Skip to main content
2025年10月16日18時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
哀歌講解説教

哀歌講解説教(1) 宮村武夫牧師

2013年9月18日21時30分
  • ツイート
印刷
関連タグ:宮村武夫
宮村武夫牧師+

ああ、人の群がっていたこの町は
哀歌1章1~11節

「私は主に向かい、声をあげて叫びます。
声をあげ、主にあわれみを請います。
私は御前に自分の嘆きを注ぎ出し、
私の苦しみを御前に言い表します。」(詩篇142篇1、2節)

[1]序

今回なぜ哀歌を取り上げるのか、またどのような切り口から味わいたいのか、哀歌を実際に味わいつつ、少しづつ明らかになれば幸いです。

しかし今の時点でも、今日に生かされているキリスト者・教会として、私は何をどのように悲しみ、どのような哀歌を歌うのか、この課題を意識しながら、哀歌を読み進めたいとの願いは共有できます。そしてこの願いは以下の思いへとつながります。

「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから」(マタイ5章4節)と主イエスは語られました。聖書が言う意味で悲しみ・哀しみを知らなければ、聖書の言う慰めも経験することができない。本当に喜びの福音を心に刻まれた者の心から、哀歌が歌われるのではないか。

[2]「ああ、人の群がっていたこの町は」(1~6節)

紀元前586年、強力なバビロン軍が、神の都と信じられていたエルサレムを包囲したのです。そればかりでなく城壁は破壊され、ついに陥落。神殿は汚され、その宝はバビロンヘ持ち運ばれ、その上、民の指導的な人々もバビロン捕囚へ(3節、「ユダは悩みと多くの労役のうちに/捕らえ移された」)。この悲惨な現実から、哀歌の詩人は目をそらすことなく正面から深くとらえ、事態の根元に触れていきます。

(1)「この町」(エルサレム)の姿、エルサレム陥落を境に、それ以前と以後を鋭く対比させ、陥落がいかにひどいものであるかを描きます。

①「人の群がっていたこの町」←→「ひとり寂しくすわっている」

②「国々の中で大いなる者」←→「やもめのよう」

③「諸州のうちの女王」←→「苦役に服した」

今と昔、時の流れ・歴史の中で物事を見る。それは、物事を正しく、深く、豊かに知るために大切です。その営みを示す、一つの実例。

(2)「彼女の愛する者」(2節)、「その友」(2節)、「愛する者たち」(19節)などは、バビロン軍により崩壊する以前、ユダが同盟関係を結んだ国々を指しています。彼らは裏切り、敵となったのです。

特に、「だれも慰めてくれない(2、9、16、17節)と強調しています。ここでの「慰め」は、口先だけの慰めでも、単なる同情でもなく、「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから」(マタイ5章4節)と主イエスが言われる「慰め」です。人と同じ立場に立ち、希望を与え、真に生かす慰めを、求め期待すべきでない相手に求め、より深い失望、さらには絶望に陥る悲劇を、私たちはここにも見ます。

(3)5節後半、「(なぜなら)彼女の多くのそむきの罪のために、/主が彼女を悩ましたのだ」。哀歌の詩人は、エルサレムが破れ、神殿が汚される姿を正面から見つめているだけはありません。さらにこの悲劇が起きた真の原因が何か、根元まで掘り下げています。参照8節、「エルサレムは罪に罪を重ねて、/汚らわしいものとなった」。

イスラエルの民をエジプトの奴隷の状態から解き放ち給う恵みの神。イスラエルが恵みに応答するように、恵みの神は、祝福の約束と呪いの警告をもって語りかけ、恵みの契約を結ばれたのです。参照申命記28章43、44節。

「そむきの罪」とは、その恵みの契約に背を向けることを意味します。度重なる預言者たちの警告に耳を貸さず、ついにエルサレム崩壊を招いてしまったのです。

1章5節、14節、22節と哀歌の詩人が三度繰り返し強調している、「そむきの罪」。これこそ、エルサレムが崩れ去り、神殿が破壊、民の指導者がバビロン捕囚となってしまっている中で、直面しなければならない本当の問題です。

[3]仇のあざ笑いの中で主への叫び(7~11節)

(1)「仇はその破滅を見てあざ笑う」(7節)
「その民が仇の手によって倒れ」た事実だけでなく、その事実があざ笑いの種となるのです。これにより、エルサレムはなお深く傷つきます。

(2)二つの「主よ」、9節後半と11節後半
1~11節までは、今まで見て来たように、「この町」(1節)、「シオン」(4節)、「エルサレム」(7節)と、エルサレムは、3人称単数で描かれています。しかし、9節後半と11節後半、カギカッコの部分では、1人称で直接主なる神に呼びかけています。

エレミヤ10章1~25節に、その代表的な実例を見る、生ける創造者なる神と空しい偶像との鋭い対比。

①「主よ。私の悩みを顧みてください」(9節)

②「主よ。私が、卑しい女になり果てたのを/よく見てください」(11節)

3人称と1人称、それぞれを用いて描いている両方が、哀しみの深さを示すため大切です。12~22節でシオンが1人称で語り、直接苦悩を訴えている部分は次回味わいます。

[4]結び

(1)昔と今のように、哀歌の詩人は、 時の流れや歴史の中で物事を見ています。これは、主の御手の中で物事を見ることです。参照詩篇31篇15節。

時の流れ・歴史を大切にして物事を見るため、大切なときの物差しを私たちは与えられています。

①その一つは聖書を貫き、教会の歴史を貫くものです。天地創造から主イエスのご再臨にいたる、神がご統治なさる万物の歴史。その背景の中で、アブラハムからダビデまで、約千年、ダビデから主イエスまで約千年。参照マタイ1章1節。そして主イエスから私たちまで、二千年。私たちのように小さな存在が、少なくとも四千年の歴史を視野に入れて物事を見る恵み。

②もう一つは、沖縄、日本の歴史の物差しです。この場合も、琉球処分、1945年、1972年など、エルサレム崩壊の場合のように、特別な出来事の持つ意味を繰り返し考えながら、その物差しで物事を見ていく営み。

③さらに私たちの人生の物差し(詩篇90篇10節)。

(2)「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから」(マタイ5章4節)と主イエスが語られている通り、聖書が言う意味での悲しみを知らなければ、聖書の言う慰めも経験することができない。本当に喜びの福音を心に刻まれた者の心から、哀歌が歌われるのです。

(3)ルカ13章33~35節、19章41~44節
主イエスの「ああ、エルサレム」。

イザヤ53章3節、「悲しみの人」主イエス。

◇


宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。




※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:宮村武夫
  • ツイート

関連記事

  • 哀歌講解説教(3) 宮村武夫牧師

  • 哀歌講解説教(2) 宮村武夫牧師

  • ルカの福音書身読の手引き(100) 宮村武夫牧師

  • ルカの福音書身読の手引き(99) 宮村武夫牧師

  • ルカの福音書身読の手引き(98) 宮村武夫牧師

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 花嫁(35)古い人を脱ぎ捨てて 星野ひかり

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • 「アジア太平洋伝道会議」2027年に開催決定 50カ国・地域から2500人が参加へ

  • 都合の悪いお言葉(その1) マルコ福音書10章1~12節

  • 栄光への脱出の道 穂森幸一

  • ワールドミッションレポート(10月16日):タイ 傷と裏切りからの癒やし アドゥルの証し

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(5)妥協せず、信仰を働かせる 加治太郎

  • シリア語の世界(34)ウルファ(トルコ南東部)の洪水について(1) 川口一彦

  • グラミー賞受賞のクリスチャンソングライター、飛行機事故で死亡

  • ビリー・グラハム伝道協会とサマリタンズ・パース、福音主義財務責任協議会を脱退

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • イスラエルとハマスが和平合意、生存人質20人全員解放 キリスト教界から歓迎の声

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 加速する聖書翻訳、3日に1つのペースで新しい言語訳の聖書が誕生

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • マルコの証言を通してイエスと出会う90分 「マルコドラマ」日本で初上演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.