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異教としてのキリスト教から脱却し、日本の歴史に即したキリスト教へ

2011年10月4日12時48分
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 8月29日から31日にかけて京都市右京区で日本民族総福音化運動協議会第一回フォーラムが開催された。同フォーラムで講演を行った東京基督教大学教授の櫻井圀郎(さくらい・くにお)氏は、「異教としてのキリスト教」から脱却し、日本人の救いを目的に、日本に特化した聖書を基盤としたキリスト教を展開していく必要性を指摘した。

 櫻井氏は日本宣教の基因となった「異教としてのキリスト教」の形成過程について、明治開国期に米国の「黒船」による開国が生じ、泰西主義に乗じてキリスト教が広まるようになり、戦後においては米GHQによる統治下で外国の宣教師によってキリスト教が伝道されてきたため「外国の宗教」「外国の文化」というイメージが形成されてきたことを指摘した。

 同氏は「聖書の宗教」としてのキリスト教と「外国の宗教」としてのキリスト教を対比させ、「外国の宗教」としてのキリスト教について、「日本の宗教」とするつもりがなく、「外国の文化」を「不動の真理」と誤認し、「外国の宗教」を真似るキリスト教であり、このような「異教」のイメージから脱却することが必要であると指摘した。同氏は「『聖書の宗教』としてのキリスト教として、これまで海外から宣教に来られた宣教師の方に見習うべき点は多々ありますが、根本的に異なる国家制度・社会意識・国民感情・経済状況を有する日本において、日本人の心情、日本の歴史や文化を反映した聖書の神学が日本宣教に適用されていくべきではないでしょうか」と提起した。

 その上で「日本は神の国であるという意識」を大切にすることで、キリスト者は江戸時代の役職で例えて言えば「神の代官」と言い換えることもできると指摘した。江戸幕府の代官は、将軍に代わってその地域を統治する人のことを指したが、「神の代官」としてのキリスト者はそれぞれの宣教の地において、神のために治めなければならないと指摘、また神である将軍を忘れ、「悪代官」となり、自分が偉いと思ってしまうことがないように注意する必要があると指摘した。「神の代官」という意味では、創世記一章で「神様のかたち」として人が創造されたことから、すべての人類が「神の代官」であり、これらの人々が「悪代官」に成り下がることなく「神の代官」となるように導いていくことで地上を回復させることがキリスト者の使命であるといえるのではないかと述べた。

 「日本の神学」について、具体的には「横文字を縦文字に直しただけの翻訳の神学から脱却し、日本語できちんと説明のできる、外国文化や歴史背景ではなく、聖書そのものを基盤とした神学を確立させ、意味の通じない日本語を改正していくことが必要です」と述べた。意味の通じない日本語を改正していく具体例としては、「義認」を「義化」、「義」を「正義」、「律法」を「法」とするべきではないかと提言した。

 またキリスト教を知らない日本人を伝道するにあたって、伝道と牧会の区別が必要であることを指摘した。たとえば、未信者の人に聖書の難しい言葉で話しても話が通じない。はじめは相手に合わせるコミュニケーションが必要であるが、一方で牧会をする段階になれば、未信者に接するのとは異なり、信者に向かってレベルアップして対応していかなければならないと指摘した。現状の教会では「信者基準で未信者に対処したり、信者に未信者基準で対応している教会が多いのではないか」との懸念を述べた。

 またキリスト教の伝道でもっとも肝心なことは「キリストによって罪が贖われた」ことを示すことであると指摘した。これに対し、日本では「異教」のように聞こえがちであるが、旧約聖書の過越し祭で羊などの動物に人間の罪を委ね、全焼することで贖罪していた習慣は、日本の神社でも「大祓(おおはらえ)」や和紙で作った人形(ひとがた)で身体を擦って罪を委ね、贖罪したりするなど旧約聖書の過越し祭と似たような贖罪の習慣があることを指摘した。

 よって、キリストによる贖罪ということを日本人の未信者に説明する際、「神社で年2回夏越の大祓、年越の大祓」をしなければならない習慣をもつ日本人が、イエス・キリストを信じることで「神の子であり罪のない人間であるキリストに罪を委ねることで贖罪することができ、信仰による委託によって、生涯に一回、つまりイエス・キリストを信じて告白するだけで良い」のであり、罪が贖われるのに最も効率の良い方法がキリスト教を信じることであると説明することが日本人の贖罪感覚に合致するのではないかと指摘した。

 また一般的日本人の聖書の御言葉に対する間違った認識について、聖書の御言葉は加害者が原状回復するにはどうするべきかの視点で書かれてあるのに対し、被害者の視点で書かれていると誤認していることが挙げられるのではないかと指摘した。たとえば、「目には目を」の御言葉は「目を損なわれたら、(相手の)目を損なって良い」と言う意味ではなく、「(相手の)目を損なったら、目を贖わなければならない」との意味で書かれてあるのであり、聖書が問題としているのは「被害者の損害」ではなく「加害者の罪」に焦点が当てられていることを指摘した。

 聖書の原点はあくまで「罪人の救い」にあり、人間が(加害者として)神に罪を犯したのだから、人間は神に贖いをするべきであるという視点で書かれてあることを指摘した。しかし神に贖いをするのは人間には不可能なので、キリストによる代償がなされたということを伝えるのが福音であると指摘した。また日本の法律も、西欧から輸入されたもので、基礎には聖書的価値観が置かれてあり、不法行為に対して、他人の権利を侵害した者は、損害を賠償しなければならず、被害者の権利として法律が制定されているのではなく、「加害者の原状回復義務」に視点を当てて法律が制定されていることを指摘、キリスト教の贖罪も、法律による加害者の原状回復義務と同様に、人類が神に対して罪を犯したことに対する原状回復に焦点が置かれており、イエス・キリストを信じるだけでその罪が贖われるという恵みがもたらされるものであると説明した。


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櫻井圀郎(さくらい・くにお)氏 略歴

1947年三重県生まれ。名古屋大学法学部、同学院博士課程(民法専攻)、東京基督神学校、米国フラー神学校神学大学院神学高等研究院(組織神学専攻)修了。高野山大学大学院(密教学専攻)在籍研究中。東京基督教大学教授。著書・訳書・共著:『日本宣教とキリスト教の用語』『混迷の中のキリスト教』『キリスト教弁証学入門』『大学とキリスト教教育』『日本宣教と天皇制』『異教世界のキリスト教』『「異教としてのキリスト教」からの脱却』『教会と宗教法人の法律』など多数。

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