5日から9日にかけてレバノン首都ベイルートで移民問題活動家、移民を多く抱える諸教会指導者、アフリカ、欧州および中東のエキュメニカル組織代表者らが一同に集い、世界移民問題と諸教会の対応についての協議会が開催されている。
グローバル化する今日の社会においては、どの地域においても移民問題が生じている。世界中で生じている移民に対し世界諸教会がどのような倫理的視点で対応するべきかについて協議がなされている。
同協議会のテーマは「『隣人とは誰か』という疑問を生み出したアラブの暴動」で、中東の民主主義を求める民衆の暴動が激化するにつれ、より「隣人」をどのように見なすかについての関心が高まっていることが中東教会協議会ディアコニアおよび社会正義担当のセタ・ハデシアン氏から指摘された。
同氏は「全ての諸教会に投げかけられたこのような神学的な問題は、世の中の社会、政治、経済問題にも深く関連しています。この疑問に答えるためには、建設的な対話を行って行くことが必要です。キリスト者として私たち全ては同様の問題に直面していると言えるでしょう。政治的な混乱や中東の不透明感から考えましても、異なる伝統を有する異宗教者と深い対話を行っていくことがより重要性を帯びているといえるでしょう」と述べた。
協議会参加者らは「『移民』という言葉についても再定義する必要がある」と指摘した。西欧の見解として、オランダ宣教協議会ディレクターのゲリト・ノート博士は「諸教会は多様性を受け入れる必要があります。欧州において多様な文化が交わっているという現実を受け止める必要があります。諸教会の間でも議論に活発に関わり、より結束力のある共同体へと発展して行けるようになる必要があります」と述べた。
世界教会協議会(WCC)移民と社会正義プログラムエグゼクティブのシディア・デュナ氏は移民共同体を教会が支援する重要性について強調し、「今日のキリスト者として、私たちは移民問題について全教会的にどのように対応するかを明確にすることが急務です。ベイルートの会議において、私たちが共にそれぞれの地域独特の政治的状況の壁を乗り越える架け橋を構築することができればと願っています」と述べた。
今回の移民協議会に関するグローバルエキュメニカルネットワークはWCCによって組織された。同協議会は7日までベイルートの近東神学校で開催され、8日-9日のワーキンググループによる小会議に引き継がれ、声明が発表される見込みである。発表された声明は2013年に韓国釜山で開催予定の第10回WCC総会で見解が共有される予定であるという。
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