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バチカン流出文書、前駐日大使の書簡も

2012年6月12日11時45分
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 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)文書の流出がイタリアでは問題になっているが、ジャーナリストのジアンルイジ・ヌッツィ氏がバチカンの汚職や腐敗、陰謀も明かす私信や文書を基に実態を暴露した近著『スア・サンティータ』(聖下=教皇に対する敬称)の中に、前駐日大使アルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教のメモも収録されていた、とUCAN通信が伝えている。

 流出した文書コピーは、教皇の「個人執事」パオロ・ガブリエーレ氏が逮捕された際にバチカン内の自室で発見された。

 普通、外交官のメモが明らかにされることはないだけに関心を持たれる。前大使のメモは、2011年8月15日付け。6年に及ぶ在任期間の最後にまとめられたもので、率直な内容が注目される。

 前大使のメモは、キリシタン宣教師の上陸以来4世紀以上を経た日本の教会の状況を捉えている。

 UCAN通信によると、前大使は、日本のキリスト者が少数に留まっている間に隣の韓国ではこの数十年間で激増していることを踏まえ、「しばしば問われた質問を自身でも考えている。このすばらしい世界がなぜ福音から遠ざかっているままなのか。日本人1億2800万人の中でカトリック者が50万人しかいないのはなぜなのか」と問い掛ける。

 大使が出した答えは、在任中に日本人司教、宣教師、一般信徒との会話と熟慮の結果で、「日本には『天皇』という象徴や、神道、仏教といった宗教に結びついた高尚な文化、輝かしい歴史と強固な国体がある。キリスト教に改宗するということは、この世界から縁を切ることであり、『らしくない日本人』になったと訴え、またそれで気落ちする、ということなのだ」と言う。

 大使は、日本人のプライドと強烈な国民としての一体感が、外国からの影響に、複雑な感情を示す、と説明する。「彼らはオープンで好奇心が強い。新しいものをその文化に融合させ、そのままには置いておかない・・・・・・そこで、福音に転向することはほぼ奇跡なのだ、という考えに行き着く」

 さらに、カトリックが西欧のものとして捉えられるという事実が助けにならない。「西側世界からもたらされ、メディアによって広められた、暴力、物質主義、腐敗といったイメージやライフスタイルなどがキリスト教世界の一部分と見られるので、受け入れられないい」と言う。

 大使の分析では、これが、長年にわたった日本の司教たちと「新求道共同体」との抗争の根底にもある。

 「わたしの見るところでは、彼らはここへ来て、ヨーロッパで生まれ発展したやり方に従い、現地の世界に適応することは念頭にない。ここ日本での彼らのやり方は、わたしが20年前にカメルーンで宣教師だった時に見たのと同じで、全ては提案ではなく押しつけだ」。大使にとっては、「緊迫、誤解と反発」だらけで、「対話への窓はほとんど開けられないまま、全面拒否に行き着く」ことは疑いない。

 新求道共同体の「意図と善意は称賛されるべきもの」だが、「現地の文化との融和」に欠けている。大司教は「愚見では、これが日本の司教たちが求めていることなのだ。聖化され、人々に寄り添う方法でメッセージの核心を提示するには、西欧風のヴェストを脱ぐことだ」と言う。

 UCAN通信は、彼らが日本でその考えを適用するか、またアジアのどこでもそうするか、について疑念を示し、大司教の最後の言葉がバチカンで真剣に考慮されただろうか、と指摘している。

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