【CJC=東京】英紙テレグラフによると、『トリノの聖骸布』はルネサンス初期の巨匠ジョットが描いた、とイタリアの歴史家ルチアーノ・ブソ氏が主張している。セピア色の布に隠されていた署名を発見した、と言う。
ブソ氏はまた「15」という数字も発見したが、それは1315を意味するのではないか、としている。ジョットが、長年にわたって聖地やヨーロッパ各所に持ち回られたため損傷が著しい聖骸布の正確な複製品の製作を委託されたのだ、と言う。
1315年に作られたとすると、炭素同位元素法による調査で14世紀初めのもの、との鑑定結果とも一致する。
ブソ氏は、キリストの身体を覆った布が実在したのだが、複製が完成した後に分解してしまったか、喪失したか、または焼却されたのではないか、と考えている。
ブソ氏は、これまで他の専門家多数が見逃していたのは、暗号風に見える筆遣いであったり、ほとんど肉眼では見えないからだ、と言う。
これに対し、『トリノ聖骸布博物館』のブルノ・バルベリス館長はこの主張に強い疑念を示している。「まず物理・化学的試験で、布は描かれたものではないことが分かっている。第二に、布の拡大図を多くの学者が作り、いばらの冠やアラム語、ギリシャ語、ラテン語がないか、捜したが見つからなかった」と語った。「月を眺めていて、目や鼻、口を見ることが出来ると思うようなものだ」と言う。
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