青年カトリック教徒らの3年に1度行われる大会「カトリック・ワールド・ユースデー(WYD)」が16日から21日にかけて先週スペイン首都マドリードで開催された。WYDでは世界中のカトリック教徒の青年たちが一つ所に集い、出会いを喜ぶ祭典であるとともに、教会の本質であるキリストの受難と復活の神秘を祝う巡礼の旅でもあり、カトリック教会と社会にとっては若者に目を向け、将来を担う若者に信頼と希望を置くことの大切さを確認するきっかけとなる大会とされており、世界中の青年カトリック教徒らがこの大会に集うように教皇から呼びかけられている。
米クリスチャン・ポスト(CP)によると、米カトリック教会チャールズ・チャプト大司教はワールド・ユースデー本大会2日目となる17日、1万人以上の青年カトリック信者に対し米社会での主要メディアが宗教ニュースを扱う際に公正な視点で伝えられていないことが米社会を悪化させていることについて取り上げ、「米国では妊娠中絶、家族の生活、同性愛その他敏感な問題を抱えています。これらの問題に対する米メディアによる中傷、法的な恫喝がカトリック教徒のみならず、モルモン教徒、福音主義者その他の諸宗教信仰者らの脅威として迫っています。主要メディアはこのような敏感な問題を記事として取り上げる場合、伝統的なキリスト教の信条に反対する視点、宗教に対する無知と怠慢の合わさった視点で記事を書いています」と述べたという。
チャプト大司教は、他の多くの宗教信者と同様にカトリック教徒も主要メディアからその信仰を誤解されていると感じていることを伝え、ニューヨークタイムズやニューズウィーク、CNNは宗教ニュースについて必ずしも公正な視点で報じていないことを指摘した。
チャプト大司教は、これらの主要メディアは、限られた情報ソースや編集者の偏見に基づいて記事を作成するため、宗教的な信仰についての信用のおける情報を提供し損ねていると指摘、「これらの世俗メディアは収益を上げることに焦点を当てて運営されています。そのためカトリックの信仰に対する同情心は薄く、さらに神様の真実について教え伝える宗教共同体に対しては、どんな宗教に対してもとても多くの攻撃的な疑問を投げつけています」と警告した。
チャプト大司教は、米主要メディアが「アラブの春」と題して多くの取材を行っており、エジプトその他中東各国の紛争状態を精力的に取り上げている一方で、これらの情報の取り上げ方において、中東各国で深刻な迫害に耐え続けているキリスト者に関する情報があまりに無視されていると感じていると伝えた。
さらにイラクやシリア、チュニジアでは聖書を所有することや十字架のアクセサリ-を身につけることも違法とされている。チャプト大司教はこのような情報について、米主要メディアはほとんど注目しようとせず、これらの地域で信教の自由が得られずに苦しんでいる人々の情報をあまりに取り上げていないと遺憾の意を表明した。
チャプト大司教は、公的な場所から信頼できる宗教の情報を取り除くことは、米社会に弊害をもたらすことになるだろうと指摘し、「宗教的信仰を一国の公的な場から取り除き、公的な議論の場から追い出してしまうことは、民主主義に貢献しないでしょう。国家における寛容や多元主義の浸透に寄与しません。主要メディアが信頼できる宗教情報を排除することで、国家的に無神論の蔓延を広めてしまっています」と指摘した。そのような無神論的風潮が一国全体に広まることで、非寛容や神の存在しない宗教が広まり、別の国家が形成されるようになってしまうと懸念を表明した。
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