世界平和アピール七人委員会、「民主主義を破壊する閣議決定を行わせないために、国民は発言を」と訴え

2014年6月13日10時46分 記者 : 行本尚史 印刷

世界平和アピール七人委員会(小沼通二事務局長)は12日、「民主主義を破壊する閣議決定を行わせないために、国民は発言を」と題するアピール文を発表した。

委員の一人である国際政治学者の武者小路公秀氏(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授)は、元国連大学副学長でカトリック信徒。西山俊彦神父の著書『平和憲法が平和への道、改憲は戦争への道—わたしたちが核戦争の加害者とならないために—』(靖国神社合祀取消を実現し平和憲法を護る会発行、2013年9月14日)では、招き「世界人類の平和に生存する権利を確立しよう」の中で、「イエスへの信仰をもとにする時、『平和に生存する権利』の憲法解釈の中心に置かれることがメタノイヤ(悔い改め)の問題だ」と述べている。

また、これまでの委員の中には、植村環・関谷綾子(いずれも元日本YWCA会長)、隅谷三喜男(東京大学名誉教授、元東京女子大学長)、平山郁夫(画家、元東京芸術大学学長)ら、クリスチャンが含まれている。

アピール文の全文は次の通り。

2014年6月12日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二 池内了

安倍晋三首相は、「国の交戦権は認めない」と明記している日本国憲法の根幹に反する集団的自衛権の武力行使容認をめざし、憲法を改正しないまま、あいまいな形で速やかに最終的閣議決定を行い、実施を強行しようとしています。私たちはこの動きに強く反対します。

首相は、米国との絆を絶対視し、日本国内の米軍基地と無関係に日本周辺の米国海軍が攻撃されるとか、米国本土が攻撃されるなどの現実的でない事例を示して限定するかのように見せかけています。ところが、武力行使は対立する一方の考える通りに進むものではないので、空想的な限定は意味を持ちません。最前線だけで戦闘行為が行われる時代ではなく、攻撃と防御は一体化しています。したがって武力行使の範囲が限りなく拡大することを可能にする議論になっています。

一連の動きに対して、自衛隊員も含めて人を殺すことはいけないという規範の下で生きてきた国民の支持は得られていません。専門家集団である憲法学者は一致して反対しています。それなのに、国会での審議も最短時間に留め、異なる意見には一切耳を傾けようとしていません。与党間協議でさえ十分な検討の時間を割くことなく駆け抜けようとしています。

国連憲章には確かに集団的自衛権が認められています。しかしこれは安全保障理事会が必要な措置を取るまでの間の臨時的な権利です。権利は義務ではありません。行使しなくても、行使できなくても問題ありません。日本は、1956年の国連加盟以来この点での支障は一度も起きていないのです。国連憲章の本来の原則は、紛争の平和的解決であり、平和に対する脅威、平和の破壊に対する非軍事的措置が優先されています。紛争解決へは、非難の応酬でなく、外交手段と民間交流の推進による信頼醸成の強化、軍備増強でなく軍縮への努力こそ進めなければならないのです。これは日本国憲法の基本的精神に沿う途です。

首相の言動は、国民主権の下での三権分立に基づく法治国家としての日本を破壊し、日本が攻めてくることはないと信じてきた周辺諸国をはじめとする世界における日本の評価をおとしめ、近隣諸国の軍備増強に口実を与え、日本の危険を増大させるという取り返しのつかない汚点を歴史に残すことになります。

黙っているわけにはいきません。今こそ主権者である日本の国民は、自らの考えを発言し、政府に誤りない日本の針路を選ばせるべきときです。

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