中国宣教の最前線、日本人宣教師が報告

2012年10月22日09時18分 印刷
+中国大陸の衛星画像(NASA)
 ジョセファット・ガジマ大会二日目となった10日のプログラムの一環として、ラブ・アジア・ミッション代表およびNPO法人日中交流支援協会理事長で中国宣教師の竹内宣雄氏が中国宣教の最前線について証しし、中国宣教に果たす日本人クリスチャンの重要性について説明した。

 日中関係が非常に緊張している現在にあって、竹内氏は「こういうときこそ、中国宣教を知らなければならない。中国を本当に理解し、神の愛をいただいているキリスト者として私たちはどう対応していくべきか。中国のために祈ってほしい。日本の教会が中国伝道、世界宣教に何が出来るのかということを知ってもらいたい」と伝え、日本の教会が中国宣教に果たす役割の尊さを強調した。

 またリバイバルについてルカの福音書10章2節を引用し、「収穫は多いが働き人は少ない。収穫を与えてくださるのは収穫の主であり、人間の頑張りでリバイバルが起こるのではない。中国ではリバイバルが起こっている。もうすぐ日本でもリバイバルが起こると信じている。大収穫の前に働き人を送り出すようにしないといけない。収穫の主に向かって働き人を準備しなければならない」と述べた。

 また中国という国家の特徴として「世界で最も人口が多く(世界人口の5人に1人が中国人)、残された社会主義国である」と述べた。竹内氏によると、中国国内の正確なクリスチャンの人口のみならず、正確な総人口もわかっていないが、中国国内には現在最低でも8,000万人はキリスト教徒が存在しているのではないかと言われており、日本人口と同じくらいのキリスト教徒が中国国内に存在しているとも言われているという。

ソ連崩壊、原理原則見失った中国

 ソ連が崩壊し、ドイツのベルリンの壁が崩壊するに伴い、残された社会主義国となった中国について竹内氏は、「日本人は人間関係を重んじるが、中国や韓国は原理を重んじる。共産主義、社会主義が地上の楽園を築く思想だと思って建国してきたが、親分であるソ連が崩壊した。自分たちが正しいと思っていた主義・原理が間違いだということがわかったときに、中国国民はこれから先何を原理原則にして生きていったら良いのかわからなくなった。そのような時に現れた人物が、鄧 小平(とう・しょうへい)であり、『先にお金持ちになれる方はどうぞ先にお金持ちになってください』という政策を行うようになった。ビジネスで成功した中国人が世界的に散らばっていくようになり、拝金主義に陥るようになった」と説明した。

 拝金主義に陥った中国で必然的に生じるようになった深刻な問題として竹内氏は環境問題を取り上げた。竹内氏によると、公害対策については中国政府も規制し、改善する努力をしているものの、拝金主義に陥った企業では「環境設備に投資するよりも中国政府に罰金を支払う方が安価である」という理由からなかなか環境対策が進まない状態にあるという。

中国の環境問題、「心の問題」が原因

 竹内氏は中国国内の拝金主義の思想と環境問題への取り組み方について「こういう考えでどんどん進むなら、中国の環境問題はアジア全体の問題、地球規模の問題になるだろう。ワークショップや会議で公害、環境破壊を抑制することはできない。この問題は最終的にはその人の『心の問題』にある。自己中心的な考え方で動いているなら解決できない。そうではなく、イエス・キリストが本当の解決だと信じている。環境破壊を考えるだけでも本当に中国にイエスを伝え、神を愛し、人を愛する考え方を中国の方々に持っていただきたい。神様はそういうことを覚えてくださり、中国にリバイバルを起こしてくださっているのではないかと思う」と述べた。

 共産主義国の中国ではあるものの、中国温家宝首相夫人がクリスチャンとなり、首相もキリスト教思想に影響を受けており、中国共産党幹部の次の世代を担う人々の間にもたくさんのクリスチャンが生じているという。

 竹内氏は中国について、「日本と深い関係がある国であるが、思想的な締め付けはまだ残っている。天安門広場行って路傍伝道をしたら、5分くらいで公安が来てどこかに連れていかれる。言論の自由はない。賢く中国宣教をしていかなければならない」と伝えた。

中国宣教、外見・言語で有利な日本人

 竹内氏によると、日本人は中国伝道をする際に外見上、言語上の問題でものすごく有利な立場にあるという。

 同じ黄色人種であることから外見上の区別がつかず、また言語上も同じ漢字圏であることから紙に書くことで言葉が通じ、また中国語の発音についてもさまざまな地域で発音の仕方が異なるため外国人が語る中国語であるとの区別がつかないため、現地の人々に溶け込むのが他国の宣教師に比べ容易であるという。
 
 対中ODA、金銭支援だけでは不十分

 竹内氏は日中間の過去の歴史について、「日本軍が中国人を殺害したのは、人数の多い少ないに関わらず事実。60年前くらいの話で、それほど過去の話ではない。これに対し日本政府は3兆円もの対中ODA(政府開発援助)支援をしてきた。しかし中国の方々は、日本が多額の支援をしてきたことをほとんど知らない。金銭的な支援はあまり功を奏していない」と伝え、日中関係の良好化のためには、物質的な支援だけではなく、霊的な支援をして行く必要について説き、「福音宣教、霊的なODAを日本から中国に提供していかなければならない。(御言葉によって)お互いに赦し合い、伝道を通して、愛を実践する関係を築いていかなければならない。私たちは未来志向にやっていかなければならない。クリスチャンとして日本人と中国人が互いに協力して宣教し、神様の愛を伝えていくというそういう行為を実践していくのがこれからの関係の在り方であり、霊的なODAであると信じている」と述べた。

 またこれからの中国宣教について、「中国の教会も変化しており、彼らの需要も変化している。5億人がインターネットを利用しており、中国国内でも聖書サイトにアクセスできる。1級都市~4級都市で聖書を買える」と述べ、日本の教会が支援できることとして「都会型家の教会へのサポート」を挙げた。

 竹内氏によると中国の知識階級、トップビジネスマンがどんどんクリスチャンになっており、彼らが中国政府公認の教会ではなく、自分たちのオフィスや工場、学校で集会を始めて「家の教会(いわゆる地下教会)」を形成しているという。

BTJ運動-シルクロードの東端から発端エルサレムへ福音を返す
  
 また竹内氏は中国人と日本人が協力してビジョンをもって宣教活動をする際の運動として「シルクロードの東端は、朝鮮半島を通って日本の奈良に辿り着いている。ササン朝ペルシャの壺が奈良にある。シルクロードの東端は日本。シルクロードをもう一度遡ってエルサレムに戻っていくならば、最終地点である日本から始め、日本と中国が協力して中東アジアに宣教に行こういうバック・トゥ・エルサレム(BTJ)運動がある。シルクロードの最終地点である極東からもう一度福音をシルクロードを遡ってエルサレムに伝えようという動き。そして終わりがくる。イエス様の再臨がくる。これを待っているだけはだめであり、出て行って、福音を一度も聞いたことがない方々に伝えていかなければならない。 主の再臨を祈り、出て行かなければならない。日本の教会は人数が少ないと悲観するのではなく、今ある私達の力で世界に目を向けて恵みを流してあげるべきである」と説いた。

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