け人代表は、宮城泰年(聖護院門跡門主)、勝谷太治(日本カトリック正義と平和協議会会長)、小橋孝一(日本キリスト教協議会議長)の3氏。「戦後70年、戦争で殺し殺されることのなかった日本の歴史が、大きく崩れようとしています」と警告し、政府が連休明けにも安保法制を国会で成立させようとしていると危機感をあらわにした。

先人の宗教者らによる平和への誓いにも触れ、「今回の一連の戦争法制は、こうした先人の誓いを踏みにじり、そしてそれを受け継ぐ私たち宗教者の決意に挑戦するものであり、許すことはできません」と強く断言。殺し殺される事態は、命の尊厳を説く宗教者の教えに反するものであるとして、「私たち宗教者の教えを守る上からも、戦争法制に強く反対します」とした。

「まさに正念場」 宗教者九条の和、「戦争法制」反対で緊急声明
宗教者祈念集会後の祈念行動=参議院議員会館前で

声明の発表後、「平和を実現するキリスト者ネットワーク」(キリスト者平和ネット)の鈴木怜子事務局代表は、この声明を「全国会議員に配布して、私たちの祈りを聞いてほしい」と語った。

集会には、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さんから送られてきたメッセージが読み上げられた。瀬戸内さんはメッセージで、「戦争への道を暴走していく現政権の狂態を何が何でも食い止めなければなりません。宗教者の立ち上がりが遅かったと思います」と自省する一方、「今こそ、ここに集まった全ての宗教者が牢(ろう)につながれても、私たちは後へ引くことはできません。『殺すなかれ、殺させるなかれ!』 私たちは団結して力を合わせ、憲法九条を守りぬき、戦争法制絶対反対の祈念と行動を続けましょう」と訴えた。

また、呼び掛け人代表の一人である聖護院門跡の宮城泰年門主によるメッセージも読み上げられた。宮城門主は、「人間社会が核の恐怖、戦争に向かう、殺し殺される罠(わな)から解放されるよう、今からでも遅くない、国民の手で行く道を補修させよう。殺されないようにしよう」と呼び掛けた。

「まさに正念場」 宗教者九条の和、「戦争法制」反対で緊急声明
翁長雄志・沖縄県知事を応援する宗教者や市民団体の人たち=首相官邸(東京・永田町)前で

集会の後には、参加者らが参議院議員会館前で祈念行動を行った。キリスト教徒による主の祈りや仏教徒による祈りを唱え、「戦争法正反対!」「全てのいのちを守ろう!」などと叫んだ。

集会前には、キリスト教徒を含む宗教者や、沖縄・東京などの市民団体のメンバーら約200人が首相官邸前に集まり、この日の午後に安倍首相と初めて会談した沖縄県の翁長雄志知事を応援しようと、1時間余にわたり、「翁長知事、頑張れ!」「安倍総理は沖縄の声を聞け!」「辺野古に基地はいらない!」などと繰り返し訴えた。

宗教者九条の和キリスト者平和ネットは、5月3日(日)午後に臨港パーク(横浜市みなとみらい地区)で行われる憲法集会など、今後行われるさまざまな行動へ参加するよう呼び掛けている。詳しくは各団体のホームページで。緊急声明の全文は次の通り。

武力で平和はつくれない
戦争法制反対!いのちと憲法9条を守ろう!
宗教者九条の和 緊急声明

安倍政権と自民・公明両党は、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を具体化する一連の戦争法制を、連休明けにも国会に提出して成立させようとしています。戦後70年、戦争で殺し殺されることのなかった日本の歴史が、大きく崩れようとしています。

私たち宗教者の先人は、先の侵略戦争について、「勃発する以前に、身命を賭しても、平和護持の運動を起こし、宗教の本領発揮に務むべきであった」と懺悔(ざんげ)し、憲法9条を「人類史上類いなき崇高なる理想」とした上で、「平和国家の建設に挺身(ていしい)せん」と誓いました。今回の一連の戦争法制は、こうした先人の誓いを踏みにじり、そしてそれを受け継ぐ私たち宗教者の決意に挑戦するものであり、許すことはできません。

殺し殺される事態は、命の尊厳を説く私たち宗教者の教えに反するものです。殺し殺されるという戦争法制の下で、私たち宗教者の教えが中傷・排除され、ついに「凍結のまま腐蝕」(市川白弦『日本ファシズム下の宗教』)するに至った侵略戦争の時代を繰り返すことになるのでは、と危惧されます。信教の自由は戦後、獲得した権利であることを、憲法9条の下において守り生かすことのできる権利であることを、私たち宗教者は忘れません。私たち宗教者の教えを守る上からも、戦争法制に強く反対します。

戦争法制で、命の危険に最初にさらされるのは自衛官です。アフガンやイラクに派遣された自衛官です。アフガンやイラクに派遣された自衛官のなかで、すでに40名の方が自ら命を絶たれました。これ以上の犠牲者をつくらないのが、政治の務めです。失われた命について沈黙したままの安倍政権に、憤りの念を禁じ得ません。国民は戦争法制を望んでいません。NHKを含むいずれの世論調査においても、反対する声が多数をしめています。

安倍政権の暴走をストップさせるため、かつてない取り組みも始まっています。「建白書」実現、新基地建設反対の一点で保革が共同し、知事選、衆院選を勝利させた沖縄の「島ぐるみ会議」の経験、「相違点を乗り越え、戦争する国づくりをくいとめ憲法理念を実現するために大同団結」(「結成にあたって」)した東京の「総がかり行動実行委員会」の結成などは、私たちに確かな展望を与えるものです。

「宗教者九条の和」が呼びかけた、「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう」宗教者共同アピールに、全国から約8千5百名の賛同が寄せられています。戦争法制をストップさせることは可能です。

まさに正念場です。私たち宗教者は、心から呼びかけます。

“武力で平和は創れない戦争法制反対! いのちと憲法9条を守ろう!” この願いの下、宗教者の共同を急ぎ全国津々浦々に広げましょう。

今を生きる宗教者としての責任を祈りと行動で示しましょう。

2015年4月17日

呼びかけ人代表
宮城泰年(聖護院門跡門主)
勝谷太治(日本カトリック正義と平和協議会会長)
小橋孝一(日本キリスト教協議会議長)

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